普通、歩道と車道の境界ブロックは、隙間をなくしてセメントで固めています。
それでも、ひび割れが出来たり、隙間が大きくなったり、地殻変動のせいかな。
日本は地震国ですから、このような揺れが日常茶飯事で影響もあると思います。
すき間は徐々に広がり、雨水で泥や砂塵なども流れ込みますが、僅かな堆積物。
土壌とは言えないような環境ですが、そんなところでも野草は繁茂するのです。
ご近所を歩いていて発見したのですが、これはマツバギクという帰化植物なの。
元来は南アフリカ原産で、多肉植物のような葉は、高温や乾燥に強いらしい。
こんな照り返しのひどいコンクリートの僅かなすき間でも、咲くんだからなあ。
それで、例年、ここに花をつけるので、健気なものだと感動して撮影した次第。
この坂道には一筋のか細いすき間が形成されて、カタバミなども咲いています。
多分、傾斜のおかげ雨水も流れやすく、水分も最低限に確保されるのでしょう。
特に、カタバミは小さな花ですが、種子を遠くまで飛ばすので知れらています。
熟れた房に触ると、種子がポンと弾けますが、顔に当たると感触が残るほどだ。
それだけ、強い力で弾き飛ばすようですが、一メータくらいは軽く飛ぶのです。
つまり、カタバミの繁殖力が強いのは分かりますが、マツバギクはどうなのか。
種子が風に飛ばされて、このすき間に落ち込んで繁殖したというのなら奇跡だ。
生命力が強いので、僅かな種子でも環境に適応して成長してきたと思うのです。
そんな街中の野草ですが、もう一つ、赤いカタバミみたいな花も見つけました。
葉っぱもカタバミと瓜二つですが、大振りで花もサイズが二回り大きいのです。
これもネットで調べましたが、イモカタバミと言うらしく、球根は芋なのか。
歩道の花壇とか、中には、区画整理で取り残された雑種地に咲いていました。
大きな桜の木が一本、植えられているのですが、その根元に赤く咲いています。
まるで、さくらんぼの実が落ちて転がっているようなイメージが、実に美しい。
丈の高い雑草のすき間から見え隠れしていますが、これも繁殖は旺盛らしい。
球根で栄養を蓄えますので、ほったらかしにすると、どんどんと広がるみたい。
有害植物のように思われていますが、人為的に南米からもたらされた植物です。
園芸植物として広がったのでしょうが、何食わぬ顔で日本に定着してしまった。
花が美しいのなら仕方ないと思いつつ、他方ナガミヒナゲシはいただけません。
この花も、車歩道の縁石のすき間から咲いていますが、アレロパシーだとさ。
これは、ある植物が他の植物の生長を抑える物質を放出する本能を指します。
邦訳では「他感作用」ともいいますが、要するに他の植物が育たなくなるのよ。
だから、これを知ってから、自分なんか見つけ次第に引き抜いたりしています。
というわけで、街中の山野草は、調べれば調べるほど、興味が湧いてきます。
こういった植物が、育てられるかネットで調べたりして、今回はイモカタバミの球根を採取して、三号鉢に植え替えてみましたが、暑くなると休眠期に入るらしく、葉を付け花を咲かせる秋口までは、じっと観察し続けてみるしかないと思う自分がいるのでした。