今年の夏は、異様に熱くてベランダの日よけのシェードも張りっぱなしでした。
このため、ベランダで栽培している鉢も、多くがシェードの内側になりました。
特に、アゲハ蝶が好んで産卵に来る、ヘンルーダの低木も外光から遮られます。
蝶にとってシェードがどうも邪魔になるらしくて、卵を産み付けに来ないんだ。
シェードがない梅雨の頃は一度産卵に来てくれましたが、その後は音沙汰無し。
それにベランダの隅にある小みかんの低木も、幼虫に食べ尽くされて丸裸です。
餌になる葉っぱもなく、アゲハは立ち寄ることもないままに秋が来てしまった。
残念ですが、もう冬が来てしまうので越冬する蛹の産卵は、来ないと断念する。
そんな秋の日々が続いて行きますが、やはり猛暑の名残で気温が下がりません。
逆に、野ネズミがベランダを跋扈して、鉢の植物を食い散らかすから癪に障る。
そんな時、アゲハの幼虫でもいてくれたら、少しは気が紛れるかもしれないな。
そんなことを思いつつ、関心のなくなったヘンルーをふと見ると、鳥の糞かな。
おやっと思ってよく注意してみれば、それは糞ではなくてアゲハの幼虫でした。
多分、三齢になったぐらいの幼虫で、目の付いた青緑の芋虫になる前の姿だな。
鳥類に捕食されないように擬態をしているといいますが、はっきりしていない。
逆に、幼虫でも体内に毒を持つジャコウアゲハの黒い幼虫にも似ている感じだ。
だとすると、鳥類は黒い幼虫は毒を持つと、判断して食べないのかもしれない。
というのも、卵から成虫になるまでの生存率を表したものに生命表があります。
蝶類では数の少ない統計ですが、アゲハ蝶にもデータがありそれが驚きの結果。
1~3齢までは鳥類に全く捕食されていなくて、なんのための擬態なのだろう。
というわけで、近いうちに脱皮して緑の葉に擬態するような四齢は、まもなく。
最初に発見したのが二匹だけでしたが、その後上さんが残り五匹を新たに発見して今や合計七匹の幼虫が、ヘンルーの葉をむしゃむしゃと食べており、充分に食料がある環境の中で、このまま皆、無事に蛹になってくれよと期待する自分なのでした。