クリックで拡大します 昭和62年頃の滑走だと思う |
月山のペアリフトは、春スキーの初めは、積雪が未だ豊富でバーン専用です。
山頂駅から、繰り返し滑り降りることができますが、その期間は短いのですよ。
季節が夏に向かって暑くなりだせば、残雪も急速に融けだし始めます。
途中、地表が次第に顔をのぞかせるようになると、リフト脇コースは終了です。
このため、それ以降は、リフトは、登行かつ観光の性格を持つようになります。
スキーヤーも搬器に乗る時は、スキーを抱えながら乗降しなくてはなりません。
こうして、標高の高い姥ヶ岳のゲレンデまで、リフトの空中散歩が始まります。
一方、ゲレンデでは、時間が早いと、まだTバーが稼動を始めておりません。
ペアリフトが先行して八時に運転を開始しますが、Tバーは結構不特定です。
先ず、監視員がペアリフトで上がってきて、Tバーの山麓駅まで歩き出します。
本当は、朝の雪が締まっている間に滑りたいのに、そんなことはお構いなし。
実にチンタラしていて、到着したら、装置に被せてあったホロを外し始めます。
Tバーリフトエンジン |
ここで、始業前に駆動装置を点検しだすのですが、これが内燃エンジンです。
燃料の入ったポリタンクなども担いできて、エンジンのタンクに注いだりします。
この作業が長くて、四半時はかかるでしょうか、ようやくエンジンの起動です。
濃いサングラスを掛けたおっちゃんが、スターターのひもを勢い良く引っ張ります。
ブルンブルンとエンジンが震え、排気口から黒い煙がどっと出て来るのですよ。
ところで、山麓駅エンジンと山頂駅のワイヤー返しの仕掛けは、雪の上でした。
地面に固定されているわけでもなく、雪の上にドカッと置かれているだけです。
だから、雪を踏み固めた土台が融けて傾いたりすると、手直しをしていました。
それに、スキーリフトには支柱があるものですが、Tバーは無いに等しいのです。
山麓と山頂駅の間を、ワイヤーはスリスリとヘビのように、雪面をはうのでした。
まあ、これがリフトなのかと思いますが、どうやってワイヤーにしがみつくんだろう。
そこがミソでして、正にTバーと言うストッパー付きの搬器が存在しています。
月山リフトTバー牽引 |
これで、Tの部分を又にはさんで、ワイヤーで引っ張ってもらう仕組みです。
搬器の先端には、カムが付いていてワイヤーに引っ掛けますが、外れやすい。
乗り方にも慣れが必要で、何度も失敗すると、ド素人と白い目で見られます。
この円筒形のカムの間にワイヤーを潜らせますが、それからが緊張の瞬間。
カムを瞬時に斜めにし、ワイヤーのテンションを作り出し、外れなくするのです。
こうして、ワイヤーの張り出した力で、カムをストッパーに見立て、登るのでした。
ところが、途中、エンジンが不調で速度が急に落ちたりすると、たいへんです。
一瞬でもたるむと、ワイヤーの張りが失せて、引っ掛けたカムが外れてしまう。
この場合は、わざとエンジンを止めるのですが、カムを引っ掛けて待機します。
ワイヤーの張りの代わりに、体重をカムに引っ掛けてテンションを保つのです。
こうして、サングラス姿の山オヤジが、”エンジン動かすぞー”って怒鳴る分け。
ドッドッドッ、エンジンが動き出せば、アイドリングからグンとワイヤーが流れます。
このときのショックが、また強くて、グンと上がって一瞬緩むと、また外れやすい。
つまり、カムを外さないコツがあるわけで、これが月山スキー道の極意でした。
Tバーカムとかなまら祭り |
というわけで、このカムの形状がエロっぽく、偶然にもチンコを形どっていました。
偶然、カムを下にした写真を見たのですが、あら不思議、チンコの出現です。
しかも、ワイヤーのつなぎが、何かピュッと飛ばしたような印象までしてきました。
ちょっと、これは卑猥なんだけど、見れば見るほど似ていて、おかしくもあります。
しかも、搬器のカムの掛け方に興奮と緊張が入り混じるのが、似通うのです。
こうして、月山スキー場へは幾度と無く滑りに訪ねましたが、このカムの引っ掛けに習熟が必要なことは、自らも経験したのが貴重だったわけでして、しかもデザインがチンコ様だったことは、今回の投稿を書くに当って、マジマジと見つめ直して大発見できたことを、望外の喜びだと思うのでありました。
おまけ:
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”かなまら祭り”とは、、、
神奈川県川崎市の【若宮八幡宮 金山神社】
毎年、4月第1日曜日に行われる日本三大奇祭の中で一番有名で人気の高い祭り。
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