バター品薄はホクレンのせいだったと話題に
この間、テレ東の番組、”ガイアの夜明け”を、興味を持って視聴していました。
タイトルは、”巨大"規制"に挑む!〜明かされる「バター不足」”となっております。
バターは酪農製品で、道産子の自分も、北海道が酪農王国なのを知っています。
確かに、バター不足では、クリスマス商戦を前にしてケーキも作れなくなりましょうな。
でも、バターの国内消費は、この数年7~8万トンで安定推移しているのだそうです。
一方、国内のバター生産量は減リ気味で、需要を全て賄えないのが本音だとか。
なので、不足分は輸入に依存しており、政府の貿易品として関税を掛けています。
なぜ、保護されるのかは、輸入品価格が国産バターの半値以下と安いからなんだ。
品質の差別化は困難で、もしTPPで自由化されたら輸入品がはびこるのは確実。
特に、価格で競争力のあるニュージーランドが市場を席巻することになるでしょう。
ただ、飲用の牛乳は鮮度が落ちやすく、海外から大量輸入するのが難しいのです。
生乳は、そのまま長く保存ができない条件があるため、国産が独占することになる。
このため、酪農家から買い取る価格は、飲用向けに高く設定されてきたのですな。
一方、バターチーズの加工向けは安く押さえられて、生乳が余った時に回されます。
ところが、牛さんも生き物だから、猛暑など気候が悪さをして病気に罹ったりします。
こんな時、生乳の生産が落ち込んだりして、バターに回す余裕すらなくなってしまう。
そうすると、年初で計画した輸入分では、賄いきれなくなってしまうのが実際なのだ。
これは、政府の「農畜産業振興機構」が、独占で輸入しているのが背景なのです。
バター不足が顕著になると、パン屋さんやケーキ屋さんが買い集めに奔走しますね。
最近では、毎年のように食にかかわる物不足の狂想曲がニュースで駆け巡ります。
これって、民間業者が事実上、輸入できない仕組みとして成り立っているのでした。
つまり、バターチーズの流通は、市場に任せた経済ではなく、計画経済なんだなー。
酪農経済だけが、まるで社会主義の伝家の宝刀とも言うべき、制度の採用です。
そして、これを踏まえて生乳の買取も、指定生乳生産者団体制度に基づきます。
地域別に分けて、生乳を買い集める上限を定めたりして、まるで、利権構造だな。
そして、酪農家は原則的に、生乳を指定団体に売ることが義務づけられております。
しかも、この買取価格に対して、酪農家は色々な手数料を差っ引かれております。
上部団体の農協だったり、北海道のホクレンだったり、これって利権構造でしょう。
もし、品質の高い生乳を、自由に高く買い取って欲しい酪農家がいたとしましょうか。
そして、買い集める民間企業があって、バター生産までチャレンジしたらどうなるのか。
しかも、北海道の酪農家は大規模経営で、内地の酪農家と価格競争力で強い。
このため、北海道産の生乳は、内地へ移出されるのが制限されてきたといいます。
つまり、内地の零細な酪農家を守るために、搦め手で国内障壁があり過ぎなんだ。
だから、市場の硬直性を、MMJなる民間企業を通じて浮き彫りにしたかったみたい。
結論を言いますと、この手の価格支持が続いているのは、大きな理由があるのです。
つまり、農協やホクレンのような上部団体が、これら手数料収入に依存しております。
この価格を維持するために、消費者に大きな負担を掛けさせているんじゃないのか。
これを言いたかったのがTV番組の主張だったのだと思いますが、出色はホクレンです。
インタビューに出てきたホクレンの部長が無防備で、取材の意図を理解していない。
このような使い方をされるのは、昨今のバター不足批判で分かっていたのじゃないか。
だから、道産子は鷹揚でお人好しなのかもしれず、それが大らか北海道のよさかも。
でも、雪印集団食中毒事件の社長失言は、北海道発祥の企業の因果なのかな。
そんなこと言ったってねぇ、わたしは寝ていないんだよ、と逆ギレ発言を飛ばしてしまう。
しかも、雪印といえば酪農・農産関連のメーカーとしては老舗で、因果を感じます。
というわけで、ブログに地方応援とうたったタイトルにふさわしい記事を書いてみました。
そろそろ、ゲレンデネタを書いてみても良いかな思いつつ、書き溜めた記事のストックもかなりあるのですが、本格シーズン突入まではもう一踏ん張りかとも思いながら、ここはクリスマス商戦に向けて、バター不足を時事ネタに捕らえておくのも良いではないかと、思ったりもしたのでした。
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