2017年5月10日水曜日

小豆島で、日本料理の旨味の源泉たる醤油に含蓄を深めるのは、日本人としてもっともなことだ - マルキン醤油記念館(香川県・小豆島町)

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小豆島は、昔から醤油の醸造業が盛んだったと、母から聞かされていました。
もう、半世紀以上も前のことで、北辺の地の北見に住んでいた頃の話です。

だから、子供の頃から、誤って”こまめじま”と読んだことはありませんでした。
まあ、自慢でもないのですが、上さんもこまめと読んでしまい、つい笑いました。

そういえば、一時期、軽自動車のCMで家業を継ぐ若者のお話がありました。
父親が何か伝統的な食品の製造に携わる仕事らしく、大きな木桶もあります。

場所が特定されずとも、郷里の島へ舞い戻る設定なら小豆島が似つかわしい。
言わずもがなで、確かに島の道路は狭いし、軽カーにはおあつらえ向きです。

それで、小豆島へ旅行をするため調べたら、CMの舞台はやはり小豆島でした。
島の北側にある木桶仕込みの醤油蔵でして、名前は『やまひら醤油』さんです。

船で島々にお醤油を運んでいるのだそうで、地元との商いを大切にするんだ。
もろみ蔵は、国の登録有形文化財に指定されたほど、歴史も根付いています。


さすが、ダイハツ自動車が、軽のコンセプトを活かすロケ地に選んだほどです。
この「日本のどこかで」三部作は、『Dr.コトー診療所』の吉岡 秀隆が主人公。

そして、奥さん役は、NHKの連続テレビ小説『こころ』で主演した中越典子です。
小豆島のロケ地に、キャストもぴったりはまり込んだ舞台での、エコカー宣伝。

CMもシリーズ化されたし、何気無しに目に入ってきましたが、気にもなりました。
そんな記憶もありまして、この島の醬油蔵は一生の内に一度は訪ねてみたい。

こうして、今回訪問したのが、島最大のメーカー、マルキン醬油の記念館です。
場所は島の草壁港で、醤油蔵通りにはマルキン前のバス停もあって便利です。

行ってみましたが、古い切妻屋根の連棟で、白壁と黒板の壁の対比も美しい。
そして、お目当ては記念館を見学することで、休みの日もあってか無料開放。
   
  
本当は有料らしくて、ネットでは210円の入場料が必要なんだとありました。
ラッキーラッキーと思いつつ、受付に置いてあったパンフをもらって入館です。

ここは醤油蔵をそのまま残してあり、お醤油の作り方が一から学べるのです。
入った途端、昔から海外へ輸出されていた時の取引書類が陳列していました。

インボイスや船荷証券は黄ばんで時代を感じますが、書式は現在に同じです。
バターフィールド何だかという海運会社も、今だに健在でそのままに営業中。

ところが、それほど歴史を感じるマルキンなのに、関東では殆ど見かけません。
東日本と西日本は、濃口と薄口で醤油にも好みに違いが出るとよく言います。

我が家でも醤油は濃い口を使いますが、メーカーは正田醤油にいわて醤油。
近所に業務スーパーがあり、そこで売られる商品を無頓着に買うだけでした。

それでも、これらのブランドは地場で、そこそこ名が知られていると思います。
そう言えば、北海道で育った頃、母親は地元にあるワダカン醤油を使いました。

キッコーマンは地元の工場で製造されていましたけど、それほど買いません。
要するに、地方地方の味に親しんだお醤油ブランドがあまたにあるのですわ。


小豆島にしたって数が減ったとはいえ、醸造蔵が二十二も健在だと知りました。
そんな薀蓄を深めつつ、マルキン物産館では、しょうゆソフトクリームを発見。

ほのかな醤油のしょっぱさに甘さが融合した味覚なため、好みは分かれます。
でも、せっかく来た記念で、食べても損はありませんから、トライしてください。

というわけで、社名は地元の金刀比羅宮の社紋(丸に金)にあやかっています。
明日訪れる予定にしている金刀比羅宮との縁を、なるほどなるほどと感じつつ、この通り沿いにある金両醤油のアンテナショップにも立ち寄ったりして、日本料理の旨味の源泉たる醤油に含蓄を深めるのは、日本人としてもっともなことだと感慨を深めつつ、小豆島の旅を楽しんだのでありました。


おまけ:
金魚が宙に浮いて見えるんだってさ!!
船荷証券(クリックで拡大してね)
この会社は系列にキャセイパシフィック航空


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