屋根に乗っていた亀さんです |
陸に上がった海がめさんは、シルクハットをかぶっていても、寂しそうに見えました。
本当は、第二の人生でも船の上に乗り、サムイ島航路で活躍するはずでした。
ところが、乗船客のスペース確保で、展望デッキのカメさんは外されてしまいます。
実際に、我々がナトン港行きに乗った際、陸に上がったカメさんに出会いました。
確かに船内は混雑していて、展望デッキに座る座席を、やっとこさ確保しました。
まあ、一時間半の船旅とはいえ、南国でも海風に当たれば、体も冷えてしまう。
だから、船内の客席を探したのですが、乗るのが遅くて見つけられませんでした。
それで、このフェリーは日本からタイへお輿入れしたのですが、転売されたものです。
最初は、四国の高松から瀬戸内海の小豆島池田港まで運航していた船です。
その名も第三十一こくさい丸で、国際フェリーが運航した動物シリーズの第一号。
当時は、船上デッキにカメさんが居座っていて、中で遊べる工夫になっていました。
お子達には絶大な人気が合ったようで、その後、キリン・パンダに受け継がれます。
ただ、後継船は単なるデコレーションにすぎず、遊べる造作にはなっておりません。
だから、初代のカメさんは、思いっきり金をつぎ込んだ贅沢さを残していますな。
二代目は余裕もなくなり、単なる装飾に落ちぶれたのは、残念でしかありません。
何れにせよ、このサムイ島行きで見た亀さんの船は、格別な思い出になりました。
ところで、この島へ渡るには、本土の町スラタニまで、先ず飛行機で移動します。
次に、空港からバスに乗り込んでドンサック港へ移動してから、乗船するのでした。
空港ではバスが連絡しており、フェリーに乗り継ぐチケットも買えるので便利です。
このような方法は、コスパを目指すツーリストの間では、よく知られているのでした。
当時、上さん共々バンコクに駐在しておりしたので、現地のスタイルにならいます。
休暇の旅行でしたが、フェリーの思い出だけでも良い語り草になったと思います。
さて、小豆島の旅行は、岡山県の宇野港から豊島経由で土庄港に着きました。
調べてみましたら、それ以外にも発着する港が色々とあって、旅程で選べますね。
本州側 ~ 小豆島
① 神戸新港 ~ 坂手港 小豆島ジャンボフェリー
② 姫路港 ~ 福田港 四国フェリーグループ
③ 日生港 ~ 大部港 瀬戸内観光汽船
④ 新岡山港 ~ 土庄港 両備フェリー
⑤ 宇野港 ~ 土庄港 小豆島豊島フェリー
四国側 ~ 小豆島
⑥ 高松東港 ~ 土庄港 小豆島エンジェルライン
⑦ 高松港 ~ 池田港 国際フェリー
⑧ 高松港 ~ 草壁港 内海フェリー株式会社
⑨ 高松港 ~ 坂手港 小豆島ジャンボフェリー
土庄港のフェリーターミナル |
なので、小豆島へ渡るには、他港から出発した方が便利だったかもしれません。
それでも、わざわざ宇野から選んだのは、かつて宇高連絡船が発着したからです。
昔から旅好きだったので、時刻表を眺めながら四国へ渡ることを夢見ていました。
それは、本州四国連絡橋が通じる前で、航路は、旧国鉄が運航していました。
終着駅の宇野駅から、連絡船の出る桟橋までは、歩いて三四分と便利です。
でも、横断橋が通じれば、列車で渡ってしまうので、連絡船は廃止されました。
もう三十年以上も前の話ですが、残念に思い続けて、敢えて今回は選びました。
それに、航路は豊島にも立ち寄るという、多島海の船旅も、プラスで楽しめます。
そんなことで乗船しましたが、山火事で禿山になった井島も、遭遇できて面白い。
というわけで、北海道の離島をつなぐフェリーと違って、実に穏やかな航海でした。
瀬戸内海は外海にあらず、正に内海であるというのが、このフェリーの船旅でも実感できたのですが、そういえばタイのシャム湾に浮かぶサムイ島への航路も、あまり波風の立たない航海だったなと振り返りつつ、だからこそ亀さんフェリーも第二の人生が送れているのだなーと思った次第なのでした、
おまけ:北海道の離島・フェリーについても書いております
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