土渕海峡、ギネス認定なんだぜ |
実は、小豆島は二つの島でできていると聞いて、本当なのと思ってしまいました。
どうも、フェリーの発着数も多い土庄町は、本島と前島に分断されております。
そして、本島が小豆島に当たり、エンジェルロードのある渕崎地区が前島です。
でも、地図上では一括りにして小豆島と呼称しているのが、実に不思議なんだな。
まあ、行って見て分かったのは、分け隔てているのが河川みたいなものでした。
川程度のもので、これが海水の流れる水路なんて言われなければ分かりません。
それでも、幅が九メーターあるので、小さな漁船の往来は今でもあると聞きました。
この海路は、町役場の目の前を横切って行くわけですが、ちょっとした観光名所。
町だってPRしたいと思ったはずでして、実際、世界一幅の狭い海峡には違いない。
こうして、ギネスブックの認定を受けてから、すでに二十年が過ぎてしまいました。
でも、申請時、この海峡に名前すら付けられていなかったほど、注意されていない。
人々の暮らしの中に、当り前に生活水路として、溶け込んで埋没してきたようです。
まあ、ギネスになるには海峡の地名が必要で、どうしても命名せねばならなくなる。
こうして、町の名前と、前島の渕崎から、それぞれ字を頂戴して名づけられました。
一方、世界一広い海峡というのも存在しており、それは南極海のドレーク海峡です。
世界でも最も荒れる海域の一つとして有名で、最狭部でも約650kmもあります。
逆に土渕海峡は、名前すらないほどに、人々の生活に埋没したほど安全でした。
瀬戸内という内海は、外洋に比べて実に穏やかですので、このギャップは大きい。
もし、瀬戸内の海で育った人が、初めて日本海や太平洋の外海を見たらどうなるか。
大抵の人は、地平線の広がりとか、波の荒さなどを見てショックを受けるといいます。
どうも、茫洋とした外洋の空間の広がりに恐怖感を覚えるらしく、それが番組ネタに。
「秘密のケンミンSHOW」で紹介していましたが、瀬戸内では地平線が見えないのだ。
瀬戸内海で沖合いを見れば、すぐに視界に島々が入ってしまうし、対岸も間近です。
つまり、水平線に日が沈む光景を拝めないのが瀬戸内ですが、穏やかさはあります。
まあ、多島海の借景こそ、かけがえのない生活風景であって、なごむんだよなー。
だから、水路に名前がついていなかったとしても、どうってことなかったのでしょう。
大体、島に暮らす人たちは、旅客船で通勤・買い物をするのが当り前に思えました。
でなければ、小豆島からの出航地も便数も、あんなに多いのに納得がいきません。
要するに、瀬戸内海の暮らしは、船を電車やバス感覚で普通に使いこなして当り前。
電車と同様に定期券も当たり前になっていて、ラッシュアワーも存在しているみたい。
というわけで、土渕海峡というよりも単なる狭い水路のままでいても、それが瀬戸内海。
これまで、北海道の離島、佐渡島、伊豆七島など、フェリーも含めてたくさんの旅客船に乗ってきましたが、瀬戸内海ほど、これほどまでに穏やかに美しい内海の景色を満喫した航海もなく、日本で初めての国立公園として指定されたのも、むべなるかなと思うのでありました。
おまけ:
尾道の水道も美しい |
宮島もよかったな |
宗谷海峡はどんよりとしていたな |
津軽海峡の青函連絡船はよく乗りました |
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