身延町なかとみ現代工芸美術館 |
まるまると
まるめまるめよ
我が心
まん丸丸く
丸くまん丸
小泉首相が在任中に、メルマガの中で発信して、注目を集めた和歌なのです。
当時、抵抗勢力を必要以上に攻撃するとの非難に対する答えで紹介しました。
当時、郵政の民営化に対して、私は丸く収めたいのだよと言ったのかもなあ。
”私の内閣の方針に反対する勢力、これは全て抵抗勢力であります。”と国会答弁。
小泉元首相は、こういう引用が上手だった記憶もあり、他の引用もありましたね。
内閣が発足して所信表明演説の結びでも、米百俵の故事を引き合いにしました。
これは、救援の米を、明日の人づくりのために学校設立資金に費やしたんだ。
戊辰戦争に敗れて、明治初期、厳しい窮乏の中にあった長岡藩での逸話です。
それで、この和歌は、江戸後期の仏教行者だった木喰明満上人が歌いました。
そして、全国津々浦々に遺品となった”木喰仏”(もくじきぶつ)を残します。
その行脚は生涯で二万キロに及んだといい、漂泊の旅に明け暮れた遊行僧。
この人より、一世紀ほど前に活動した円空とよく比較されたりもしますね。
展示が終了してしまったのが残念 もらったクリアポケットファイル |
まあ、円空さんの荒削りで野性的な作風に比べれば、造作は対照的なんだ。
木喰さんが彫ると微笑を浮かべた温和なものが多いから、微笑仏と呼ばれます。
どちらも一木造の仏像を刻んで奉納したのに、こうも作風が違うと興味がある。
すでに円空の実物は、生まれ故郷の岐阜県まで出かけて見学して来ました。
一気呵成に彫り上げた、すこし荒々しい仏さんですが、微笑みも感じます。
柔和というよりは、何かしら神秘的なアルカイックスマイルが魅力的です。
ノミを選ぶ余裕もなかったのでしょうか、目鼻口が直線的になっています。
逆に、それがその微笑を生んだと思いますが、この木喰さんは少し違うな。
個人的な感想ですけど、少し劇画的な漫画チックさがあって、人間くさい。
円空さんが仏様の慈悲につながる笑みとしたら、木喰さんは寄り添う笑み。
それは、天変地異の驚異におののき、うろたえる農民に付き添うかのよう。
共に悲しみも喜びも分かち合うために、身近に存在した仏さまだったのか。
というわけで、生誕三百年の展示会で一堂に集まった仏様を鑑賞しました。
仏さまを拝みながら、双六仕立てのクイズに答えて館内を回りますと、展示会デザインのクリアポケットファイルまでもらえたりしましたが、円空仏との印象の違いが明確に感じられて、江戸期の遊行僧による仏像彫刻について蘊蓄を深めることができたのでした。
中身はこちらからご覧ください。 |
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