その名は、根が朝鮮人参に似ているので |
この花の種をまいたのは、数年前の春、確か五月頃だったのを思い出しました。
二十粒近くを撒きましたが、芽を出したのは数粒で、とても小さくか細い若葉。
毎日、観察を続けて水遣りをすると、やがて梅雨になって消えてしまいました。
山野草は、育てるのが難しいと思いましたが、植物の知識不足だからでしょう。
自分は北海道出身の道産子なので、秋に種子をまくという考え方がないのです。
暮らしてみれば分かりますが、厳しい冬を若葉で越冬するのは想像できません。
なので、何でも種子は春に撒くものだと思ってきましたが、ネットもそうです。
特にホタルブクロなどは、早春に種まきをすると紹介されていますが違います。
最初の花が咲いて種ができた頃が梅雨入り前なら、その頃に撒いて構いません。
やがて、芽を吹いて、年を越して、同じ頃合いに開花するパターンになります。
これが、植物の花暦だと思いましたが、二月三月に種まきをするとどうなるか。
開花に年を越す二年草ですから、早く撒いたからと言ってその年には咲かない。
なので、種の採れ時に合わせ、種をまいても構わないと思うようになりました。
それで、この釣鐘ニンジンは、種子の採取が、秋になった九月末頃にできます。
自分は、現在、横浜に住んでいますから、冬になってもそれほど寒冷でもない。
最近では、気温が零度を下回る日が無い年も当たり前になっており、温暖です。
なので、秋に撒いて発芽をすれば、年越しをするのはそう難しいことでもない。
これが北海道ですと、真冬には地面が凍ってしまう場所もあり、枯れてしまう。
このため、ホタルブクロは北海道では無理ですが、この花は越冬できるみたい。
生息域には北海道も挙げられていますし、高山植物の仲間もあるほどですから。
北海道礼文島は、低山でも高山植物 |
特にハクサンシャジンの名は知られており、自分も色々な高山で見かけました。
平地に咲くツリガネニンジンの高山型ということですが、この植物は生薬です。
古来、根を咳止めや痰を取る薬として使われ来て、若葉は山菜にもなりました。
なので、有用な植物だったのかもしれず、実は近所にこの群生地があるのです。
近くには農家がまだあって、その裏山で雑草に混じって花を咲かせていました。
ここは、市民の森の出入りに使う裏道で、人気も少なくて少し寂しい場所です。
だから、そこだけに自然が取り残されて、生き残っていたとも考えられますね。
いずれにせよ、そこで種を採取して、それが長い期間を経て咲いてくれたんだ。
というわけで、思いがけない花がベランダで咲いてくれたので、うれしい限り。
逆に、ご近所から分けてもらったウマノスズクサは、若葉をはやしてもすぐに枯れてしまうなど、用土が合わないせいだと感づいて至急取り換えたのですが、こちらもツリガネニンジンと同じく宿根草ですので、来年に目が出るまでは無事生き残ってくれよと、祈ってしまう自分がいるのでした。
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