加藤和彦の遺書に、そう書かれていたのです、その言葉自体がショックでした。
十年以上も前、平成21年年10月17日、享年62歳で命を絶ったミュージシャン。
死の数日前、十人近くの親しい知人に貴重なギターコレクションを贈りました。
それぞれ内容の違う遺書のような手紙を送りつけた中に、”葬式はいらない”と。
晩年、鬱病と診断されていたそうですが、自らの死期を覚悟したうえでの選択。
自分たちの世代では、昭和40年代前半に活躍したフォーク・バンドのメンバー。
コミックソング”帰って来たヨッパライ”が有名ですが、その後も活躍を続ける。
日本のポップミュージック界の大立て者として、君臨し続けたのはご存じかな。
ロックバンドの”サディスティック・ミカ・バンド”で活動したのが次の頂点ね。
シングルの”タイムマシンにおねがい”もヒットしたし、人生すべてが音楽活動。
果ては、還暦も過ぎて”ロックおやじ”になった彼は、燃え尽き症候群なのかな。
欧米では、「ミッドライフ・クライシス(Midlife Crisis)」と言われています。
対象となる中年層は、普通に考える以上に広く、大体45歳から65歳くらいまで。
その年齢が当てはまるといわれていますが、遺書を読むと当てはまる気もする。
長い音楽活動の中で多くの歌手に楽曲を提供してきましたが、一人は高岡早紀。
この女性は、今では女優としての活動がメインですが、十代はアイドル路線だ。
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シングルもかなりリリースしていて、アルバムも何枚か出したような感じです。
ちゃんと調べた分けではないですが、ユーチューブで検索すると結構見つかる。
それで、シングルに”眠れぬ森の美女”という曲があって、一種のオマージュだ。
ヨーロッパにある古い民話の”眠れる森の美女”が、下敷きになったみたいです。
それは、かなり昔のことでしたが、TVクイズ番組でネタとして出題されました。
”クイズダービー”の番組で、大橋巨泉が司会をしていましたが、この曲を出題。
歌詞の一部で、”胸の谷間に滑る何かが都会を銀色の森にする”というクイズだ。
回答者は、かなり頭をひねりながら答えましたが、これが全員不正解になった。
”雪”という答えを明かされて、「銀世界っていうからね」と一同納得しました。
それで、サビの歌詞もまた変わっていて、”バーブラブーシュカ 食べてもいい”。
一体、何の呪文かと思いましたが、確かケイト・ブッシュの歌にあったような。
”バブーシュカ”というロシア語のタイトルで、”お婆さん”を指す言葉なのです。
でも、恋に落ちるという女性の話に、老婦人は似合わないので意味は違うはず。
ネットでも、ラブーシュカは、ロシア語で罠(わな)の単語を指している指摘。
でも、先頭のバーブは何だろうと思いましたが、英語で棘(とげ)を指します。
他方、形容詞の”barbed”は、棘のある意味からバラの花を暗示させるようです。
もしそうであるなら、この曲の歌詞全体にかけられた呪文のような気もするな。
というわけで、このフレーズは、英語+ロシア語の合成で、”とげのある罠”だ。
ネットで探し出したら、”GAGYPA(バーブラ) JIYCHKA(ブシュカ) ”の綴りが出て来て、ググってみても全くヒットしないから造語なのかしれず、であるのなら、自分の考えた呪文こそが、この歌全体を暗示する秀逸な呪文だったのだと思ったのでした。
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