ロメオとジュリエット(1968)の音楽も有名 |
映画音楽は、作曲家が作品を発表する場としては重要なジャンルだと思います。
だから、クラシック作品よりも映画音楽で有名になってしまうこともあるんだ。
以前にも書きましたが、映画音楽を書いたの最初の作曲家はサンサーンスです。
これ以降、映画の技術も発達して、無声映画からトーキーになると音楽が激変。
映像と音声の同期した映画は、音楽で背景を表現するBGMが使われ出しました。
それより前は、映画に合わせて演奏したり、レコードを掛けたりとお茶を濁す。
まあ、ストーリーの展開に合わせた音楽の表現には、ズレもあり同期しにくい。
ところが、トーキーの導入で、音楽表現が演出効果を高めるようになりました。
こうして、クラシックの作曲家も、進んで映画音楽の作曲を手掛け始めた分け。
だけど、映画音楽だけが有名になってしまった作曲家がいても仕方ありません。
その一人がイタリアのニーノ・ロータですが、彼と言えば ”ゴッドファーザー”。
この映画音楽は、”愛のテーマ”として多くのアーティストがカバーしています。
もっとも、暴走族のミュージックホーンに使われて、夜中、パラリラパラリラ。
そんな甘美で切ないメロディーは世に広まりましたが、他の作品はどうなのか。
基本がクラシックの作曲家で、交響曲も残している事実は知られておりません。
むしろ、映画音楽が先んじて有名になり、死後、クラシックが知られ始めたの。
ユーチューブの検索で試聴できますが、2番を聞くと純然たるクラシック作品。
だからと言って、不協和音の連続みたいな現代音楽でもなく、聞きやすい作品。
そうでなきゃ、数々の素晴らしい映画音楽は生み出せなかったと思うんですな。
ご本人は、亡き父親のために、わずか11歳でオラトリオを成功させた秀才です。
モーツアルトの再来と呼ばれたほどの人ですが、小学生が作曲したんだからね。
この他にモーツアルトの再来と呼ばれた人は色々いて、一人はサンサーンスだ。
加えて、映画音楽で有名なエーリヒ・コルンゴルト、ショスタコビッチもそう。
幼いころから天分を発揮していた作曲家ということで、凡人は到底及びません。
というわけで、映画”ゴッドファーザー”は、アカデミー音楽賞を取れませんだ。
というのも、自分の映画音楽から引用した部分があるためで、それでも翌年の連作”ゴッドファーザー2”では、評価されて無事受賞する運びとなったのですが、クラシックの作品では引用など当たり前の世界で、何だかなあと思うのでした。
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