2022年1月8日土曜日

その才能を高く評価され、音の魔術師、ラヴェルからも個人教授を受けていたほどの才能だから、音色に彩色を感じた ー ジェルメーヌ・タイユフェール(仏六人組)

(Germaine Tailleferre, 1892 - 1983)
      
フランス6人組は、二十世紀前半、フランスで活躍した作曲家集団を指します。
最近まで、すべて男性の作曲家だと思っていたのですが、全くの勘違いでした。

一人だけ、女性でジェルメーヌ・タイユフェールが活動していて、珍しい存在。
女性作曲家は、古今、音楽史の中でも数少ないのですが、彼女は筆頭格だろう。

それでも、クラシック作品として、頻繁に演奏が取り上げられる分けでもない。
では、なぜ、この作曲家が女性だったのか分かったのかは、ユーチューブから。

最近、二十世紀以降のクラシック作品をユーチューブで聞くようになりました。
ユーチューブがすごいのは、視聴者の選ぶ動画の傾向をAIが分析している点。

ホーム画面には、視聴するチャンネルがリストされますが、クラシックはそう。
チャンネルの”Rodders”は、人口に膾炙しないクラシック作品を取り上げます。

中でも、二十世紀以降の作品でピアノ協奏曲をよく聞いていた点が接点でした。
外国のチャンネルは、作品作曲家を、タイトルを横文字で紹介するのが普通ね。

ピアノ協奏曲1番、試聴はこちら
        
”Germaine Tailleferre”のピアノ協奏曲1番と紹介があり、見知らぬ名前なの。
生没年の表記はあり、二十世紀に活躍した作曲家と分かってもそれぐらいだな。

快活でリズム感のある作風で、こういう作品は今まで聞いたこともなく驚いた。
現代音楽の範疇とは言えず、不協和音も見当たらずに、作風だけは現代的かな。

気に入ってしまって、この作曲家は何者とウイキで調べると、何と女性だった。
英語圏の女性名は知っていますが。フランス語圏の名前と綴りは分かりません。

しかも、六人組の一人と紹介されていて、うーん、女性がいたとは知らなんだ。
ただ、メンバーのオネゲルの作品、”パシフィック231”は、聞いたことがある。

確か、中学校の音楽授業だと思いますが、蒸気機関車を描写した音楽作品です。
まあ、その程度しか知らなかったわけで、六人組は音楽史上の単なる一呼称ね。

だから、自分好みの作風の作曲家がいたとはつゆ知らずで、新しい発見でした。
この作曲家は、時には”耳のマリーローランサン”とも呼ばれることがあります。

詩人のジャンコクトーが名付けたそうですが、マリーローランサンは女流画家。
彼女の方が有名ですが、同時代に生きた女性芸術家の活躍をなぞらえたのかな。

    
このマリーローランサンの絵画は、日本でも人気があって美術館もありました。
でも、蓼科高原の美術館は十年前に閉館となり、その後継の美術館もまた閉館。

二度も美術館が閉じてしまい、最近、この画家に人気が陰り気味なのだろうか。
二十世紀前半、可愛らしい表現で上流階級の間に大変人気があったと言います。

でも、時代の変化で、この柔らかな色彩と繊細な画風は野暮ったくなったのか。
作風は、朦朧とした雰囲気で遠近感に乏しく、女性の可愛らしさだけが取り柄。

こんな不思議な作風で一世を風靡しましたが、時と共に忘れ去られるのだろう。
一方、タイユフェールは、残念ですがローランサンより一足早く忘れ去られた。

それでも、最近は再評価も進んだので、ユーチューブで聞けるのはありがたい。
というわけで、映画の喜劇王チャップリンも、このタイユフェールに着目した。

実際に、彼は、自分用に映画音楽を作曲してもらおうとしましたが、当のタイユフェール自身が、チャップリンの才能を評価して自分で作曲するように勧めたエピソードが残っており、こうして出来上がったチャップリン映画の名旋律は、彼女の配慮なしには後世に残らなかったかもしれないという辺り、エポックメーキングだなと思ったのでした。



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2 件のコメント:

  1. 昔、岐阜県のロッセ高原スキー場のスキースクールで主任検定員をしてました^^;
    ロッセが終わるときに、確かに大騒ぎして最後の宴会をした記憶が有ります。
    小さなスキー場だったので、生徒さんは殆ど初心者ばかりで体力勝負でした。他には修学旅行や学校行事でのスキー体験がメインでした。
    日本国内のスキー場では珍しく、ウォータースライダーの施設があり、水の上をスキーやボードで滑りきるもので、水没者続出で楽しかったです。
    ロッセ高原の記事を見つけて懐かしく思いコメントしました。

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  2. コメントをありがとうございます。あの記事を書くときに、ユーチューブでウォータースライダーの動画を見ました。その動画でも、皆さん楽しんでいらしたし、自分が滑った時のロッジも大賑わいだったので、生まれ故郷の北海道によくある雰囲気のスキー場を思い出して懐かしかった思い出があります。

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