早朝、トイレに行きたくなって目が覚めてしまって、寝付かれなくなりました。
こういう時、父親が形見に残した四十年物のラジオにスイッチを入れるのです。
もちろん、隣で寝息を立てる上さんを起こせないので、イヤフォンで聴くんだ。
朝四時台は、番組最後のコーナーですが、普通は”明日への言葉”になりますな。
ところが、この朝は聞いていると、ショパンの曲が流れたりして少し違うんだ。
しかも、本人について、不治の病と言われた結核に侵された病状を紹介します。
病状が進行し、健康が蝕まれて絶望に陥る心情を紹介するなど、実に暗いんだ。
これが、朝の放送かと思いつつ、眠気が失せて気の重くなるような番組でした。
時々、クラシック音楽を紹介するコーナーなら、あったはずと記憶しています。
でも、本人の絶望的な言動を交えて、ピアノ作品を紹介する構成に驚きました。
これから新年を迎えようというのに、明るい気持ちになれない月曜の早朝です。
NHKも放送すべきTPOの分からない野暮な公営放送だと、罵りたくもなるもの。
まあ、アナウンサーから”絶望名言”のタイトルを紹介されて、うなずくだけだ。
ただ、人気のあるコーナーなのか、 珠玉の絶望名言集とし単行本も出ています。
一方、出演して名言を紹介する文学者も、長い闘病生活を体験しているようだ。
病気や事故など、人生で受け入れがたい現実に直面すれば、人は絶望するとか。
そりゃ当たり前で、ことさら取り上げてもらいたくない話で、朝から暗かった。
今は、ロシアがウクライナに軍事侵攻を続けているような不穏な世界ですから。
しかも、中国などは、台湾へ軍事侵攻する脅迫をし続けている昨今の国際情勢。
庶民だって、コロナ禍でも、「立ち直らないといけない空気」を感じているし。
というわけで、絶望の名言など有難迷惑な話で、前向きに考えた方が幸せだな。
ただ、大切な人を亡くしたり、心が深く傷ついたりして立ち上がれない人たちも多くいるのは事実で、前向きな雰囲気が強すぎてしまえば、なぜ、自分は立ち直れないんだと苦しめられかねないので、ほどほどに日々を楽しく暮らせばよいぐらいに思うのが、無難だとも思ったのでした。