三月末に羽化したアゲハ蝶は、三つのサナギすべてがその日に羽ばたきました。
最初のサナギは、朝も早くから羽化が始まりましたが、残り二つは非常に遅い。
その日は、曇り空で薄暗かったのも事実ですが、朝七時以降に羽化したみたい。
なので、出勤前の朝の内はバタバタしていて、観察の余裕もありませんでした。
かろうじて写真だけは撮れましたが、上さんも、その日は買い物に出てしまう。
何時頃だったのかは、はっきりしないままに仕事から帰宅して知らされました。
まあ、上さんがマメに記録して、サナギになったのは、昨年九月の下旬でした。
しかも、サナギ全てが三日前後の差でしかなく、だから羽化が同時だったのか。
そう思うと納得もしますが、不思議なのは、残り二つの羽化がかなり遅かった。
まるで、最初の羽化に促されたように、蝶に生まれ変わったとしか思えません。
春先は未だ気温も低く、昆虫にとっては行動しづらいし、成虫も少ないだろう。
まだ、三月末では、桜が咲いている頃ですので、花の咲く時期にしては早いな。
なので、この三匹に雄と雌がいれば、さっと交尾して産卵してしまうでしょう。
我が家のベランダは、食草のヘンルーダの低木もあって蝶が良く羽ばたきます。
だから、間もなくして葉に卵が産みつけられたのを、発見できるかもしれない。
そんな筋立てをしてしまいましたが、生物の進化には不思議なこともあります。
それは、生物の進化には、シンギュラリティ(特異点)があると言う学説です。
一方、この言葉は、人工知能のAIが人の能力を超える時が来ることを指します。
でも、本当にそうなのだろうかとも思うんですよ、電源を切れば働かないもの。
他方、生物は適切な自然環境があれば、どうであれ自律的に生きようとします。
これを今回の羽化に例えるなら、サナギ自体は環境の厳しい季節を生きていた。
それが、陽気も良くなり、子孫を反映させるために、時期を逃さずに羽化した。
そう思うと、越冬蛹にとって、羽化も一つのシンギュラリティだと思うんだな。
というわけで、この概念に関連して、ノーベル賞を受賞した先生もいるのです。
それがイリヤ・プリゴジン氏で、散逸構造の研究でノーベル化学賞を受賞しましたが、この理論に従うと、生物は有機物でできた複製する散逸構造であって、自然選択が働くことから、生物は子孫を作り進化し続けるということで、そうなのであれば、今回の同時羽化も納得したような気分になったのでした。
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