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雁木作りの牧之通りが素敵 |
越後では、屋根に雪が一メートルも積もると、ミシリと上から音が聞こえてきます。
雪の重みで家が倒壊するかもしれず、これを防ぐために「雪堀り」が必要でした。
雪下ろしと言わせないところは、豪雪で雪かきが追いつかなかったからでしょうか。
正に家を掘り起こすイメージで、積雪が半端ではなかったのを物語りますね。
作業では、コシキ(スコップ)という木の道具を使い、豆腐のように切り出します。
家の立て込む場所では、樋(とい)を設けて屋根の下へ落とす作業をしました。
こうすれば、効率よく滑らせて落とせますし、通路に手際よく積み上げられました。
ただ、往来に溜まった雪は次第に高くなり、人々の通行に支障を来し始めます。
しまいには、お向かいやお隣の家を行き来に、洞(トンネル)を掘ったほどでした。
一方、街道に沿った宿場町では、表通りに宿屋や商店が建ち並んでいます。
このため、家々では、通行が楽なようにと、軒に長い庇(ひさし)を設けました。
これを、雁木造(がんぎづくり)といい、新しくなった牧之通りにも採用されました。
この通りですが、かつての三国街道の宿場である旧塩沢町の市街にあります。
通りの名称も、「北越雪譜」の著者、鈴木牧之からちなんで名付けられました。
つまり、宿場町の風景を再現した街作りで、平成21年竣工と間もないのです。
電線も地中化されており、石畳の歩道に生まれ変わった景観は、すばらしい。
そして、この街作りが斬新だったようで、国土交通省から表彰を受けております。
当然、多くの観光客で連日にぎわうようになりましたが、むべなるかなでしょう。
平成23年度(紹介資料はこちらから)
「都市景観大賞(都市景観部門)」
「手づくり郷土賞(一般部門)」
ところで、江戸後期の文人、鈴木牧之については、この地に記念館があります。
名前も「鈴木牧之記念館」といい、通りの無料駐車場に隣接していました。
作者の業績を紹介した博物館ですが、加えて、雪国の風物も紹介しています。
自分的には、学生時代に原文に親しんでいたので、興味もあって再訪しました。
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鈴木牧之記念館パンフ(平成四年頃) グーグルドライブはこちらから |
実は、四半世紀も前にスキーに行った帰りがけに、一度、訪れたことがあります。
しかも、疲れていたせいなのか、そのまま駐車場で一晩を明かしてしまいました。
近所の犬が一晩中鳴いて、眠れなかったのを思い出しましたが、気づいたのか。
車で野宿するような貧乏スキーヤーには、容赦もなかったような気もします。
と言うわけで、合併により南魚沼市に自治体が変わっていた塩沢町なのでした。
だからと言って、格別、住んでいる人々に生活の営みは変わらない気もします。
ただ、平成13年度に道路の拡幅を行う工事が決定された際、地元では、これを数百年に一度のまちづくりの機会ととらえて、沿道の建替え家屋に対しては統一デザインを導入するなど、積極的なまちづくりに進めたことが、現在のすばらしい牧之通りにつながっており、この目でしかと見届けられた点では、自分には楽しい再訪になったのでした。
おまけ:
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鈴木牧之記念館パンフ(再訪時) グーグルドライブはこちらから |
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鈴木牧之記念館入館券 |
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