夏の風物にふさわしい朝顔の花は、本当は帰化植物なんだそうです。
伝来は、奈良時代の末期と言われており、遣唐使が持ち帰りました。
種子を漢方薬に持ち帰ったものが初めとされ、実用的なものだったんだ。
現在でも牽牛子(ケンゴシ)として、下剤・利尿剤の効能で使われます。
まあ、朝顔の別名は牽牛花(けんぎゅうか)で、種子だから牽牛子だな。
一方、夏の夜空を飾る七夕の彦星は牽牛星ですが、関連があるのかも。
牽牛は、牛を引き連れる意味で、牛飼いの青年が七夕の主人公になんだ。
相方は機織りをするので織姫になりますが、朝顔の開花期と重なります。
だから、朝顔が牽牛花とよばれるのかと思いましたが、中国人は現実的。
由来は、農民がこの薬を交易するために牛を牽いて出かけたからだそう。
それほど効能が高い生薬だから、別称が存在しても不思議ではありません。
となると、七夕の行事と花の咲く季節が、単に重なっただけの話でしょう。
自分も朝顔を観賞用に育ててきましたが、目的はグリーンカーテンです。
住んでいるマンションは夕方に西日が強く差し込むので、それを防ぎたい。
このために色々と日除けのアイデアを練りましたが、ベストは植物でした。
毎年育てている朝顔を、一石二鳥でカーテンにしてしまえばいいわけだ。
ベランダでは、横長の鉢を並べてネットを張って、何株も植えて置きます。
蔓が、網を伝って垂直にどんどん伸びてくれるので、窓を覆って行きます。
そうする内に朝顔が咲きだしましたが、色もピンク、赤紫、青と多彩です。
近所から種子を失敬したものに、こんなに色とりどりに咲いてくれたのです。
こうして、カーテン自体もカラフルになりまして、夏の間、楽しめましょう。
この内、青いのは始めアメリカアサガオと思って植えたけど、違うようです。
花のがくが剛毛で覆われていないので、普通の朝顔だと判断しました。
葉の形もありきたりの並葉なので、アメリカ特有の三裂、五裂でもない。
だから、みな標準的なアサガオと判断しつつ、違う株は芋の根星朝顔です。
四株を育てていますが、朝顔より成長が遅くて、果報は寝て待ての感じか。
打ち水し おはようの声 朝顔の青
巻き癖を ほぐし戻しつ 牽牛花
浅き眠り 朝顔の水を遣り 目が覚める
声をかけ 水を遣り朝顔の 癒しかな
夏枯れの 目が覚めて色の輪 牽牛花
色を巻き 朝顔の蕾 待ちきれず
というわけで、俄か俳諧師になって一句ひねりましたが、どうも駄作です。
この朝顔は、俳諧の季語になると「秋(初秋)」なのだそうですが、梅雨が明けて、猛暑の頃になると開花のピークを迎える性質だとしても、俳句には季節の先取り感があるらしく、秋を感じさせる花として詠まなくてはいけないなんて、なんだか妙な気持になった自分がいるのでした。
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