2018年10月6日土曜日

ルーブルみたいな観光資源のミュージアムには及ばなくても、地方にある独自性の美術館を鑑賞しよう - 網走市立美術館(網走市・北海道)

氷上漁業

旅すがら、天候が思わしくなくて雨に見舞われるのは、いやなものです。
前回の投稿でも、そんな時、旅を楽しくする場所を選んだ話をしました。

博物館に加えて、最悪、地元の郷土資料館で暇つぶしはできそうです。
他に、美術館があれば芸術作品の鑑賞をすれば、何とかなりそうだな。

他にも考古展示館とか、ただ、興味がないと退屈以外の何物でもない。
それなら、絵を見るぐらいなら、万人に向いた時間つぶしとなりそうです。

それで、北方民族博物館に立ち寄った翌日午後、天気が思わしくない。
小雨模様になりそうだったので、網走市立美術館で作品鑑賞をしました。

地方自治体で美術館を持つのは、運営にコストが掛かるので大変です。
それでも、開館しているのは、よほどの理由があったればこそなんでしょう。

例えば、地元にゆかりのある高名な芸術家にちなんで、作品を展示する。
地元出身の芸術作品コレクターが、寄贈してくれたので展示施設を作る。

陶芸など芸術活動の盛んな土地柄ゆえ、地域の振興目的で開館する。
周辺に観光地があり、集客を見込んで観光の魅力を増す目的で開館。

おおまかに言って、この四パターンに分けられると思いますが、どうかなあ。
自分なりに色々な美術館へ出かけましたが、地元出身のパターンが多い。

これに加えて作品の寄贈も重なって、収蔵作品に厚みが増して行きます。
この網走の美術館だって、画家の居串佳一がこの地で活動していたから。

東京国立近代美術館蔵 氷上の賑わい(1946年)

少年時代から独学で絵を始め、長じては全国へ舞台の活動を移します。
独立美術協会展など、積極的に出展しますが、若くして亡くなりました。

まだ四十代で、これから旺盛な活動に期待のかかる頃だったのに残念だ。
終始、北海道の風物やアイヌの生活を主題とした写実的な描き方だな。

まあ、それだけ地元色を色濃く反映した作品が、収蔵されていましたよ。
これも、コレクション多数を市に寄贈したいという市民が、現れたからです。

それで、網走市が美術館構想を持ち上げたのは、むべなるからでしょう。
この後、北方民族博物館も開館して、観光資源の魅力も上がりました。

というわけで、百聞は一見にしかず、網走へ行ったら立ち寄って下さいな。
十勝の鹿追町にある神田日勝の美術館が全国的に有名になってしまいましたけど、こちらの作品も負けず劣らず、北海道とアイヌの人々を含めた北方民族の係わり合いを強く描写した作品が展示されていまして、鑑賞すればオホーツクになるほど来たのだと納得いたしますので、是非にも立ち寄っていただきたいと思うのでした。



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