SFファンタジー作品、「風の谷のナウシカ」で描かれている腐海最大の王蟲。
漢字が難読なのですが、オームと呼びならわしていて、一見巨大なワラジムシ。
と言うよりも、蝶や蛾のイモ虫に見立てられそうで、最近、特にそう思います。
なぜかというと、自宅のベランダでミカン科のヘンルーダを栽培しているから。
この常緑の小低木は、猫よけ植物として植えられますが、アゲハ蝶の大好物ね。
好んで産卵に飛来するのが栽培して分かってきましたが、おそらく匂いだろう。
昔はハーブとして使われましたが、近くに寄ると匂いが漂って来るのが分かる。
実は、アゲハ蝶の雌は、食草かどうかを前脚二本で交互に叩いて味見をします。
”ドラミング”と呼ばれますが、その時に植物に含まれる化合物を感じ取るんだ。
この物質がミカン科に共通な物質ですが、ヘンルーダは強い匂いまで放ちます。
この匂いも分子だから、ひょっとしてアゲハ蝶は嗅ぎ取っているのではないか。
そんな風に思うほど、栽培二年目の小低木に産み付けられた卵は九匹が最終齢。
幼虫(四齢) |
成長も著しくて花も咲いたから、食欲旺盛な幼虫でも餌には困らないでしょう。
まあ、アゲハ蝶が食られるかどうか味見をして卵を産み付けたのは、事実だな。
蛹まであと一歩ですが、幼虫を観察すると、正にオウムと思った理由があるの。
それは、オウムに特徴的な目の玉が、アゲハ蝶にも付いているのが分かります。
位置も頭の先ではなくて、ずんぐりした背の高い胴体部分に黒い目の玉がある。
最終齢のかわゆい青虫では分からないのですが、その前の幼虫だとグロテスク。
そんな印象から、ふと”風の谷のナウシカ”の”オウム”だなあと思った次第です。
というわけで、このオウムを蛾のセスジスズメの幼虫に、見立てた人もいます。
実際にネットで調べてみると、黒っぽい体色がそれっぽく見えてきますが、ただ、この体の表面の柄の印象から、食べられないように蛇に似せた擬態になっているのではないかとも思えたりして、腐海の王様たるオウムのようにいかない現実の昆虫世界なんだなと思ったのでした。
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