折り返し地点で、一旦、待機 |
今は亡き国鉄美幸線は、日本全国で最悪の営業係数値を計上した赤字線でした。
道北の美深町を起点に、途中の終点、ニウプ(仁宇布)までの21キロの支線です。
途中なのは、最終的にオホーツク海側の枝幸町まで、開通する予定だったから。
全線開通すれば、歌登町市街から、毛ガニの漁獲高日本一の枝幸町へ通じます。
こうなると、乗客数も増えて赤字路線が延命できたかもしれませんが、はかない夢。
実現もかなわずに、途中の集落を終点とするようでは、この先が思いやられます。
しかも、日本はクルマ社会に変貌し、鉄道の乗客離れも、過疎地で一層進みました。
だって、一日数本では不便だし、乗り遅れたら大変だし、時間が有効に使えません。
終点の駅員さんですら自家用車通勤をすると、ワイドショーで報道される始末です。
こうして、百円の収入に四千円近くも経費を費やす、赤字路線が有名になりました。
最終的に、昭和六十年に配線となりましたが、現在はバス路線に転換しています。
それで、この残った線路の有効利用を図ろうとする人々がいても、おかしくはない。
それは、線路上を保線用のトロッコ車で、観光客の皆さんに運転してもらうアイデア。
起死回生の町おこし策だったみたいで、廃線から十三年後に、営業を開始しました。
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実際は、自転車のように足で漕ぐわけでもなく、小型発動機の動力が付いた運転車。
このため、自動車運転免許証の資格者でないと、運転ができないのがミソでした。
実際に乗ってみると、ペダルのアクセル、ブレーキにサイドブレーキも付いています。
発動機は、2サイクルエンジンみたく、やかましい音を立てるし、振動も激しいです。
係員からは、時速20キロで運転するように指示されますが、スピード狂も多いのだ。
最後尾の車両に乗ったので、百メーター間隔で先に出る車両に離されていきます。
先頭車両からは、数百メーター離されたじゃないかと思いますが、自分は低速運転。
二十キロで運転すると意外にゆっくりするもので、自分は景色を楽しみたいのです。
こうして、ちんたら運転して、上り坂で加速したり鉄橋を渡りながら折り返し点に到着。
ここで、ポイント切替でややカーブのきついU字状に回って入り、戻って待機します。
ここから、また百メーター間隔で走り出していくと、皆さん、今度はゆっくりと走り出す。
きっと、最初に早く走り過ぎたので、今度は白樺林の美しさを楽しみたかったのか。
そんな風にも思えましたが、最後尾の車両で、後ろからせっつかれずに良かった。
一時間毎の運行時間を知らずに、偶然にすぐ乗れたのが、幸運だったのでしょう。
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というわけで、スタンプカードまで渡されて、十回乗ると一回無料の特典つきでした。
そして、このにニウプには、スバル自動車の耐寒テストコース(日本最北)もあったり、付近の農場が、村上春樹の小説”羊をめぐる冒険”のモデルのひとつではないかといわれているようなオマケつきですので、道北一押しの観光スポットとして、ぜひ紹介させてもらいたいと思うのでした。
おまけ:
良く調べて見ましたが、美深町の耐寒コースは平成7年の開所で、美幸線の廃線ははるか以前のことでした。一方、レオ-ネ自体は、日産向けの四代目商用バンタイプで、時期的にこのコースを走ったのかもしれません。
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