2023年6月12日月曜日

奈良の斑鳩(いかるが)の里には、この鳥がたくさんいたので名づけられたらしいのですが、当時の鳥がこの鳥なのかは不明なの ー イカル(野鳥観察)

『枕草子』(能因本)
    
随筆集、”枕草子”の作者、清少納言は平安時代のバードウォッチャーでしょう。
というのも、第四十一段の”鳥は”の中で、好ましい鳥を色々と紹介しています。

その種類も多く、特にホトトギスは、得意げに鳴いても姿は見せないと賞賛だ。
その割に、ウグイスは夏を過ぎてもしゃがれた声で鳴くとつれない例えでした。

よく観察しているのか、鳴声はもちろん鳥の姿を表現していてかなりの観察者。
自分の住まいするエリアでも、頻繁ではなくとも、ホトトギスは聞けるのです。

特に、五月末の渡り始めの頃は、夜中でも鳴くので眠りの妨げになりそうです。
繁殖するためのならわしですが、自動車の騒音よりはまだましだと思いますな。

ついこの間も、夕刻、だいぶ遠い場所からでも鳴き声が響いて来て聞けました。
鳴声も特徴的で聞けばすぐわかるほどですが、今回は紹介された別の鳥のお話。


”斑鳩の雄鳥。巧み鳥。”と表現された”イカル”は、鳴声が美しいからでしょう。
繁殖期が春から夏にかけてだそうで、その鳴き声をユーチューブで聞いてみた。

すると、この声は以前から何の鳥か分からないで聞いてきており、驚きました。
平地の山林にも住んでいるらしく、近所の市民の森で留鳥として住んでいそう。

主に繁殖期になると雄鳥が縄張り争いで鳴く声のようで、朝方によく聞きます。
口笛のようにのびやかにさえずりますが、今まではガビチョウと勘違いだった。

と言うより、混同した感じで、姿を見たことは無いけれど近隣に棲息している。
それが分かっただけでも、我が家の居住環境の良さにうれしくなってしまった。

というわけで、よく通る鳴き声は、多くの”聞きなし”がなされてきた鳥なんだ。
この”聞きなし”とは、鳥や動物の鳴き声を言葉や文字に置き換えて覚えやすくした空耳で、”お菊二十四(おきくにじゅうし)”、”月日星(つきひほし)”、”蓑笠着い(みのかさきー)”などがあって、身近な鳥だったのだと実感した自分なのでした。



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