2016年9月29日木曜日

北海道はもっと元気になれる!、だから冬の健康増進にスキーは欠かせません(その一) - 道北各地のスキー場(中頓別町営寿スキー場など)

中頓別町寿スキー場(町のパンフより)

最近、上さんがブログの趣旨に沿った記事を書いていないと、文句を言いました。
確かに、”ゲレンデガイド”って標榜したのに、観光地の訪問ばっかりだってことです。

ただ、道北の旅先をつづった投稿は、実際、スキー場が見え隠れしております。
北方の雪国ですから、訪問した町村にも、小粒なゲレンデがあったということです。

車を知らせてドライブしていても、山の斜面が急に開けて草地に変わったりします。
多くは、この地域の主産業の酪農の牧草地なのですが、急な斜面もあるのです。

しかも、端には支柱が点在していて、どう見てもリフトの架設にしか見えません。
走りながら、上さんもあそこはスキー場かもしれないねって、話しかけてきます。

印象的だったのは、中頓別町の寿スキー場で、放牧地から斜面が競り出すのだ。
農地の一部を借りながらゲレンデを作ったような雰囲気でして、実に面白いです。

しかも、ゲレンデ入口までは砂利道で、路面も凸凹で状態がいいとは言えない。
おそらく、スキーシーズンは、雪がアスファルト役を果たす雪道に変わるのでしょう。

ゲレンデも市街から近く、この他、幌延町のゲレンデは市街に隣接しております。
豊富温泉へ抜ける道道が走っていまして、通り抜けたのですが、驚きました。

こうして、寒冷地の気候ですから、平地も根雪になるし、積雪には苦労しません。
だから、市街地のすぐそばにちょっとした斜面があれば、そこはゲレンデなのです。

しかも、市域住民がレクリエーションを楽しむためなので、大掛かりでもありません。
こうした、リフト一本だけの施設は、雪国に多く、そこに着目する人さえおります。

クリックで拡大して、ご覧ください

サイトは、”スキー場四方山話”というのですが、タイトルが”リフト★一本勝負!
そのものずばりでして、リフトが一本しかないゲレンデだけを特集しているんですよ。

特に道北地方では、地域住民の生涯スポーツが、ゲレンデの目的なのです。
つまり、雪が降ってゲレンデがオープンすれば、足繁く出かける施設ということです。

一方、首都圏の人間が、冬になれば泊りがけでスキーに行くのは、旅行でしょう。
お金を掛けてレジャーかつトラベルで楽しむのなら、それは非日常性の冒険旅。

こういった比較では、雪国の人から言えば、無理して出かける意味合いも無い。
その分、内地の人は可処分所得が高いから、金を使うっていう意味なのですか。

そう言えば、このスキースノボーランキングに登場する方は、大概内地の人です。
おいらは、たまさか仕事を求めて首都圏で働き続けてきたけど、道産子なんだ。

根雪を知らずにスキーに行くなんぞ、百年早いわ、出直して来いと言ってみたい。
それで、滑りのフォームがどうとか、シーズン前のトレイニングとか、どうでもいい。

こんな非日常より、本当の生涯スポーツは、このリフト一本にこそ核心があるんだ。
というわけで、握りこぶしで力説もしたいのですが、まあ、ちょっと落ち着きましょう。

もう少し話を続けてみたいところもあるので、続きは、その2へ譲ることにいたしまして、上さんのご高説に最もとうなずきながら、この投稿をしたためている自分がいるのでした。


おまけ:グーグルマップで拡大してみてもスキー場が分かる。

中頓別町寿スキー場
幌延町東ヶ丘スキー場

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2016年9月26日月曜日

昔は、貧乏見たけりゃ猿払へいきなっていわれたけど、今ではホタテ御殿を見に行く もんだ - 猿払村(北海道)

グーグルドライブはこちらから
全ページご覧ください

どうもこの村は、苦節に耐えた時代があったようですが、今は左団扇で裕福みたい。
昔は、天然ものホタテが有名だったのですが、乱獲がたたって全く捕れなくなります。

資源が完全に枯渇してしまった挙句、密漁でサバイバルする漁民が続出しました。
無法地帯と化して、下流部落にまで落ちぼれてしまった日本一の貧乏村なのだ。

他にも、村の基幹産業として炭坑もありましたが、エネルギー革命で閉山の憂き目。
残るは農業ですが、半自給の零細な畑作酪農という、惨めさも極まって来ます。

貧乏見たけりゃ猿払へ行きなっていわれたけど、当時は北海道自体が開拓途上。
道産子の自分ですら、あの頃、豊かさを味わう生活とは、縁遠かった気もいたします。

まして、札幌に住んでいても、朽ち果てそうな木造平屋建ての家はまだ残っています。
どの家も、窓や外壁にはビニールハウス用の透明ビニールをびっしりと貼りつけました。

つまり、厳しい冬の寒さに備えて、冷気を遮断し暖気を逃がさない工夫なのです。
まあ、木造よりモルタル造りの家がマシなのは、みんな知っていても、金がありません。

日々の生活がやっとで、立替や新築に先立つお金を掛ける余裕すらないのが本音。
炭坑住宅など、築何十年の老朽家屋も残されていたり、貧しい印象が残ります。

そんな、昭和の時代だったのかと思いつつ、平成でようやく吹っ切れたんじゃないのか。
と言うより、次第に、農業や漁業で暮らす人たちも、淘汰されていったと思いました。

ホタテ漁の漁船が出航だ

離農という言葉が象徴的ですが、開拓営農に見切りをつけた人も現れていました。
漁業もそうでして、資源を天然に依存せずに、育てる養殖の事業転換が図られる。

サケの孵化放流事業が嚆矢なら、猿払のホタテ事業も起死回生の業態転換です。
村役場の年間予算だって少ないのに、ホタテの養殖稚貝の買付けに費やしてしまう。

放流したからといっても成長するまでは、時間も掛かるし、我慢するしかないのです。
何か他のたつきで暮らさざるをえなかったのですが、労苦は大変なものだったでしょう。

こうして、第一次産業の経営は、集団化、大規模が図られていった感じがしますね。
特に漁業組合の資源管理や、放棄された牧草地の分配による大規模化などです。

こうして、この猿払村の基幹産業は、新しい経営形態を見出したのかもしれません。
その結果、全国市区町村所得(年収)ランキングでは、何と三位まで上り詰めました。

   
この内、上位10位までの大半が、東京の市区町村で占められる中で大健闘です。
ところで、全国に市区町村が千七百もある中で、北海道の過疎地が異色ですな。

しかも、健闘している自治体が、札幌からは辺境の網走・宗谷管内の町村なのだ。
これも、ホタテの水揚げが好調だった背景なのだそうですが、資源管理のなせる業か。

なので、猿払村なら年収一千万円では、極々、ありふれた家庭なのだと申します。
一方、酪農経営も、規模の効果で年収一千万円は、不可能な額ではありません。

こうなると、役所や会社に勤めるのがバカらしくなりますが、そこはそこ体力仕事です。
しかも、お休みが気ままに取れない悩みもありますが、上司にぺこぺこするよりはマシ。

ところで思い出したのは、キャンプ場で食べた殻付き焼きホタテで、安くて上手かった。
身が大きいので、一枚350円はお手ごろな値段だと思ったし、牛乳も濃かったなー。

乳牛感謝の碑

というわけで、えっ? この村なにって、所得で横浜や名古屋に余裕で勝っております。
今の時代、インターネットがあれば、欲しいものはamazonや楽天を使って、通販で買い揃えることもできますし、テレビもキー局の番組が見られなくても、その内、ユーチューブにアップされるでしょうから、別に田舎ライフが都会に見劣りするような時代でもなくなっていて、後は自分なりの年収が稼げるのなら、猿払村のような場所で働いたっていいじゃないかと、至極思ったのでした。


おまけ:
さるふつ公園から見た夕焼け
おらが村のゆるキャラ”さるっぷ”
松浦武四郎も来たみたい

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2016年9月23日金曜日

あいにくの雨模様は、カニちらし寿司を目指してグルメ旅に切り替えるドライブの旅 - 福泉&台風7号(枝幸町・北海道)

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歌登地区の紹介もあるよ!

台風が、九州や四国に上陸するのはありふれていますが、北海道の上陸は珍しい。
しかも、内地(本州)から、一度、海を抜けてから、再上陸する場合もそうです。

まあ、勢力を使い果たしてしまえば、北海道に来る頃は、勢力がガタ落ちになる。
猛威を振るった風雨も弱まり、熱帯低気圧に変わってしまうのが落ちなのです。

このため、北海道で台風の影響は、低気圧が災いする嵐ぐらいにしかなりません。
洪水等の被害も甚大にならず、自然災害として余り注意を払わなかった気もします。

確かに、これまで北海道の被害といえば、火山、地震、津波、雪害かもしれません。
逆に夏から秋にかけては、台風が訪れる機会も少なくて、絶好の観光シーズンです。

ところが、今年は例年の天候と様相が変わって、北海道が台風銀座に豹変する始末。
普通なら、台風の通過は西日本に集中するもので、被害を受けやすい地域なのです。

ところが、名称自体が地球温暖化が原因で北上したのか、北海道に登場しました。
最近の気象が本当に異常になったのでしょうか、上陸地自体もバラ付いております。

特に、今年の八月は余り勢力を弱めずに、台風が次々と北海道に襲い掛かりました。
6号、7号、9号、11号と連続し、観光シーズンの稼ぎ時なのに大打撃でしょう。
  
 


この他、台風十号なんかは迷走しまくりの台風で、上陸せずにかすめたりします。
こうなると日照時間も減って、農作物の育成にも、影響が出るのは必定なのです。

特に連日の雨降りでは、河川も増水して水かさが上がれば、洪水の恐れも出ます。
実際に、南富良野町の市街では、空知川の堤防が決壊して濁流が押し寄せました。

ただ、このエリアは、治水など多目的にでき上がった金山ダムの上流にあるのです。
確かに、下流は被害を免れたのでしょうが、上流部は自然堤防のままだったのか。

昨年、関東の鬼怒川が決壊で大洪水になったのも、自然堤防の個所からなのです。
こういった自然のままに作られた堤防が、水害の備えには弱いのかもしれない。

いやはや、この八月は、北海道には、踏んだり蹴ったりの夏になってしまいました。
自分たちも、同じ時期に旅行をしたのですが、ちょうど台風の合間に旅しています。

だから一日中、雨の中をちんたらドライブして、次の目的地へ運転したりしました。
まあ、枝幸町は、名寄から中頓別を抜け、海鮮カニちらし寿司を目的に目指します。
  


食べログでは福泉という食堂の紹介が多かったのですが、旅館とは目と鼻の先です。
数千人のこじんまりした市街ゆえ、商店街も集まっており、偶然とはいえ面白い。

宿のTVも、夜半に台風が通過する天候を、天気予報が警戒を促しておりました。
雨も風も強まってまいりましたが、一日中のドライブでは疲労も溜まっております。

というわけで、ぐっすりと眠って朝早く起きてみれば、天気は回復しておりました。
ただ、一週間ほどの旅行で、二三日ほどしか晴れなかったのが、実に残念でして、普段の北海道なら、ずっと天気に恵まれているはずなのに、洪水の被害に見舞われた地方もあった中、ずぶ濡れの中を懸命に漕ぎ続ける自転車旅行の若者たちが、痛くけなげに見えたのでした。


おまけ:
ケガニの案内板
そこそこの景観ですわ
裏寂れた中年キャンパーがウジャウジャ

※被害は甚大で、秋の紅葉観光シーズンが心配
空知川左岸 南富良野町幾寅地区の堤防決壊について
管内通行止めの状況について(第2報)
南富良野町を流れる空知川が氾濫 堤防が決壊し周辺で冠水、浸水被害
【R274・日勝峠通行止め】日高町と清水町を渡す千呂露橋が崩落 河川氾濫により町も冠水・浸水被害
【台風10号】河川氾濫により新得町で冠水浸水被害 下新得川橋の橋脚流出


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2016年9月20日火曜日

中学の同級生だった網谷君が浜頓別へ転校したのを思い出しつつ、ローカル線と白鳥について書いてみる - 国鉄天北線・クッチャロ湖(浜頓別町・北海道)

札幌近郊の馬追運河

昔、浜頓別町には、稚内に至る旧国鉄の天北線が通り抜けていました。
終着駅は、宗谷本線と同じく稚内駅ですが、音威子府駅から分岐するのです。

赤字ローカル線として、日本で最も長い路線を誇っていましたが、急行も走ります。
急行「宗谷」といって、札幌駅を昼前に出ると、終点まで七時間の旅になりました。

音威子府までは宗谷本線で、ここから内陸の小頓別、中頓別と順に停車します。
そして、浜頓別駅からオホーツクの海岸線を走り、鬼志別、南稚内と続きました。

道産子の自分も、機会があれば乗ってみたかったのですが、果たせませんでした。
道北には親戚も友人もいなくて、訪ねるチャンスもなかったのが本当のところです。

今回、念願かなって、このエリアを旅行しましたが、ここは既に廃線となっていました。
四半世紀以上も過ぎてしまった今となっては、逆に道路が発達、充実しております。

天北線時刻表(廃線一年前)はこちらから

道北は、穏やかな丘陵地帯が特長的で、そこに国道や道道が展開されています。
そのせいか、カーブも揺るやかだし、直線路が長く続き、自動車の運転こそ楽しい。

実際、冬の雪道だと、緩やかなカーブは、さほどスピードも落とさずに済みます。
自宅から出発できて、季節に左右されずに、自動車の移動が便利になりました。

こうして、車の移動が楽チンと分かれば、鉄道旅客の減少に拍車がかかってしまう。
図らずも、天北線も最後の日を迎えたわけで、それは、平成5年5月1日でした。

一方、過疎化で人口も急激に減少し、周辺は五千人が住む自治体がマシな方。
辺鄙なところに運賃収入に期待しても無理な話で、逆に渡り鳥の数が多いくらい。

ここ浜頓別のクッチャロ湖は、季節が巡るとコハクチョウやカモの飛来地に変貌します。
その数、ハクチョウが数千羽、カモが数万羽と、一時でも人口を圧倒してしまうのだ。

ただ、渡り鳥の中継地ゆえに、羽を休めに立ち寄ることから、数が一定しませんな。
一方、渡り鳥が飛来していない間は、ただの汚い色をした水の変哲のない湖です。

    
さて、冒頭の写真は、札幌近郊の馬追運河で、白鳥の飛来でも知られています。
十年くらい前ですか、四月に帰郷した際、偶然通りかかって、白鳥を見かけました。

車を停めて眺めていましたが、上さんもかわいらしいのか、熱心に撮影していました。
その一コマを乗せてみましたが、これもやはり白鳥がいなければ、ただの河川でしょ。

大体、渡り鳥の立ち寄る湖沼は、流れが緩やかでないと、羽を休めないはずです。
こういった場所の水質は、淀みやすいのが普通で、茶色っぽい色をしていています。

一方、季節はずれに、渡り鳥の越冬地として有名な伊豆沼を訪ねたこともあります。
ラムサール条約に指定されたとはいえ、水質は日本国内でも最悪レベルなんだとか。

お世辞にもきれいな水とは言いにくいし、それでもラムサール条約の指定なのです。
このクッチャロ湖だって条約の指定ですが、渡り鳥に水質を説教するのは野暮だな。

というわけで、このクッチャロ湖は、北オホーツク道立自然公園の区域内にあります。
隣接するベニヤ原生花園の見ごろとは、季節がまったく重ならずに、年二回の四月と十月に羽を休める中継地として渡り鳥が舞い降り、その泣き声でかの地ににぎわいが戻るのであれば、人だろうが鳥だろうが、それもまた楽しからずやと思うのでした。


おまけ:
ゆるきゃら、スワットンがシュールだぜ
街灯は、白鳥のステンドグラス付き
グーグルドライブはこちらから
大きなマップ付き

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2016年9月17日土曜日

オレのなわばりにお花畑があるけど、人間さまが邪魔してきやがった - ベニヤ原生花園(浜頓別町・北海道)

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原生花園(げんせいかえん)は、人の手が入っていない自然のお花畑かつ草原です。
自然がそのままの状態で、色鮮やかな花が咲く草原とはいえ、実は湿地帯なのだ。

過去にも、雨竜湿原や松山湿原を取り上げましたが、これらは山岳地帯にあります。
一方、原生花園は、平野部の広大な草原をさすものが多くて、北海道が中心です。

内地(本州)にも、栗駒山麓に世界谷地原生花園がありますが、少し趣が違います。
なので、基本的に○○湿原と名乗ることも多く、言葉の定義では北海道が独占です。

北海道ですと、オホーツク海沿岸を始め、道東・道北にかけて多く分布しております。
その内、網走国定公園の小清水原生花園が、初めて全国的に有名になりました。

このため、原生花園が一般化して、他の地区もイメージアップで名乗り始めたのです。
そうすると、名前倒れのものも増えそうな気がしますが、北海道民は生真面目でした。

自治体もプライドを持って、評価に値しそうな草原だけに絞って命名して来ております。
中でも、小清水はすばらしいのですが、父親が連れて行ってくれた思い出が懐かしい。

わずか五歳の頃、汽車の中でお弁当を食べたりして、先ず小清水駅を目指しました。
駅からそばが、すでに原生花園の始まりでして、ピーカン照りの青空がまぶしかった。

子供なので何の花かは分かりませんが、花が草原に咲き誇っていた思い出なのです。
だから、自分のイメージ的には、この網走原生花園こそが、言葉の定義のベースです。

だから、一度たずねたいと思ってきた中で、今回はベニヤ原生花園を訪れてみました。
場所は浜頓別町ですが、すぐそばには白鳥の飛来地で有名なクッチャロ湖もあります。

道立自然公園に指定されております
コガネギクとヒョウモンチョウ
クサフジって花なのね
エゾカワラナデシコは可憐

湖はラムサール条約の指定区域なのですが、この原生花園は残念ながら区域外です。
だからといって、お花畑の価値が減るわけでもなく、湿地帯自体は、隣り合っています。

これを分断するかのように国道238号線が北上していきますが、これは近代の産物。
だから、未開の頃、このエリア全体が湿地帯で、生態系も維持されたのだと思います。

こうして、ベニヤの原生花園は、そのまま残り、季節を迎えれば花々が咲き誇ります。
でも、国道で行く手を阻まれた動物たちは、注意して横断しなければなりません。

実は、クッチャロ湖の北にある半島みたいな森林には、ヒグマが住んでいるらしい。
クマの生態は、オスであれば、約十キロ四方の面積が行動範囲になるともいいます。

となれば、ここからベニヤの原生花園までは、距離は数キロしか離れていないのです。
このため、簡単に異動できるのですが、クマもちゃんと左右を見て国道を渡るようです。

目撃例も頻繁にあるため、町役場に報告されて、警戒情報も発令されたりします。
ただ、迷惑なのは、原生花園でして、クマが出たぞとばかりに、散策路が通行止めに。

海外に沿ってお花畑の中を三キロ程、周回する遊歩道が歩けなくなってしまいました。
花の鑑賞が台無しですが、かろうじて歩けたのは、ビジターセンターからの直線路だけ。

たかだか五百メーターの距離では、東京ドーム70個分の雄大さが少しも分かりません。
一面が、お花畑に変わるのなら、ぐるり歩きたくなるもので、非常に残念な気もしました。

テレビニュースの映像から

さて、ビジターセンターに戻り、係員の女性に花の名前で雑談したら、驚いていました。
意外に花の名前を見知っていて、松山湿原も訪れたことが、興味を引いたようです。

帰りがけに、わざわざ、ハクサンチドリが咲いていると言って、案内までしてくれました。
道路脇の土手に入って草を押し分ければ、白い可憐な花がのぞかせてくれるのです。

この花は、内地なら亜高山帯の花で、北陸にある白山に咲くので、その名があります。
白い花なのでシロバナハクサンチドリらしく、ここ、道北まで来れば平地に咲いている。

冷涼な土地柄だなと思いつつ、やがて、クッチャロ湖に飛来する白鳥を思い出しました。
というわけで、北海道のクマは、道路に出現する始末でして、今になっても憎たらしい。

しかも、季節が八月の後半ともなれば、花の咲く季節も締めくくりを迎えつつあり、ハマナスやギボウシがかろうじて楽しめた程度ですから、今度は、ノハナショウブが咲き乱れる最盛期の七月に、捲土重来、改めて見参したるわいと、思うのでありました。


おまけ:
花園を縫うように川が流れます
指定された通行範囲が短い!

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