2018年3月5日月曜日

ショッピングモールを見るにつけ、現地の人々の暮らし向きは着実に良くなっているな - Seawood Grand Central Mall(Seawood駅)

Seawood Grand Central Mall

シーウッズ駅は、ナビムンバイのホテルのあるワシ駅から、三つ目です。
地下通路を通り抜けていくと、新しいショッピングモールができていました。

ベネトン、カルバンクライン等ブランドショップが出店し、1stフードも多い。
マクドナルド、バーガーキング、KFC、サブウェイなど、おなじみの店です。

それで、ホテルの隣にあるイノビットのモールでは、横入りの客が多いのだ。
マクドナルドなのですが、何時までたっても、カウンターにたどり着けない。

だから、出張中は、代わりにKFCばかりで食べていたのが、実際でした。
一方、このシーウッズのモールでは、未だ新しくてお客さんも少なめです。

それに、横入りの人もいないから、並んですぐに買えることが出来ました。
まあ、満足な気分でたいらげましたので、次の目的地に向かいます。

本当は、この先のDマートという地元スーパーのお店がお目当てでした。
何を買いたかったというと、かかと止めのあるサンダルを買うことなのです。


こちらは暑い国だし、靴は足が蒸れるせいか、サンダル履きの人は普通。
それで、ワシ駅のショッピングモールで探しましたが、意外に高値でした。

ならば、少し郊外のDマートへ行けば、お値打ちの商品が見つかるかも。
従来は、タイのバンコクで買ったサンダルを持ってきましたが、かさばります。

しかも重たいし、キャンプの時に持っていくのも少し鬱陶しい気もしました。
だから、出張も観光もそうですが、旅行目的で軽めのサンダルが欲しい。

ずっと思い続けてきて、買ったのは299ルピー(六百円)で、本当に安い。
いやはや、満足な気分になり、寄り道をしたのがファーストフードのお店。

   
中華風のモモ(餃子)のお店なのですが、インドでは初めてで興味津々。
それで、だまされたと思って一パックを買いましたが、味は少し残念だな。

頼んだのが四川風味の餃子らしかったのですが、具が練りすぎなのよ。
蒸してあれば具もプリッとしてくるのが、ねっとりしたままで気持ち悪い。

どうも、日本人の好みではないかもしれず、日本の調理で食べたいな。
というわけで、出張中の土日はお休みなので時間つぶしも苦労します。

それでも、新しいショッピングモールのレベルが、タイのバンコクにある水準まで達したんじゃないかと発見できたりして、現地の人の所得レベルは着実に向上しているなあと、思ったのでした。




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2018年3月2日金曜日

正式な駅の名前が長すぎるもんだから、よく分からんので、単なるCTS駅と呼び習わすのであった - チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅(ムンバイ・インド) 

    
やっぱ、世界遺産に登録されただけあり、イギリス植民地時代の建築は荘厳です。
ムンバイの陸の玄関口とも呼ばれ、インド国鉄の中央駅のかつての庁舎なんだな。

宗主国さまのビクトリア王朝時代の建築様式を、そっくりそのまま運び込んでいます。
平成16年に世界遺産に登録されましたが、明治21年の完成なので未だ新しい。

竣工してから、認定された当時で百年を少し経過しただけに過ぎないのに認定だ。
ただ、登録基準に照らしてみた結果、それを満たしていると判断されたいうことです。

その一つは、人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群なのね。
確かにそう思うけど、もう一つの人類の価値の重要な交流を示すとは、どんな意味。

まさか、イギリスがインド植民地経営に成功した輝かしい遺産と言う意味なのかね。
そんなことを思うと、決して世界遺産と言うより、世界人民抑圧遺産に近いわな。

駅の構内は、勝手に入っていけるので楽しい

それでもって、周辺はイギリス植民地系の足がかりの出発点ともなった拠点です。
ここから、二キロほど南には有名なインド門があり、歴代の総統が上陸しました。

こうなると、観光地と言うより、植民地時代の輝かしい栄光の遺産エリアですわ。
虐げられたかもしれないけど、現地人は植民地時代を憎んだのか、分かりません。

逆に偉大な建築物を見せられて、現地人は圧倒されてしまったのが本音でしょう。
そうなると、英国人の思うつぼで、植民地経営がたやすく進んでしまったのかなあ。

一方、当時は、インド諸州にはマハラジャなる藩王(諸侯)もいて、統治しました。
つまり、直接的な統治を現地に任せて、間接的に支配していただけに過ぎません。

ある意味、おいしいところをゲットして、苦労する支配は現地に一任いたしました。
だから、各地にはマハラジャがたくさんいて、独立後も引き続き知事になっています。

特に、面白いと感じたのはマイソール藩王国ですが、王様はクラシック音楽好き。
だから、ピアニスト兼作曲家だったニコライ・メトネルの熱烈なパトロンなのでした。

そして、それが嵩じたのか、本人の晩年には「メトネル協会」まで作ってしまいます。
その趣旨は、作品をレコードにするため、本人の存命中に、録音を進めることです。

結果、主要な作品は本人の演奏でレコードが残されたんだけど、かなりマニアック。
恐るべし文化人のマハラジャといった感じですが、この作曲家、知られていませんな。


だけど、ピアノ協奏曲1番は、ラフマニノフの2番に負けないくらいの作品だと思うよ。
ピアノの独奏から始まるのは似ていても、三楽章まで切れ目無く演奏する独自さ。

でも、どちらにもあるロシアのスラブ的な旋律が、グイグイと押し出されて素晴らしい。
一押しでお聞きするのを勧めますが、手っ取り早いのはユーチューブからでもOK。

というわけで、略してCTS駅は、映画のフィナーレの舞台としても使われておりました。
それは、アカデミー賞の8部門で受賞した「スラムドッグ$ミリオネイア」と言う映画でして、最後にみんなが踊るシーンで、この駅のプラットフォームが使われておるのですが、映画の中では、ヒンドゥーとイスラムの激しい宗教対立、貧しい人々や子供を餌食にする犯罪組織、果ては主人公を感電させる警察の拷問、カーストや学歴などによる差別まで、インドの闇の部分までえげつなく暴き出しておりまして、これが宗主国さまのイギリスだから製作できたのかも知れず、国家が核の武力を持ったとしても、ムンバイに乞食はまだいるんだよと、叫びたくなってしまうのでありました。





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2018年2月27日火曜日

インドの美魔女と呼ぶのにふさわしかったのに、享年54歳とは早すぎるんだなあ、、、合掌 - シュリーデヴィ(インド・国民的映画女優)

    
このシュリデヴィさん、日本なら「吉永小百合」さんのような存在でした。
しかも、過去形ででしたと言ったのも、突然の不法が舞い込んできたから。

毎朝、ホテルの食堂で朝食をとっていると、TVで同じ美女が映し出される。
お年を召していたものの、美しさは妖艶であり、つい見とれてしまいました。

それで、なぜ何時もニュースで取り上げられているのか、よく分かりません。
ホテルのボーイさんに聞けば、スリデビと話すので名前だけは分かりました。

有名らしくて、こちらでは知らない人はいないほどの有名な女優さんらしい。
でも、どうして連日、TVニュースをにぎわせているのかが、解決しません。

それで、ネットでググッテ見ようかと思い出して、名前をタイプしてみます。
まあ、インド人の名前は、出張が長くなって経験からつづりを類推できます。

いくつか入力してみて、SRIDEVIでぴったしカンカンで、たどり着く。
なるほど、逝去されたのか、道理で訃報の報道が連発していると分かります。

それで、面白くなって調べたら、このシュリデビさんは来日していました。
しかも、五十歳になって主役を務めた映画のプロモーションが目的です。

四五年前の話ですが、阿部首相夫人の昭江さんとツーショットもあります。
小顔で身長も高いし容姿端麗の典型ですが、比較して失礼な気もしました。

    
映画のタイトルは、「マダム・イン・ニューヨーク」で、記憶にあるなあ。
日本で上映が始まった際、ネットのニュースで紹介があったのでしょうな。

だから、何となく頭の隅に残っていたのかも知れず、ボーイさんから質問。
貴方なら女優は誰が好みなのって、おれはアイシャワリーしか知らんわ。

本当は、アイシュワリヤー・ラーイ なのに、適当にしゃべっても通じます。
この人も、それぐらい有名なセレブで、かつてのミスワールドなのでした。

面白いのは、どちらも南インドの出身で、その地方は美人の産地かな。
亜大陸の多民族国家ですから、美形を輩出するチャンスが多いかもしれん。

   
というわけで、この映画を見ていないので、ちょっと見たくなってしまったな。
邦題は、マダムなんとかなんだけど、原題は「English Vinglish」と言って、都会のニューヨークで暮らすために英語を勉強する婦人の話なんですが、このVinglishというのが曲者で、貧弱な文法で英語を話すベトナム人の英語をもじったスラングだから、ある意味、タイトルは人種差別っぽいニュアンスを含んでもいて、宗主国さまの言葉はインドでも公用語っぽい位置づけだから、英語はしゃべられないといけないという、日本人にも教訓のように思えてしまうのでありました。



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2018年2月24日土曜日

ありがとう。おかげで芥川賞が取れたよ。それにしてもきたねえ。 - 小説「百年泥」(石井遊佳・インドチェンナイ)

第158回芥川賞受賞

またまた、二週間の現地工場へのインド出張となってしまいました。
いつもの通り、ANAの直行便でムンバイへ向かっている最中です。

十時間以上のフライトにもなり、本当に長旅なのでやることが無い。
映画でも見るか、後は買って来た新聞とか雑誌を読むぐらいです。

ハリウッドの映画も見飽きたし、ここは邦画の「三丁目の夕日」だな。
自動車整備の工場で働くクロちゃん役の、堀北真紀が実にかわゆい。

彼女自身、きっぱりと芸能界から身を引いて結婚してしまいました。
だけど、この映画を見ていると、彼女自身の人生をダブらせた印象。

今は子育てで大変でしょうが、幸せになってもらいたいと思います。
それで、この映画だと、二時間半くらいは暇をつぶせそうでした。

残るは、機内誌の紙でも正方形にカットして折り紙にチャレンジ。
鶴、犬、うさぎを折りながら、むずがっている赤ん坊にあげたりします。

サンキューと親から感謝されますが、インド人は英語は話して当り前。
大学、工専クラスの高等教育だと、全授業が英語だからしょうがない。

しかも、給料を奮発してくれる会社に勤めたければ、英語は必須なの。
だから、日本人がインドで仕事すると、英語でバカにされたりもします。

悔しいけど、日本人は英語がダメなのを、まざまざと実感したりして。
まあ、そんな時間つぶしのついでに、残る時間は雑誌を読むのだ。

買ってて来た「文藝春秋」三月号は、芥川受賞作を掲載しています。
その内、インドつながりの受賞作もあり、途上で読まずにはいられない。

タイトルは、「百年泥」っていうんだけど、大洪水で堆積した泥が象徴。
つまり、インド社会の屈折した社会様相を、オリとして例えたようです。


スラムドッグ$ミリオネアの映画も思い出したりして

まあ、舞台は南インドのチェンナイで、ムンバイでなくともインドはインド。
この混沌とした亜大陸の巨大国家を、いやというほど表現しております。

小説の筋なんか時間軸も場所もぶっ飛んで、自在にストーリー展開。
過去と未来、日本とインドを往来しつつ、意識の流れを表現したのかな。

まあ、主人公は借金返済のかたに、インドで日本語教師になる破天荒。
ありえへん設定で、既に異次元の世界ですが、SFっぽい趣向もある。

つまり、小説のインドでは、通勤に有翼飛行装置なるものが使われます。
あまりに、交通渋滞が激し過ぎて、空を飛ぶことで解消しているんだとか。

まるで、アニメ「進撃の巨人」で使われる立体機動装置みたいな感じです。
でも、インド風の味付けが面白くて、有力者じゃないと使えないのよ。

しかも、ネットオークションで許可無く装置が出品されるとか、IT大国だ。
ただねー、変な漢字の熟語で表現しないで欲しいと、思うんだよね。

有翼装置を外す表現で脱翼と書いていますが、脱糞と読み違えたの。
なんで、ここでクソするんだと思ったけど、糞と翼の漢字は良く似ている。

最近、老眼気味で活字が読みづらくなったんだけど、間違えますわ。
というわけで、今回の受賞作「百年泥」は、一気に読んでしまいました。

まあ、インドに関わって仕事をして来た人であれば、ここまで、インド社会の内面を小説の中に書き連ねてくれたのは見事と言うほかなく、ふむふむなるほどど感心しながらついつい没頭して読んでしうのですが、もしインドに関わっていない人であっても、観念小説風の実験手法がなかなか面白いので、ぜひ一読をお勧めするのでありました。

注:タイトルは、文藝春秋のインタビューで、作者が最後に放った言葉です。



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