平成5年11月28日滑走 |
『花の百名山』は、田中澄江が、 昭和55年に発表した随筆集です。
読売文学賞(随筆・紀行賞)を受賞したほどの作品で、 読んでいて楽しい。
これは、日本全国の山々に生息する美しい花を、 厳選して紹介しています。
NHKの衛星第二テレビでも、 同名の番組が毎週十分の枠で放映されました。
ビデオやDVD化されるほどの名作になったのも、 原作が良かったからでしょう。
その後、山と溪谷社などが、幾つかの山を選び直して、 書籍も出版しました。
確かに、深田久弥の日本百名山とは違って、 山選びの視点が異なります。
自生する花の美しさがメインですから、 比較的地味な山も選ばれました。
自宅から近距離にある大楠山は、 一等三角点のくせいに標高がありません。
たった241メーターですが、 三浦半島からの富士山の眺望が美しいのです。
なので、週末ハイカーも多いのですが、 紹介された花も一風変わっていました。
この手の植物は、 普通の植物のように種子を作って繁殖するのではありません。
葉っぱに胞子が入った袋(胞子嚢)をつけていますが、 これが花に見えるのです。
このため、人々はこれを花に見立てて名づけたようですが、 いでたちも面白い。
鉢植えにして、 育てている山野草の愛好家もたくさんいらっしゃるそうです。
さて、こういった山の性格なのか、スキー場のある山が、 あまり見当たりません。
それでも、安達太良山、鶏頂山、根子岳(菅平) などが選ばれていました。
選ばれた花はと言うと、順にツリガネツツジ、 ショウジョウバカマ、ウメバチソウ。
もし、登山で花を観賞するのが好きなら、 なるほどと感じ入ってしまいますね。
自分も山登りが趣味ですが、これらの花の選び方は、 納得しやすいものです。
可憐な花も選ばれましたが、 この冬の花蕨は異色中の異色かもしれません。
湯の丸高原観光マップ 東御市観光協会より引用 |
さて、今回のゲレンデですが、 浅間連峰の西側の地蔵峠に位置しています。
この一帯は、春から初秋に掛けて、「花高原」 として親しまれているんだとか。
しかも、つつじ平のレンゲツツジ大群落は、 国の天然記念物指定です。
初夏、六月下旬、 山肌を鮮やかなオレンジ色が絨毯のように染め上げます。
丸く穏やかな表情の峰々を背景に、 これほどの美しい景色はないでしょう。
でも、花の百名山には選ばれなかったのですが、 既に有名だったからなのか。
比較的登りやすい山だし、 初心者も安心して登れる人気のコースなんですが。
というわけで、 花の百名山に選ばれなかった湯の丸高原のスキー場なのでした。
六月はイワカガミ、ハクサンシャクナゲ、七月はレンゲツツジ、 アヤメの大群落、八~九月にはヤナギラン、マツムシソウ、 リンドウなどの草花も咲き誇るとありますので、 ここはスキー以外の観光で訪れる価値が絶対にあり、ぜひ、 再訪したいものだと思った次第なのでした。
おまけ:
湯の丸高原リフト一日券(裏) |
いいねと思ったら、二つポチっとね!
0 件のコメント:
コメントを投稿