道東で撮影できたのはキアゲハ |
北海道の道北、道東では普通のアゲハ蝶を目にすることは、まれだと言います。
ですが、原生花園を訪ねると、咲き集う花々に止まるのをよく目にするのです。
通常、アゲハはナミアゲハと呼んでいますが、そっくりなキアゲハ蝶もいます。
前翅の付け根にある黒い縞模様で見分けるのですが、キアゲハはベタ塗りだよ。
まあ、花に止まって警戒心を解いた状態で、大きく翅を開いたら、分かります。
これまで、道東、道北の原生花園で何度も見かけましたが、多分、キアゲハだ。
なぜなら、キアゲハの食草となるセリ科の植物は、湿原に多く繁殖しています。
エゾニュウ、ドクゼリなどの丈の高く目立つ野草がそうで、白い花を咲かせる。
湿原でも目立ちますが、食草とする量が充分にまかなわれているのでしょう。
もちろん、北海道は農業王国なので、ニンジンも盛んに栽培出荷されています。
礼文島・エゾニュウ(蝦夷にゅう)セリ科 |
礼文島・キアゲハ幼虫 |
このニンジンの葉っぱをキアゲハの幼虫も好んで食べますので、繁殖しやすい。
一方で、アゲハ蝶の食草はミカン科の植物で、温暖な地域を好む傾向があるな。
当然ながら北海道で蜜柑は収穫できませんので、仲間の植物が必要になります。
唯一、道北地方まで繁殖しているのがサンショウでして、香辛料の山椒の木ね。
他にも、内皮が黄色く染めたような色をしているキハダも分布しているみたい。
最近では、帰化植物で耐寒性のあるヘンルーダも、住宅地で増えているそうだ。
ガーデニングで栽培されており、北海道ではアゲハは都市部の蝶かもしれない。
他方、黒いアゲハ蝶だとクロアゲハは棲息せずに、カラスアゲハは飛んでいる。
これも、寒冷な気候に適応した植物によって、生物分布が分かれているのです。
ちょうど、北海道と本州を隔てる津軽海峡が当たり、分布境界線が引かれます。
発見者の名前を取ってブラキストン線と称しますが、札幌の小学校で習ったな。
というわけで、北海道旅行の写真を整理していて色々と発見してしまった次第。
これも、ウマノスズクサを分けていただいた老婦人から、アゲハも繁殖していると幼虫を見せていただいたことが発端で、アゲハを道東で見て写真を撮影したとか、寒冷地だからミカン科の食草があるのだろうかとか、色々、興味も湧いて調べたことから、つい投稿してしまったということなのでした。
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