不思議な名前のメグスリノキの木を、三峰神社へ向かう縦走路で見かけました。
雲取山からの鞍部を歩く登山道の途中で、アップダウンは多少はある山道です。
その時に見かけたのですが、どの地点だったのか、記憶に定かではありません。
ただ、この木の幹に、片仮名で書かれた木製の名札が打ち付けられていました。
大きな木でもないし、どうしてこんな山奥の道に名札があるのかも分からない。
きっと、目の薬にする大切な樹木だから、人々へ知らせたいのかもしれないな。
こんな思い出は、今から三十年も昔の話ですが、その時以来、名前は忘れない。
帰宅してからググったのですが、古来、樹皮を煎じて洗眼薬にしていたらしい。
実は、戦国時代の武将である黒田官兵衛の祖父が、この薬で一儲けをしました。
この財を成したという逸話から、”長者の木”という別名の由来の一つになった。
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| 目薬の木紅葉 |
他には、”千里眼の木”とも呼ばれますが、目の健康を保つための民間薬らしい。
肝臓病にも良い効果が伝えられていますが、薬理作用がはっきりしていません。
ただ、医学の進んだ現在も目に効果的な薬物は少ないので、この木は貴重です。
それで、三峰神社のお土産屋に、メグスリノキの”眼力あめ”が売られています。
この神社のお使いは山犬ですが、飴の包装には眼力のある日本狼のイラストだ。
どうも。アニメ”もののけ姫”の大きな山犬一族の長・モロを思い出してしまう。
何もかも見通す眼力にあやかろうというより、実際にメグスリノキの成分入り。
他方、秩父札所慈眼寺の”あめ薬師縁日”でも、成分入りの飴も売られているな。
というわけで、この木はカエデの仲間でも、最も紅葉の美しい部類に入ります。
日本にだけ自生する珍しい植物とのことですが、標高七百m前後の山中に多く見かけられる上に、そう数の多い樹木でもないので、見つけられたら果報者なのかもしれず、あの木札のついた木を見かけておいて良かったなと思うのでした。


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