名人芸の何でも修理だ |
数年前、インドに集中的に海外出張していた頃の記憶がよみがえって来ました。
ユーチューブから何となく紹介するチャンネルは、パキスタンの不思議な動画。
それは、”Pakistani truck”で、ぶっ壊れたトラックを修理して再生させるんだ。
車軸が真っ二つに折れたのを繋ぎなおして再利用するとか、本当に安全なのか。
それから、交通事故で折れ曲がった荷台のシャーシを、圧力を加えて復元する。
強度が気がかりなのか、板を当てて溶接でくっ付けたりボルトを穴に通したり。
凄いのは、このボルトの頭を溶接機で赤くした後、タガネのようなジグで加工。
ハンマーで打ち付けると、丸いリベットに変形されて補強板が固定されました。
多分、タガネの頭は半円形の窪みになっていて人力で打ち付けて鍛造するんだ。
とにかく、修理する方法の技が、これでもかと紹介されているので面白くなる。
所有している工具や工作機械も、古ぼけて日本では見られないようなオンボロ。
後は、労賃の安い国だから、人海戦術で修理してしまおうという、逞しさです。
まあ、インドもパキスタンのようなデコトラはおなじみで、だから思い出した。
確かに、荷台の側面はハデハデなデコレーションで、後部には”BLOW HORN"
要するに、後ろなんか注意していないから、警笛を鳴らしてくれっていう合図。
その分、安全運転もへったくれもなくて、だからこそ交通事故が多いのだろう。
となれば、この手の自動車修理工場は大忙しで、金もないから修理で使うんだ。
サスペンションの板バネも現地調達らしく、これでは乗り心地も悪くなるわな。
スターターエンジンも分解してコイルを巻きなおしたり、バッテリーも再生だ。
この再生方法が凄くて、中の希硫酸液を抜いたら、プラの上蓋を引きはがした。
それから、ユニットに収められた雷極板は抜き取られて、再生品の製作に着手。
それが、現地で入手できるような素材ばかりで、セパレータは珪藻土なのかな。
形状もオリジナルとは違うから、ボックスを部分的に切り取って納める力技だ。
最後は、剥ぎ取ったフタを、樹脂を火であぶって溶かして、力技でくっつける。
こうして、何となく再生されたバッテリーは、22ボルトぐらい出たから合格か。
だって、トラック用なら新品は24ボルトだけど、でっち上げなら御の字だろう。
というわけで、パンク修理なんて言うのは当たり前で裂けたタイヤも復活だよ。
インドなんかでは、なんでも修理して長く使う”ジャガール”と言う考え方が根付いており、パキスタンも同じなのだろうと思いますが、今ある資源を有効活用・イノベーションといった意味合いもあるので、エコでいいではないかと思ってしまったのでした。
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