2016年10月11日火曜日

日本一の星空エリアとして道北をお勧めしたいけど、内地の人、不満ある? - なよろ市立天文台”きたすばる” (北海道・名寄市)

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本当に夜空の星々がきれいなパンフレットですが、中頓別町だからと思うのです。
何しろ人口密度が希薄で、一平方キロに四人ちょっとしか住んでいないのでした。

市街の住宅地もまばらだし、夜間の照明で光害になるような印象はありません。
これなら、夜空の星を眺め、天体観測をするには、最適な土地だと思いますね。

ただ、北緯45度ですから南方の星座の観測には限界もあるし、厳冬期は寒い。
二月の最低平均気温が-17.5度と極寒ですが、それを上回る町もあります。

十勝の陸別町なのですが、一月がマイナス20度を下回るというから驚きました。
テレビのニュースネタとして、寒波の襲来を全国に報道されても、当たり前でしょう。

となれば、厳冬期には、ダイヤモンドダストもサンピラーも、ごく普通に現れるのです。
しかも、極北に近い土地柄なので、運がよければオーロラも見られるかもしれない。

冬場には、そんな期待も涌きますが、当然、漆黒の闇があってこそのお話です。
もし、光害で明るければ、オーロラの光明も、かき消されてしまうかもしれない。

そして、星月夜の美しい土地なら、天文ファンも見捨てておくこともないはず。
そんな背景があるのかもしれませんが、北海道には大型の天文台が存在します。

特に、名寄市と陸別町の反射望遠鏡は、研究観測に十分利用できる口径です。
この他、初山別村の望遠鏡も大型ですが、要はいかに光害が少ないかでしょう。


ところで、天文台というと、星や宇宙の研究をしたり観測をする場所が本来です。
ですから、これまでは、大学の研究者の施設を中心として、開設されて来ました。

でも、一般市民も、星や宇宙に興味を持って観測する人が、あまたにおります。
このため、本格的な望遠鏡を公開する市民天文台も、たくさんオープンしました。

つまり、一口に天文台という名前にしても、さまざまな施設形態がある分けです。
上の表は、口径の大きな天文台を拾い上げましたが、どれも公立の施設です。

まあ、これだけ立派なら、個人で維持運営するのは、お金の面でしんどいでしょう。
ペンションなんかでも、宿泊客のサービスに望遠鏡が備えてありますが、小型です。

一方、自治体も夜空が自慢なら、それを眺めてもらうには、観光にうってつけです。
こうして、バブルの一時期、同じような趣旨で、天文台が全国に乱立いたしました。

そんな中、環境省が、全国の一般市民も参加して、全国星空継続観察を始めます。
悪化する光害や大気汚染など、環境問題に関心を持ってもらおうとした企画です。

ただ、平成十年に始まった企画も、残念ながら、平成25年3月末で休止しました。
この企画は、肉眼や双眼鏡を使って、星空を報告する手軽さが、受けたと思います。

だから、休止した理由が何だったのか、それは過度の観光事業の応用かもしれない。
環境省認定の、日本一の星空をキャッチフレーズにする観光地が、増殖するだけ。

これは、定点観測の団体に加えて、一般参加による星空の写真撮影がベースです。
これらを判定材料にしながら、夜空の明るさ(暗さ)を数値化して、発表していました。
  
☆星の観測に適した場所
 岩手県一関市 きらら室根山天文台(平成19年度24.4)
  
 長野県阿智村 (平成19年度23.7)
   
 東京都小笠原村 小港海岸 (平成22年度25.1)
  
 島根県津和野町 日原天文台 (同年24.6)
  
 沖縄県竹富町 波照間星空観測タワー (平成20年度24.5)
  
 福井県大野市 福井県自然保護センター観察棟(同年24.4)
  
大きな数値を記録した地点ほど夜空が暗く、それが星の観察に適した場所になります。
でも、参加自体が任意だし、全国を網羅していないので、偏りはあったのかもしれない。

もし、道北の人口密度の低い中頓別町や、歌登のエリアが参加したらどうなったのか。
しかも、360度の視界が利く函岳は、標高が千メーター越えで、絶好の観測地なはず。

陸別町も、環境庁より、昭和62年度に「星空の街」に選定されたのが、きっかけです。
これが天文台のオープンに発展したと思うのですが、名寄は、経緯が全く違いました。

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元来、名寄市は天文教育に熱心で、アマチュア観測家に木原さんが活動していました。
教師生活の傍ら、自作の望遠鏡を使い、同地で皆既日食の観測に成功しています。

そして、木原さんは、退職金までつぎ込んで、私設天文台まで開設してしまいました。
これを市民にも開放して、天文の普及活動に熱心に取り組んだのが、ベースなのです。

こうして、その後、北海道大学と協定して、市立天文台”きたすばる”が開かれました。
普段は、大学の学術目的で惑星観測に使用されますが、一般にも開放されています。

プラネタリウムにも、多くの趣向が凝らされ、入館者には、年間パスポートもあります。
要するに、地元の地道な活動があってこそ、大きな天文台を導けたのでありました。

というわけで、この天文台の周辺には、「星の見えるキャンプ場」や「なよろサンピラーユースホステル」、はたまた「ピヤシリスキー場」などの施設が整備されており、目的によって活動できますので、道北のかの地まで出かけてみていただきたいと、名寄出身の自分が推奨する次第なのでした。


おまけ:


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