2016年10月14日金曜日

北緯38度が限界だから、なよろのピリカ大望遠鏡では見ることができません - カノープス・南極老人星(本州宮城県以南の日本各地)

りゅうこつ座の一等星、カノープス

以前、富士山の見えるスキー場は、どこが一番遠いのかと言うネタで書きました。
結論としては、妙高杉ノ原のゲレンデが最も遠方だと、一応、結論付けています。

そこで、今回は、日本で一番、見ることの難しい星、カノープスを紹介しますね。
この星は緯度が低いので、東北北海道地方では、全く見ることができなくなります。

だって、東京で南中したとして、高度が1.9度と、殆ど地平線上に出たぐらいかな。
この南中なる言葉も、 天体が真南にくることを指しており、天文学上の用語です。

正中という言葉も使いますが、この場合、天の北極南極・天頂に当てはまります。
どちらにせよ、高度が低くて、すぐに地平線に沈むため、その時間が大切です。

そして、少しでも標高の高い位置で見ることができれば、観望時間も長くなるはず。
だから、夜間にスキー場のゲレンデトップへ上がれば、見えるんじゃないでしょうか。

まあ、チラリズムというか、あと少しで見えるというか、極限状態のチャンレンジです。
人間って性懲りもなく、意味があるのかないのか分からずとも、興味本位ですな。

一方、富士山の見える北限南限は、ご存知の通り、新聞記事でよく紹介されます。
他方、このカノープスも、天文マニアでは別格で、見える北限フェチまで出る始末。

古来、人々は夜中に南天低く、ゆらり赤く輝き漂う星に、変わった名前をつけました。
布良星や老人星とか特徴的な名前ですが、正式にはカノープスと呼ばれています。

りゅうこつ座に属する最も明るい恒星で、太陽を除けば、全天で二番目に輝きます。
中国では南極老人星と呼ばれ、見ると長生きできるようで、寿老人の化身らしい。
  
高橋製作所の65ミリ屈折赤道儀
時々、出しては天体観測をしています

千葉の房総半島では、この星が見えるとシケが来るので、漁師は船出をしません。
沖合いで遭難した漁師の亡霊 も言われて、揺らぐのが恨めしそうに見えるのか。

まあ、星空に現れる時間も限られていて、正中時間を計算する必要もあります。
ウインドウズの無料アプリがありますので、インストールして活用しましょうか。

こうして、観測地点の南中時間が分かったら、後は南天の晴れ空を待ち望むだけ。
まあ、上空が晴れ渡っても、南方に低い空が陰っていたり、街灯が明るいと難しい。

なかなか観望の難しい星ですが、道産子の自分は、内地に住んでから見ました。
そこで、どこのスキー場で見えたのかということですが、富士山と同じなんだな。

つまり、妙高杉ノ原のゲレンデで見えたとネットで紹介されていて、不思議な縁。
山であれば、山形県月山の頂上なのですが、夏スキーのゲレンデではありません。

つまり、どちらも妙高杉の原スキー場だったというのは、正に奇遇だと思いました。
確かに、ゲレンデトップの海抜が高くても、見下ろす先は、開けた視界が必要です。

もし、南側の眺望に山稜が邪魔をして、見渡したい範囲を狭めれば、元も子もない。
こうして、新潟県のゲレンデが最北と言うことになったようですが、続報はないものか。

というわけで、スキーシーズンは間も無くで、少しは南の夜空に興味を持ってほしい。
そんなことを思いつつ、自作パソコン用のボードメーカーで有名だったブランド”カノープス”もあったなーとか思い出したりして、今から来シーズンスキーツアーの計画を練りだそうとする自分が、いるのでした。


おまけ;
① 妙高杉ノ原スキー場の投稿も読んでね!
ちびりちびりと大満足、ウイスキーボトルの携行で飲みすぎには要注意 - 妙高杉ノ原スキー場 (その一)(新潟県)

五月連休のリフト営業を止めたのは何時だったのだろうか - 妙高杉ノ原スキー場(その二)(新潟県)

② なよろのピリカ大望遠鏡について書いた投稿は、こちらから
日本一の星空エリアとして道北をお勧めしたいけど、内地の人、不満ある? - なよろ市立天文台”きたすばる” (北海道・名寄市)


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