ドンホイロート海岸 |
潮の引いた干潟から、二三十センチほどの背丈で、棒がにょきっと立っていました。
このエリアは、メークローン川の河口そばなので、海水が混じる汽水域に入ります。
おそらく、マングローブの苗が、泥田のような土壌で育っているのだと思いました。
遥かかなたへ大きな干潟が広がっていますが、ただ、河口から少し離れた海岸です。
植物の生育に、塩分は大敵で成長を阻害しますが、よく育つなと不思議に思います。
確か、シャム湾は大きな内湾になっていて、塩分の濃度が高くないともいいます。
きっと、少し河口から離れたエリアでさえ、海水の塩分濃度が高くないのでしょう。
面白いのは、マングローブの一風変わった種子や苗を、見ることができる点です。
果実が母親の木(母樹)についている状態で発芽したものが、干潟に落ちて来ます。
中には、果実の中で発芽した芽が、飛び出して三十センチの長さに達してしまう。
それが重しとなって落下すれば、自然に柔らかい泥上の干潟に突き刺さるわけです。
なんというか、形状はしし唐か、グリーンアスパラみたいな鞘上の実なんですね。
そんな種類もあったりして、それが干潟に突き刺さったりして、枝葉が広がります。
こうして、若いマングローブは、ゆっくりと成長を続けていくことになるのですよ。
まあ、植物に水分は大切で、余分な塩分は、葉に貯めて落葉させる賢い植物なのだ。
一方、落ちた葉は干潟の栄養分となって、生き物たちに還元されるのかもしれない。
だから自然に自生できるのかもしれませんが、そんな干潟は生き物のゆりかごです。
よく目を凝らしてみれば、シオマネキのようなカニが群れを成して、散らばります。
それに、有明海に生息するので有名なムツゴロウと言う魚が、跳ね回っております。
胸びれを使い、這いつくばるように動き回っているのですが、何と豊かな生態系か。
どちらも、小さな生き物で分かりづらいのですが、レストランから眺めていました。
干潟の上にテラスのように張り出しているので、すぐ真下に動き回っているのです。
次に、この干潟でより大きな生き物がいるとしたら、それはサギやシギの水鳥です。時折、泥をつついては、ゴカイやイソメのような虫の餌取りをするのが見えます。
実にのどかな風景で、その中を漁師らしき人々が、木製の小船で移動していました。
獲物が何かは分かりませんが、このレストランで食べた炒め物の具かもしれません。
マテ貝とかミル貝のような炒め物で、それが目当てなのかもしれないと思いました。
この貝は、水管がひょろ長く、本体は地中深く隠れているのに、管だけが飛び出す。
物の本では、この穴を見つけて獲るのでしょうが、大量の塩を振り掛けるらしい。
すると、海の水が入ってきたと勘違いし、この水管が、ひょろひょろ伸びてくる。
それをパッと抜き上げるのだとか、まあ、そんな漁法もあるのかと感心致しました。
干潟の自然環境は、潮の満ち引きの繰り返しがある程度で、ゆったりしております。
こうして、ノンビリと時間が過ぎていく中で、マングローブも成長するのでしょう。
というわけで、この干潟もラムサール条約に指定されているのを、後で知りました。
この、海にも近いアンパワーを流れるメークローン川は、マングローブの一種であるランプーの木が多く生えて、この花蜜を求めてやってくるホタルが目当ての観光地としても有名なのですが、近隣には水上市場もあったりと、道北のクッチャロ湖た訪ねた後で、昔、かの地を訪ねたことを改めて思い出したりしたのでした。
おまけ:アムパワー水上市場の写真もあるよ
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