2018年6月24日日曜日

生き物には魂があると感じている日本人の死生観は、現代人にまで受け継がれているんじゃないかな - 江戸の戯画特別展(大阪市立美術館)

大阪市立美術館にて鑑賞

五月の連休で、大阪へ旅行した時に、美術鑑賞と洒落込みました。
江戸の戯画というタイトルですが、金魚を擬人化した浮世絵が楽しい。

これは幕末の浮世絵師だった歌川国芳が、連作で出した「金魚づくし」。
十連作だったそうですが、今回九番目が発見されて展示となりました。

残念ながら、十番目の作品が依然として発見されていないのが、惜しい。
ただ、幻の十図目は、小枝を上段に構えた金魚のお稽古だったみたいです。

江戸で刷られたものが、上方に流れて模倣された図版が出回っているとか。
そんな解説がパンフレットに書いてありましたが、九作目だけでも可愛い。

江戸っ子は、金魚を飼うのが流行ったのですが、色々な金魚がおりました。
らんちゅう、オランダ獅子頭、など高級な金魚は、既に江戸期の出現です。

調べて面白いのは、出目金は明治期らしいけど、江戸時代という人もいます。
そんな江戸っ子は、金魚もそうですが、犬も猫も愛玩動物で飼っていました。

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特に、浮世絵では美人画の構図に猫が登場しており、可愛がられていますよ。
そんな小動物の戯画は、日本人にはお馴染みだったのが、嚆矢は平安時代ね。

カエルとウサギが相撲を取っているという、お馴染みの絵柄は鳥獣人物戯画。
人々は、小動物も人間と同じように楽しみがあると、思っていたのでしょう。

でなくば、これほど人間と同じように喜怒哀楽を通わせた構図はありますまい。
虫の音にも季節感や風流を感じる心持は、私たちにはお馴染みでも世界は違う。

なぜなら、西洋人は、昆虫の鳴き声は雑音にしか聞こえないらしく粗雑だな。
セミの声というと、日本人は人間のように声を発していると思うのが普通です。

日本には、四季があって山野も緑が豊かなので、生き物も豊富だから当然か。
季節が廻れば、色々な花々も咲き誇るので、生活に潤いを与えてはくれます。

ただ、地震、雷、火事、親父じゃないけど、台風など自然災害が多いのも事実。
大阪北部でも大きな地震が起きましたが、速やかな復興を祈るばかりなんだ。

関西方面は、比較的地震の少ない地域だと思っていましたが、そうじゃない。
活断層はどこにでもあると分かって、児童の命を奪ったブロック塀は恨めしい。

だからこそ、防災意識を高めて犠牲者を出さない街づくりは、大事なんだな。
というわけで、ペットも家族の一員ですから、災害の犠牲にはさせたくない。

東北大震災では、住民が一斉に避難した後に遺棄されて取り残された、犬や猫が街中をうろついている可哀想な姿が報道されたほどですが、江戸時代の人々だって、災害が起きたらペットのワンちゃん、猫ちゃんを伴って非難するのは、当たり前と考えていた節はあるでしょうし、すべての生き物には魂があると感じている日本人ならではの死生観だと、思うのでした。




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