2019年3月18日月曜日

安山岩は、アンデス山の石の意味から翻訳で妙味はありませんが、北方の黒い霊獣から名づけられた玄武岩には神妙さがあるな - 玄武洞(豊岡市・兵庫県)

玄武岩の玄さん

出石そばの名店、”輝山”の前を通り過ぎた時に、石像を見かけて撮影しました。
この手の石像は、ミッキーマウスやドラえもん等、街角で見かけたりもします。

特に、ご近所の建材店の駐車場には、ドラミちゃんがいつも座っているんだな。
会社の通勤で、市民の森の遊歩道を抜けますが、途中に必ず出会うマスコット。

ただ、誰がいたずらしたのか、頭部のリボンが壊されて、少しかかわいそうだ。
そんな石像を見かける日常ですが、この玄さんは、スキー旅行で発見しました。

この出石と言う町は、平成の大合併で豊岡市に編入された但馬地方の静かな町。
小京都と呼ばれますが、編入を受けた豊岡市自体は、明治以降に発展しました。

それで、この六角形の玄さんとは一体何者と思いましたが、玄武岩のことです。
このエリアには、玄武岩で天然に造形された柱状節理の”玄武洞”が存在します。

天然記念物に指定されていますが、実は石切り場の跡が洞窟になったものです。
柱状に亀裂の入った石材が断崖をなしていて、容易に切り出される地形でした。

このため、石材に活用されて、近くの城崎温泉の大谿川護岸に残されています。
思うに人工的に作られた洞窟とは言え、柱状節理の規模が大きかったからこそ。

玄武洞
青龍洞

残された柱状節理も広範囲で、玄武洞を中心に五つの洞窟に分かれております。
遊歩道を歩きながら、小一時間ほど見学しましたが、それぞれの趣が違います。

特に、砕石の跡に水が溜まって池となった青龍洞は、蛙の鳴き声が綺麗でした。
恐らく、カジカ蛙だと思うんだけど、二月の寒空に盛んに泣くのが不思議です。

池まで近寄ると泣き止みますが、離れると、又泣き出してくれて癒されました。
そんな玄武洞でしたが、命名したのは明治期の地質学者で小藤文次郎という人。

幕末の津和野藩に生まれて藩校養老館で学んだので、漢学の素養がありますな、
このため、玄武をはじめとして、東西南北を司る守護神の霊獣で名づけたんだ。

玄武、青龍、白虎、朱雀ですが、キトラ古墳など壁画古墳ブームの火付け役。
古代中国から日本へ伝えられた四神信仰により命名され、岩石の和名にもなる。

確かに玄武洞を散策しますと、厳かな印象を受けてなるほどと感じ入りました。
ところで、この柱状節理は、マグマが冷却して固まる時に起きる現象なのです。



先ず表面が冷却されて収縮すると、そこに亀裂や割れ目が作られると言う現象、
これが連鎖反応で広がって、六角形の柱みたく切れ目になると言うのが不思議。

伊豆辺りだと、断面の形状を指して六方石と呼びますが、四角形五角形もある。
そこら辺は、溶岩の冷え具合によるので、道産子ならば層雲峡を思い出します。

石狩川の上流部にある峡谷ですが、銀河の滝、流星の滝など、渓谷美が美しい。
まあ、日本は火山が多く、このような柱状節理の地形が各地に残されています。

日光華厳の滝も見られますが、間近で鑑賞できる造形美は、この玄武洞が一番。
玄武は亀の霊獣なのですが、甲羅の六角形になぞらえて玄武岩としたのかもね。

というわけで、この柱状節理が、太古の植物だったと主張する人もいて驚いた。
なんでも、アメリカ・ワイオミング州にあるデビルズタワーの 柱状節理(六角柱)断面と、植物の亜麻の茎の断面に見られる六角形 とが共通しているという根拠なんだけど、ミツバチの巣や雪の結晶に見られる自然界における六角形の形状を見ても、冷静に考えれば、植物以外にも六角形は身の回りにありきたりに見られることを示しているわけで、こんなデタラメ妄想動画をユーチューブで紹介するなと思ってしまったのでした。



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2019年3月15日金曜日

歴史的な町並みが広がる小京都、出石の城下町を見学しつつ、そばを食べに行ったというスキー旅行 - 蕎麦屋「近又」(出石町・兵庫県豊岡市)

辰鼓楼(しんころう)、明治時代初期の時計台

ここ数年、わざわざ、西日本へスキー旅行をするようになってしまいました。
これには理由がありまして、積雪の見込める山間の地域が限定されているから。

このエリアで安定した降雪を望むには、標高で数百メーター以上が必要なんだ。
元々、西日本は、冬型の気圧配置による寒波の入り込みが、強くはありません。

寒波が入っても降雪が多くないし、厳冬期が短くて積雪しても融けやすいんだ。
このため、営業期間も限られるし、粉雪のような雪質を期待するのは難しい。

それでも、出かけたいと思う理由は、平野部は絶対に根雪にならないからだよ。
そして、この言葉を常識で分かる人は、確実に雪国出身者だといえるでしょう。

まあ、冬の間、雪が融けても地面に必ず、雪が残る状態が続くことを指します。
それが根雪なんだけど、この状態に陥る地域は、東日本が中心になるでしょう。

もし、西日本でそうなるのなら、かなり標高の高い山岳地域のゲレンデだけだ。
だから、平野部は雪が降っても二三日で融けてしまい、意外に観光もしやすい。

それが、雪国なら冬季は観光客も少なく、拝観を中止する神社仏閣もあるほど。
以前、スキー旅行中に、円空仏で有名な飛騨高山の千光寺にも立ち寄りました。

雪景色のお寺で綺麗でしたけど、肝心の円空仏寺宝館は、休館中で残念の一言。
他には、魚沼地方にある雲洞庵もそうで、改めて訪ねなおしたりもしました。

そういった点では、雪の無い平野部なら、多少冬枯れでも観光は出来るもんね。
今回の但馬地方は、日本史好きのおじじならではの小京都、出石を訪ねたんだ。

雪景色がきれい
これが出石そば

ここは、室町期の守護大名だった山名氏が本拠だった城下町だけど蕎麦が有名。
日本史で習った応仁の乱の西軍総大将、山名宗全といえば、ご存知と思います。

そんな記憶もあるし、一緒に来た上さんはスキーをしないので、ここはグルメ。
午前中に、ハチ高原と氷ノ山国際をハシゴして一人で滑った後、出発しました。

ホテルに戻って上さんをピックアップしてから、出石までは時間で十分ぐらい。
養父市の八鹿市街からは、一本道で間違えることもほとんど無く、らくちんだ。

”近又”という蕎麦屋が一番有名らしく入りましたが、平日でも混雑しています。
メニューは一人前五つの小皿に分けたもりそばで、薬味の種類が豊富でした。

食べ方の講釈もあり、葱の薬味が最初で最後に生卵をつゆに混ぜてすすります。
そして、蕎麦湯を漬け汁に足して、蕎麦の香りを楽しみつつ、飲み干しました。

”近又”の店内

それで、以前、上越国際を滑りに行った際、へぎ蕎麦の店にも立ち寄りました。
そば粉八割に、つなぎの布海苔(ふのり)という海草を二割使用するのが特徴。

のどごしが良くて、つるっとたべっれる食感がたまらなく、賞味したんだよな。
どこで食べたか忘れたけど、のどごしだけは覚えているのでおいしかったはず。

これに比べると、出石そばは伝統的な二ハ蕎麦が主流ですが、こしがあります。
どちらも、思い出に残る蕎麦の味でしたが、出石のは割子風なのが面白いです。

というわけで、但馬地方は、スキーをしながら、しっかり観光できるのがミソ。
これが、白馬とか、上越の湯沢とか行ってしまうと、根雪の雪景色で一色に染まってしまって、寒いわ、移動するのも面倒で億劫になるわで、後はただひたすら滑っているだけと言うことになるのですが、ここ但馬地方は、冬でもしっかり観光できて楽しめるという、優れものの観光地なのでした。



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2019年3月12日火曜日

戦わずにして勝利する唐王朝の名将だった郭子儀は、長寿で子孫がめでたく繁栄したから、老いては常に孫たちを見守る好々爺であったのだろう - 大乗寺(応挙寺・香美町・兵庫県)

大乗寺・郭子儀の間

スキーシーズンに旅行をすれば、雪景色の借景を楽しむのは定番になりますな。
寒い季節ですから、スキー以外でアウトドアで行楽を楽しむというのは難しい。

旅行中に何か他に楽しみが無いかと考えましたが、手っ取り早いのはグルメね。
だから、旅行計画を立てたら、たベログとか地元の観光協会のHPを漁ります。

他には道の駅も調べたりして、道中、立ち寄れるようにルートを考えたりする。
そんな出発前の作業が楽しいのですが、一緒に行く上さんに配慮するからなの。

上さんはスキーをしませんので、おじじが滑っているときは暇を持て余します。
ゲレンデに到着したら、スキーセンターで本でも読みながら待ちくたびれます。

まあ、申し訳なくて、滑走時間は三時間が上限と定めて、ひたすら滑りまくり。
こうして、雪質のコンデションが良い午前中に、ヘトヘトになるまで滑ります。

それで、滑り終えてしまえば、後は昼ごはんで午後から観光するパターンです。
スキー場の食堂で昼ごはんを食べる時も多いのですが、この間はおいしかった。

信州中央高原のしらかば2in1スキー場でしたが、食数限定のキーマカレーなの。
口コミでは、ゲレ食にしては格上と口コミされているほどだそうで、おいしい。

ネパールナンカレー・キーマというメニューですが、少し甘口のカレーがグー。
上さんと二人でぱくついてしまいましたが、こういうゲレンデは楽しめますな。

ただ、スキー場の施設に期待できないと、昼ごはんを求めて車を走らせるんだ。
今回、兵庫県にあるハチ北スキー場へ行ったけど、やっぱり、但馬牛でしょう。

それで、ハチ北高原の入口にある道の駅へ行きましたが、メニューが牛丼だけ。
折角、兵庫県まで来て、これではあまりに貧相だと思いまして、隣の駅へ直行。

道の駅「村岡ファームガーデン」といいますが、牛肉を売る肉屋さんがあるの。
レストランも期待できそうで入ってみれば、サシの入ったステーキがあります。

ただ、150グラムで9800円と目の玉が飛び出そうだったので、他を探しました。
うーん、ホルモン焼き定食(1380円)、たじま牛焼お膳(1650円)が手頃だな。

   
こうして、これら二つを注文して、お互いに分け合うことにして、食しました。
まあ、メニューもメニューだし、そんなにグルメでもないから、食レポは無理。

これが但馬牛だと唸らせるものでもなく、ゲレ食よりはおいしかったとします。
それでも、但馬牛の里で食べたという思い出が残りましたので、それで満足ね。

この後、まだ陽も高いし、チェックした観光ポイントに向かって出発しました。
俗に応挙寺と呼ばれている大乗寺なんだけど、ハチ北のエリアから意外に近い。

カーナビで四十分と出ましたので、目指しましたが、もうそこは日本海のそば。
この香美町は、合併で内陸から海岸をカバーした自治体で変化に富んでいます。

内陸の山岳地帯が国定公園で海岸は国立公園に指定されており、景勝地なんだ。
これだけ観光でPRできる自治体も少ないと思いますが、それに名高い仏閣だ。

この大乗寺の住職は、江戸期の絵師、丸山応挙を世話したパトロンだったのね。
このため、応挙一門で、住職のお礼の気持ちを込めて襖絵を描いて残しました。

クリックしてPDFを見てね

寺院の間取全体の部屋を仕切る襖と言う襖に描かれましたが、圧巻は客殿襖絵。
金箔の下地に水墨で松や孔雀が描かれているのですが、濃緑色のように見える。

これが不思議ですが、西日が差し込んで、下地が輝き出す季節が好いらしいよ。
ガイドさんがそのように言っていましたが、現在の展示物はデジタル複製品ね。

高精細のスキャナーで画像を読み取り原寸大で印刷しますが、目的があります。
重要文化財の指定ゆえ、火災など取り返しの付かない事態を避けるためだとか。

本物は、収蔵庫に仕舞ってあるといっていましたが、時々は展示するようです。
だって、今回の拝観でも「郭子儀の間」で原本の展示が行われていていました。

岩絵の具の色合いも素晴らいのですが、応挙の画力は騙し絵の手法にあるんだ。
この絵には八方睨みの技法が使われており、登場人物の視線に隠されています。

鑑賞者が歩みを進めると、子どもらと郭子儀の視線がどこまでも追ってきます。
面白いなあと感じ入ってしまいましたが、拝観した価値があったと思いました。

と言うわけで、西日本にスキー遠征しても、スキーだけの旅行はもったいない。
上さんへの配慮もありますが、遠路はるばる西日本まで遠出したんだから、めったに見ることの出来ない、名所旧跡、神社仏閣、景勝地などなど、訪ねておけばよかったと思うことのないようにと、車を走らせる自分がいるのでした。


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2019年3月9日土曜日

ゲレンデが少ないから、庄内地方三十万人にとっては大事なスキー場なんだ - たらのきだいスキー場(鶴岡市・山形県)

平成6年1 月2日滑走

”たらのきだい”と平仮名書きにせざるを得ないほど、JIS第3水準のレアな漢字。
“木へん”に「荒」と書いて”たらのき”と読みますが、山菜料理でお馴染みなの。

天麩羅、酢味噌和えなど、ほろにがさが春の息吹を感じますが山菜の王様です。
非常に人気が高く、日本各地の山野に自生している「たらの木」の若芽でした。

天然ものは四~六月にかけてが旬で、ビニルハウスのふかし栽培も行われます。
そんなことを思い出しながら、ゲレンデは山形県の庄内平野南部にありました。

まあ、漢字が難読み、きれいさっぱり、平仮名で通用させてしまったみたいよ。
だって、ネットで国土地理院の地図だと、たらのき代の地名になっていました。

JIS第3水準

ここはベースの標高が二百メーターちょっとしかなく、里山ゲレンデそのもの。
地形的には降雪の多い場所のようですが、庄内平野から見えるゲレンデらしい。

夜になればナイター照明のおかげで、遠目でゲレンデがおぼろげに分かるとか。
リフトもファミリースキー場ですから、ゆっくりのんびりと登っていきました。

のんびりしたローカルゲレンデだと思いつつも、当日の混雑が半端ありません。
親子連れがわんさかで、リフト一本のため一時間近くも並ぶ羽目に陥りました。

でも、その割りにリフトもスロープも短いし、がんばって並ぶ魅力があるのか。
多分、ナイターの夜景が広告になって、鶴岡、酒田から滑りに来ていたのなあ。

まあ、庄内平野にめぼしいゲレンデがないためですが、あるとすれば羽黒山か。
そこを滑ってから立ち寄りましたが、道路マップで見つからないほどローカル。

当時はカーナビもないし、しかも、ゲレンデガイドに書いた住所がラフなんだ。
山形県田川郡櫛引町大字たらのき代では括りが広すぎて、道路標識が欲しいよ。

グーグルマップで見っけた

闇雲に走り出したら偶然にも見つけたのが、この道路標識でラッキーでしたな。
そして、なんとかたどりついたら、ローカルスキー場とは思えない盛況で驚き。

というわけで、滑走のコレクションに加えられて、よかったと思う次第でした。
ところで、正月連休になっても、極端な雪不足で営業できない年があるみたい。

庄内日報という地元ローカル紙でも、記事で紹介していたほどなのですが、それなりに新聞記事のネタとして扱われる分、おらが地域のゲレンデなんだというのも分かって、当時、それなりに混雑したのも、むべなるかなと思ったのでした。

おまけ:
クリックで拡大して読んでね



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