辰鼓楼(しんころう)、明治時代初期の時計台 |
ここ数年、わざわざ、西日本へスキー旅行をするようになってしまいました。
これには理由がありまして、積雪の見込める山間の地域が限定されているから。
このエリアで安定した降雪を望むには、標高で数百メーター以上が必要なんだ。
元々、西日本は、冬型の気圧配置による寒波の入り込みが、強くはありません。
寒波が入っても降雪が多くないし、厳冬期が短くて積雪しても融けやすいんだ。
このため、営業期間も限られるし、粉雪のような雪質を期待するのは難しい。
それでも、出かけたいと思う理由は、平野部は絶対に根雪にならないからだよ。
そして、この言葉を常識で分かる人は、確実に雪国出身者だといえるでしょう。
まあ、冬の間、雪が融けても地面に必ず、雪が残る状態が続くことを指します。
それが根雪なんだけど、この状態に陥る地域は、東日本が中心になるでしょう。
もし、西日本でそうなるのなら、かなり標高の高い山岳地域のゲレンデだけだ。
だから、平野部は雪が降っても二三日で融けてしまい、意外に観光もしやすい。
それが、雪国なら冬季は観光客も少なく、拝観を中止する神社仏閣もあるほど。
以前、スキー旅行中に、円空仏で有名な飛騨高山の千光寺にも立ち寄りました。
雪景色のお寺で綺麗でしたけど、肝心の円空仏寺宝館は、休館中で残念の一言。
他には、魚沼地方にある雲洞庵もそうで、改めて訪ねなおしたりもしました。
そういった点では、雪の無い平野部なら、多少冬枯れでも観光は出来るもんね。
今回の但馬地方は、日本史好きのおじじならではの小京都、出石を訪ねたんだ。
雪景色がきれい |
これが出石そば |
ここは、室町期の守護大名だった山名氏が本拠だった城下町だけど蕎麦が有名。
日本史で習った応仁の乱の西軍総大将、山名宗全といえば、ご存知と思います。
そんな記憶もあるし、一緒に来た上さんはスキーをしないので、ここはグルメ。
午前中に、ハチ高原と氷ノ山国際をハシゴして一人で滑った後、出発しました。
ホテルに戻って上さんをピックアップしてから、出石までは時間で十分ぐらい。
養父市の八鹿市街からは、一本道で間違えることもほとんど無く、らくちんだ。
”近又”という蕎麦屋が一番有名らしく入りましたが、平日でも混雑しています。
メニューは一人前五つの小皿に分けたもりそばで、薬味の種類が豊富でした。
食べ方の講釈もあり、葱の薬味が最初で最後に生卵をつゆに混ぜてすすります。
そして、蕎麦湯を漬け汁に足して、蕎麦の香りを楽しみつつ、飲み干しました。
”近又”の店内 |
それで、以前、上越国際を滑りに行った際、へぎ蕎麦の店にも立ち寄りました。
そば粉八割に、つなぎの布海苔(ふのり)という海草を二割使用するのが特徴。
のどごしが良くて、つるっとたべっれる食感がたまらなく、賞味したんだよな。
どこで食べたか忘れたけど、のどごしだけは覚えているのでおいしかったはず。
これに比べると、出石そばは伝統的な二ハ蕎麦が主流ですが、こしがあります。
どちらも、思い出に残る蕎麦の味でしたが、出石のは割子風なのが面白いです。
というわけで、但馬地方は、スキーをしながら、しっかり観光できるのがミソ。
これが、白馬とか、上越の湯沢とか行ってしまうと、根雪の雪景色で一色に染まってしまって、寒いわ、移動するのも面倒で億劫になるわで、後はただひたすら滑っているだけと言うことになるのですが、ここ但馬地方は、冬でもしっかり観光できて楽しめるという、優れものの観光地なのでした。
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