尾瀬湿原の池塘に映し出された逆さ燧ケ岳 |
鳩待峠に着いてみたら、一本早い、戸倉に降りるバスの時間を過ぎていました。
本当は、朝九時半の発車に間に合わせて、至仏山荘を出発していたのです。
ところが、スイスイ歩けてしまって、目的よりかなり早めに着いてしまいました。
ただ、麓へ降りる乗客待ちの最後の乗り合いタクシーが、停車しております。
こうして、空車にしたくなかった運転手さんの計らいで、乗せてもらいました。
こんな帰り話を先にしたのも、往路のとんでもない経験があったからです。
前日は、早朝の始発となる四時四十分の乗り合いタクシーに乗り込めました。
朝の冷え込みが、季節にしては厳しくて、氷点下を割り込んでいたほどです。
このため、標高のある峠から、尾瀬の湿原へ下る桟道が、豹変しました。
見た目は木目だけで分からないのですが、表面が凍ってシャーベット状でした。
ツルツルと滑り出すのが恐ろしいし、桟道も斜めに傾いていてズルズル滑ります。
登山靴は硬い靴底のソールなので、歩けばまるでスキー滑走のようでした。
こうして、恐る恐る歩いても、すってんころりんで幾度も転んでしまいました。
これに懲りたせいもあって、翌日の帰り道は、とても慎重になってしまったのです。
朝もやから浮かぶ至仏山と水芭蕉 |
所要時間を五割増しにしたのですが、打って変わって桟道は乾いております。
つまり、この顛末がきっかけで、空車待ちタクシーに滑り込んだ背景だったのでした。
それで、この運転手さんとのお喋りが、スキー場にまつわるり話題になりました。
何でも、この乗り合いタクシーの運転手から、冬場はスキーの仕事へ切り替わるとか。
尾瀬岩倉スキー場で働くのだそうですが、実家は旅館を営んでいると聞きました。
スキーのレンタル業も、シーズン中には繁盛するようで、商売が手広い印象でした。
やはり、夏から秋は尾瀬観光で一稼ぎしたら、冬はスキーの本業にいそしむのです。
最近は、スキー・ボード客が増え初めて来て、レンタルも上向いているそうです。
どうやら、片品村のスキー場にも、ビジネスの落ち込みに歯止めがかかったみたい。
サバイバルできたスキー場も話題になりましたが、特に片品高原が輝いております。
ビジターセンターは、ぬいぐるみ君が歓迎 |
ファミリー向けに特化して、ミッフィーのキャラクターを採用したのも、アイデアの勝負。
そして、国体コースのある岩倉スキー場が、やはり地区一番のゲレンデには違いない。
そんなゲレンデの話題をする内に、戸倉の第一駐車場へは、あっという間でした。
豪雪地帯の片品村ですから、天の配剤たる雪が、尾瀬もゲレンデも生んだのでしょう。
というわけで、往路の乗り合いタクシーの運転手さんが話していたのですが、怪我人の救助でヘリコプターが二回出動したそうで、多分、アイスバーン化した桟道で転倒して、骨折したお客さんがいたのだと思われて、ミズバショウの季節は、尾瀬においては、まだ春が浅いのだと転んだ腰をさすりつつ、実感するのでした。
おまけ:
ミズバショウとリュウキンカ |
山桜に蜜をとる蜂 |
ショウジョウバカマ、見つけるのが難しい |
乗車券、クリックで拡大します |
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