2015年7月26日日曜日

フェースブックで生き続ける先輩とともに滑った、残雪のゲレンデ - 月山スキー場(山形県)

月山山菜そば

夏スキーの帰りがてら、腹が減ってドライブインの湖月山荘に立ち寄りました。
もちろん、名物の月山山菜そばを賞味したくて、二人とも注文したのです。

スキーで疲れていたせいもあるでしょう、出されたおそばを黙々とすすります。
山菜を煮込んだしょうゆ味のだし汁はやや熱く、おそばの風味を活かします。

本当は、志津地区の出羽屋で食べるべきだったのに、なぜか寄らなかった。
そこは、一度帰りがけに食べたことがあり、古風な家屋が風情を感じます。

味ももちろんですが、おそらく、駐車場に空きがなくてあきらめたのでしょう。
こうして、ダム湖畔に建つ食堂の味も甲乙すてがたく、思い出になりました。

高校時代の先輩は、当時、東京電力の原発がある富岡に住んでいました。
自分は仙台におり、自動車を運転して四時間程の行き来だったでしょうか。

まだ昭和の時代の話で、常磐道も延伸されておらず、下道を走りました。
お互い道産子ですから、スキーはお手の物ですが、夏スキーは珍しいのです。

数メーターに達するような残雪ですし、リフトが七月まで稼動してくれます。
ザラメ雪でこぶだらけの斜面ですが、ピーカン青空の下で滑るのは楽しい。

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二人とも、高校二年まではスキー遠足があったりしたので、ビギナーでもない。
自分なんか、大学の文化系なのにスキー学習の単位が必須だったのです。

だから、二人で滑りに行っても、そこそこ楽しめると思って先輩を誘いました。
先輩も面白がって来てくれたのですが、雪が予想以上に重かったらしい。

リフトを一回滑ったきりで諦めてしまい、それを尻目に一人だけで滑りました。
そんな思い出のあるゲレンデだったのですが、先輩とはそれっきりなのです。

無沙汰を囲って連絡もしない内に、四半世紀も時が過ぎてしまいました。
ただ、郷里の札幌に戻って家業を継いだと、風の便りでは聞いていました。

その内、帰省すれば再会できるはずと、安易に考えたのがどうも運の尽き。
先輩との月山の思い出も、やがては、忘却の彼方に去ってしまいました。

でも、自分も年を取ってくると、ふと昔のことを思い出したりするんですよね。
つい最近も、この先輩って、どうしていらっしゃるのかと、気になり出しました。

それで、家業のお店を探し始めたんですが、電話帳にも見当たりません。
変な予感もしたんですが、実名をググってみますと、ちゃんと見つかりました。

プライバシーのため修正

フェースブックで投稿してたんだーって、でも二年前のが最新の投稿です。
最近、更新がないけどどうしたんだろうって思ったし、コメント返しもありません。

だんだん、心配になって、高校時代のもう一人の先輩に電話してみました。
実は、先輩が話してくれたのは驚きで、もうこの世の人ではないというのです。

つまり、最後の投稿があった頃に、突然に病死したと言うのでした。
まだ五十代後半なのに、早すぎる突然の逝去には、驚かざるを得ません。

折角、フェースブックで見つけて再会と思った矢先の訃報が、痛ましいのです。
もう一人の先輩が、顛末を語ってくれましたが、家業が振るわなかったとか。

亡くなる前には破産の憂き目に会って、仕事もなくなりブラブラしていたらしい。
これから先、生活する気力も体力も失せてしまって、病魔に蝕まれたのか。

そういえば、大学の三年先輩だった方も、この間、肝臓がんで亡くなったなー。
自分も若くは無いことを悟らせてくれたのですが、一つ分かったことがあります。

それは、彼は、フェースブックを通じて、ネットの中では存命しているのです。
時を止めたように、もし運営者に通知さえ行かなければ、存在し続けて行く。

そして、フェ-スブックでは死者のアカウントを「追悼」できるようになっています。
もし、家族や友人が追悼をリクエストしたら、アカウントはログインを止めます。

代わりに、ウオールへの投稿やメッセージを送る機能は、活かされ続けます。
思い出を共有できるようにしたい配慮だそうで、これには背景がありました。

かれこれ十年近く前、米国のバージニア工科大学で乱射事件が起きました。
三十二人が犠牲になったのですが、家族や友人の悲しみは計り知れません。

ところが、当時は、死亡後一ヶ月でアカウントが削除されるポリシーなのです。
一方、愛する人を失った悲しみを、どうしてもアカウントに宛てて伝えたい。

こうした多くの希望が、運営者を揺り動かしたきっかけがあるのでしょう。
というわけで、フェースブックは誰が死んだのかを知るすべが無いせいもあります。

追悼をリクエストしない限りにおいては、あたかもネット上では永遠の魂を手に入れたかのように生き続けることになる分けでして、先輩もこうして自分との係わり合いでは、フェースブックを見続ける限り、生き続けてくれるのであろうなと、思うのでした。


おまけ:
月山ドライブマップチラシ
 
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