漫画、じゃりん子チエが人気を博したのは、三四十年前のことです。
話し言葉が大阪の下町らしく、余りガラ(柄)もよくなさそうでした。
北海道に住んでいる自分にとっては、関西なんて夢の遠い場所です。
ただ、地方試験を開いている関西の大学が多いので受験はしました。
そして、同志社の商学部に合格しましたが、仕送りがバカにならない。
だから、親の懐具合も考えまして、地方の大学に引きこもったのでした。
それでも、この大学は私立でもないのに、親戚縁者が通っていました。
この先、北海道で金融、商業で生計を立てるのなら、手っ取り早い。
就職に困らなかった背景もありましたけど、そんな十代後半の思い出。
関西がより身近になりましたが、笑福亭鶴瓶も、その頃に知りました。
深夜放送のパーソナリティーとして有名だったのが、北海道にも届きます。
関西ローカルのラジオ曲でしたが、雑音の中をかいくぐって選局しました。
夜間は、上空にある電離層が中波を反射し、遠距離でも受信できます。
なので、こつこつダイヤルを回して探り当てて、よく放送を聞いていました。
当時は、若者の相談を受けて、親身に答えていたのが思い出せますな。
そんな受験の頃を懐かしく思い出しますが、そんな若き北海道の時代。
でも、関西弁なんて漫才の世界で、なんだか別世界にも見えたものです。
高校の修学旅行も飛行機ではなく、ブルートレイン・新幹線で関西だった。
はるかに距離感を感じるような遠隔地なのは、当時、間違いありません。
それで、なぜ、思い出したかと言うと、今回の大阪旅行が発端なのです。
だって、宿泊先が大阪西成区のど真ん中で、このチエちゃんの舞台なの。
ホテル、O-KINY(おおきに)って、記憶を蘇らせてくれて、ありがとう。
マンガは、大阪市頓馬区西萩と言っていましたが、間違いなく西成区。
西萩の地名だから、萩ノ茶屋というのは、誰しもが想像のつくことです。
それで、小学生の少女が、ホルモン焼の店を経営するという異次元さ。
しかも、父親は、ろくに仕事もせずバクチに溺れて周りの人間にたかります。
そんなだらしない父親との生活と、下町の人々との繋がりも濃密なんだ。
北海道は気候が厳しいから、こんな人に依存するような生活は送れない。
冬の寒さが厳しくて、どんな人でも、それなりに備えて暮らさねばならない。
だから、アリとキリギリスなら、道産子はこつこつアリみたく暮らすってこと。
だから、地域間のギャップもあり、正直、このマンガの面白さが分かりません。
なぜ、人気が出たのか分からず、一方、北海道に被差別部落は全くないのね。
よく、左派系の思想家が、人気の背景を探り出そうと部落を取り上げた。
でも、こじつけで判然としなかったのですが、今回の旅行で分かったような。
なるほど、これが西成かと思ったけど、都会に住めばどうにか暮らせるのよ。
都会に住めばなんとかなるって、田舎から出てくる人の気持ちも分かるな。
それが、朝鮮から流れて住み着いたっていうのが、鶴橋ならそれもそうだ。
でも、あの狭い商店街の中で、生活を送るのは、道産子には絶対に無理だよ。
そして、地域の不動産紹介を見たら、1Kのアパートが家賃で月四万円。
物価も、暮らし向きに併せてお安くなっていますので、心地良いのかもね。
というわけで、串に差すホルモン焼きは、北海道になかったので驚きました。
チエちゃんが、串に指して焼いている情景がありますが、北海道では網に載せて焼くのであって、一方、大阪弁では、家畜の内臓は捨てるもの=放(ほ)るもんからホルモンになったと言う語源説があるのですが、道産子弁でも捨てるのは、”ほる”というので、同じホルモン焼きが好きな地域では、言葉も似たものがあるのかと思った次第なのでした。
いいねと思ったら、二つポチっとね!
0 件のコメント:
コメントを投稿