チャイコン助言者、アドルフ・ブロツキー |
作曲家は、なぜバイオリン協奏曲を、あまり多く作らなかったのでしょうか?
こんな質問が、ネットの”Yahoo!知恵袋”の電子掲示板上で出されていました。
確かに、ベートーベンやブラームスなど大作曲家は、作品が一つに限られます。
逆に、ピアノ協奏曲は複数の作品を発表しているのが普通で、対照的なんだな。
モーツアルトは多作家でしたが、ピアノ協奏曲が26曲なのにバイオリンは5曲。
フランスの作曲家サンサーンスでも、ピアノ5曲、バイオリン3曲、チェロ2曲。
近代の作曲家、サンサーンスは多い方ですが、それ以外は傾向として少ないな。
一方、バイオリニストが作曲したバイオリン協奏曲はなぜか作品数が多いんだ。
イタリアのヴィルトゥオーソ、パガニーニは6曲、ベルギーのヴュータンは7曲。
まあ、古今、作曲家は、小さなオーケストラの例えもあるピアノで作曲が普通。
一方、べートーベンは、若い頃にピアニストして楽壇にデビューしているほど。
つまり、ピアノ演奏に達者な人物が、作曲家になる事例が多いということです。
とにかく、ピアノは鍵盤を叩けば音が出て、その組み合わせで和音もできます。
一方、弦楽器は、指で押さえるべき音階の位置を経験で覚える必要があります。
ギターは指板にフレットが付いているので楽ですが、バイオリンは上達が至難。
練習に練習を重ねて演奏者として一人前になるのでも、大変なことなんだなあ。
しかも、弓で弾くバイオリンは弦楽器の完成形とも表現されて、音色も美しい。
だから、演奏者として楽曲を演奏するだけでも、芸術表現は完成されています。
メンコン助言者、フェルディナンド・ダヴィッド |
まあ、バイオリニストが教職のかたわらであれば、作曲活動もするでしょうな。
その好例が、ハンガリーのイェネー・フバイで、四曲の協奏曲を残しています。
演奏機会はあまり多くはありませんが、CDもそれなりにリリースされています。
むしろ、名演奏家だったので、アンコール用ピースを数多く残したのが面白い。
何れにしても、演奏家として華やかに活動するのが中心になるのは否めません。
というわけで、名人芸を要求するバイオリンは、無名の作品こそ聞く価値あり。
メンコン、チャイコン、ベトコンなどと有名な作曲家のバイオリン協奏曲よりも、聞いていて自分の趣味に合う自分好みのバイオリン協奏曲を発掘しながら、クラシックを鑑賞するのも、かなり高尚な趣味ではないかと思うのでした。
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