去年、挿し芽をして根付いたウマノスズクサの一株から、花が咲き出しました。
ただ、花は一つだけで、他の株を探しても開花の様子はないので、貴重なんだ。
それにしても、二年目で咲くのは珍しく、撒いた肥料が合っていたのでしょう。
ただ、油粕肥料を少しやり過ぎて、葉が縮れ出す肥料やけを起こしたのは事実。
その後、用土の中の養分を洗い流すために、大量の灌水を行ったりもしました。
それが効を奏したのか、以降は新芽が出ても普段通りに葉が成長していきます。
株はまだ二年目なので、どれぐらいの速さで成長するのかもわからず、手探り。
鉢をよく観察していると、地下茎が伸びているのか、複数の芽が地上に出現だ。
去年出ていた芽とは違う箇所から、枝葉が伸びているのを見ると予測不能だな。
だから、花が咲いたと言う現象も、植物の気まぐれ程度なのかもしれませんな。
この花を観察していると、花の筒は深くて、そこへ落ちたコバエが動いている。
一生懸命、抜け出そうと動き回りますが、何かに邪魔されて上がれないようだ。
蓄音機のラッパみたいな花の形状がユニークですが、内側は産毛があるのかな。
ネットで調べてみると、種子を作る目的で昆虫を誘い込むのが、分かりました。
このため、花の内部は逆毛になっていて、そう簡単に這い上がれない仕組みだ。
先ず、奥へ奥へと追い込まれて、どん詰まりでめしべと出会うことになります。
虫はパニックで動き回りますが、それが思う壺で、体に付けた花粉で受粉する。
ということは、誘われる虫は、先におしべの花粉を身に付ける必要があります。
別の花で、虫が花粉を身にまとう必要がありますが、それに役立つのが産毛だ。
内部に貼り込んだ虫は、脱出できないままに、おしべの成熟で花粉を待つ状態。
一方、先に成熟しためしべは受粉できますが、おしべは遅れて成熟する仕組み。
こうして、虫が動き回るうちに花粉を身に着けて、その頃には産毛も消えます。
こうして、散々な目に遭った虫さんは、スムーズにストレスもなく脱出するの。
後は、別の花に誘われると、閉じ込まれた花で、めしべに花粉を付ける作業だ。
この花は、糞や腐臭のような臭いを出すらしく、小型のハエをおびき寄せます。
コバエさんにしても、このウマノスズクサがあると、因果な繰返しをする分け。
というわけで、非効率な受粉方法で、種がなかなかできないのが分かりました。
もっとも、この植物は多年草で、地下茎を長く伸ばしながら、いくつも地上部に
株を出してくるので、地下茎さえ死ななければ繁殖すると言う植物で、たまさか種子ができると繁殖地も広がるという気まぐれさだから、絶滅危惧種になりつつあるのも分かるような気がするのでした。
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