三年前、仙台の知人からもらって、わざわざ運んできたアジサイが枯れました。
一年目は未だ小さな苗で花が咲かず、二年目には見事に開花してくれたのです。
ところが、二年目には花が一株しか咲かず、心なしか、幹に勢いがありません。
葉も余りつけないし、葉自体が早めにしおれて来たので、八号鉢では窮屈かな。
根詰まりを起こしている可能性もあると思って、早速、十号鉢に移し替えます。
その後、初冬に枝の枝払いをしたら、枝の中心部に青々しさが残っていません。
これはかなり重症と思って土を入替えましたが、芽を出さずに春を迎えました。
寿命が尽きたのかもしれず、同じ鉢のユキノシタとフタバアオイがかわいそう。
なので、掘り返してマンションの中央にある花壇へ、こっそり移植しておいた。
一方、掘り起こした株は根も張らず、もう梅雨の時期だから枯死したのだろう。
残った土は保管するしかありませんが、移植ごてで土をならすとミミズがいた。
このミミズは、苗を持ち運んで当初から、付着した用土に棲みついていました。
一匹だけですが、八号鉢の植えた頃より、成長して元気よくピクピク動きます。
もう三年も生きているのか思うと、何だか愛しくなりましたが、用土も黒々だ。
ミミズは土中で生きていて、鉢の土を思う存分食べて暮らしていたのでしょう。
吐き出された糞の土は、窒素、リン、カリなど植物の生育に必要な物質が豊富。
このため、生きた肥料製造装置で、土に触れると地力があるように感じました。
それで、このミミズは、フトミミズ(ドバミミズ)の種類に当たると思います。
釣具店の生餌で売っている赤っぽいシマミミズと違って、体表が暗い灰色です。
このミミズ、よく大雨の後に、アスファルト道路に這い出して来るタイプだな。
干からびて死んでしまったのを見る機会が多いのですが、有用な生物なのです。
他方、シマミミズも枯れ葉、野菜くずも食べるので有用ですが、土は食べない。
このため、用土の改良にはフトミミズが居ればよく、土壌改良剤は不要なんだ。
だから、このフトミミズさんは、新しくヘンルーダの鉢へ転居いただきました。
それで、心配があるとすれば、フタバアオイにアレロパシーがあるかどうかね。
植物の中には、他の植物の成長を妨げる成分を土中に放出する品種もあるんだ。
まあ、仲間のドクダミだとアレロパシーが強いとありますので、少し気がかり。
だから、秋口になってマメ科の蓮華草でも植えて、追加で土壌改良しましょう。
というわけで、ミミズさんの土壌改良能力には、今回、感服した次第なんだな。
これを考えますと、近所の市民の森でフトミミズ採集に出かけて、捕獲できたら使わずに残した用土に撒いて飼いならすとして、結果、自然に土壌改良ができるかもしれず、市販の改良剤に限界を感じていた自分としては、新たな可能性の挑戦なのでした。
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