2016年11月25日金曜日

シカとぶつかって、車をオシャカにするのは実に不運だが、映画の脚本だと出来レースみたいだ - 動物接触事故(北海道全体)


  
どこかの国の朝焼けの海辺。
アフリカ系を含む欧米人や東洋人のグループらしく、浜辺で女2人がたき火中。

そこに集まって来た男らは、ボンゴを叩いたり、笛を吹いたりし始める。
日本人、五代高之(石原裕次郎)は、ギターを弾きながら歌を歌い出すのだった。

たき火の側では立っていたのは、坂本優子(浅丘ルリ子)が立ちつくしていた。
世界中のレースを渡り歩く五代と共に、トレーラーでジプシー生活を続けている。

これは昭和44年に封切りされた映画「栄光への五千キロ」の出だしなのですわ。
石原プロが、「太平洋ひとりぼっち」、「黒部の太陽」などを製作した中の作品です。

もちろん、石原主演映画の一つとして有名ですが、興行的には成功しておりません。
膨大に製作費が膨らんでしまい、その割りに配給収入が伸び悩んだのが原因です。

面白ければ大入りだったのでしょうが、延々と空撮のラリー走行が続いたりします。
しかも、石原裕次郎も年なのかふくよかで、浅岡ルリ子も化粧が濃くなっております。

若々しさも遠のきつつ、秋風の候といった感じで、新鮮味に掛けたのかもしれません。
まあ、日産のブルーバードがサファリラリーで優勝したりで、カーレースは注目の話題。

柳の下に泥鰌が二匹いると思って作ったのでしょうが、映画産業自体が斜陽です。
思い入れはあったにせよ、TVアニメ「マッハGoGoGo」が、お子達には人気でした。

そんな思い出の映画ですが、自分には勝手すぎるどんでん返しのストーリーなのだ。
レーサー五代は、レース終盤二番手に付けて、必死に一番手を追い上げていく。

間もなくゴール直前になり、一番手の車の前に、突然、ガゼールが飛び出してくる。
鹿に似た大型動物なのですが、急ブレーキでも間に合わず、正面衝突してしまった。

ドライバーは呆然として立ち尽くし、ナビゲーターはオイルパンがやられたと言います。
結局、車はお釈迦になってゴールはおろか棄権で、その脇を五代車が駆け抜ける。

こうして、五代はトップになってゴールインして、めでたしで映画を締めくくるのでした。
でも、オフロードっぽいラリーと言っても、そんなに動物がのこのこ出てくるものなのか。

ルートには、事前に路面偵察も入っているはずだし、動物も追っ払うんじゃないのか。
映画の終わる間際、ガゼールを車に体当りさせるなんて、これはストーリー上のお話。

何とも腑に落ちないものがあったと覚えておりますが、実際にぶつかったらどうなるか。
もちろん、日本にガゼールはおりませんが、シカだったら日本中に生息していますな。
  
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ただ、シカも二種類あって、本州産より北海道のエゾシカは、もっと大柄な巨体です。
これは、ベルクマンの法則に符合するそうで、寒冷地で生息すれば大型化します。

このエゾシカが、自動車と接触事故を起こすのは、北海道では日常茶飯事みたい。
ドライバーも、このシカに注意しましょうと、サービスエリアでパンフが配られていました。

実は、この夏、道北を車で旅した際に、道の駅で初めてこのパンフを見かけました。
本当に、道路で接触、衝突事故が頻繁に起きるものなのかと、疑ってしまいますね。

ただ、車の修理に要する代金が五十万近くなので、動けなくなりそうな気もします。
シカの巨躯にぶつかれば、バンパーやボンネットのヘコミ程度では済まないのでしょう。

多分、ラジエーターやシャーシーが破損や変形したレベルまで、達するのもしれない。
度を越した程度ですが、日本で最も事故に遭う不幸な動物は、タヌキなんだとか。

これは、高速道路での事故統計ですが、43%の高率でタヌキが昇天しております。
この狸さんが原因で、最高裁判所まで争った判決もありますが、それが北海道です。

でも、道路公団に管理責任は無いことになり、亡くなった方は無念の思いだろうな。
敗訴の確定になりますが、北海道でもシカではなくて、タヌキが元凶だったということ。


まあ、タヌキは人里に接する里山のような場所に暮らしていて、よく見かけるものです。
そんな場所には、交通量の多い道路も通じていて、そこへタヌキが横断しようとする。

狸さんも右見て左見てなんて、お行儀良く注意して渡るなど、毛頭ないことでしょう。
それに、車の走行速度は、自然界で体感できるような速度とはかけ離れております。

なので、野生の生き物も本能で覚えている範囲から、ぶっ飛んでいるんじゃないのか。
こうして、車道に出てしまって、道路が近づいて来ようものなら、驚いて固まってしまう。

逃げようと気がつく前に、跳ねられてしまって、タヌキ君もシカさんもお陀仏なのでした。
というわけで、北海道へ旅行したら、動物との接触、衝突事故に気をつけましょう。

北海道にも、本土タヌキの亜種、エゾタヌキが住んでいるのですが、元来臆病な小動物ですし、北海道には里山と呼べるような自然もありませんので、山の中でひっそりと暮す地味な存在でして、それでも、縦横無人に走るようになった高速道路が餌場を分断することになって、横断のために不幸な事故が起きてしまうとは、何ともかわいそうなことだと思うのでした。


おまけ:
北海道に暮らしているエゾタヌキの可愛い生態は、こちらから。
   
   

札幌に行ったら、狸小路の商店街もブラブラしてみてください


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