十数年前、夫婦で訪ねた納沙布岬を、釧路に滞在している以上、行かずにはいられない。到着後、その場にいた女性から、撮ってあげるといわれて、記念撮影してもらった。前と同じように、天気は良くない。違うのは、夏のせいかツアーバスが何台もやってきて、観光客が意外と多かったことだ。日本最東端、最果ての印象はぬぐいようもなく、憎き露助の不法占拠する北方領土があまりに近くて、国境紛争の緊張感は、大げさでもひしと感じる。
根室の高台に建つ金刀比羅神社のお神輿は豪奢なつくりなのだ。漁業の街だけに、海の守り神を祀る道東を代表する神社な分けである。文化文政期に香川県の金刀比羅宮から御分霊を迎えたとのことで、歴史の新しい北海道にしては、由緒のある神宮だ。
この根室 金毘羅神社には、高田屋嘉平衛の銅像がある。北前船を駆使して箱館を拠点に北方航路を開拓。択捉島や国後島の開発、ロシアとの間で起きたゴロウニン事件の平和的解決に尽力したという歴史的人物だ。そこで、井上靖の書いた小説『おろしや国酔夢譚』を思い出した。この人が主人公だったのかと、大きな勘違いをしてしまい、本当は大黒屋光太夫が主人公だったのを、帰宅してからググって知ってしまった。思い違いも甚だしくて笑ってしまう。
読みの難しい春国岱は、しゅんくにたいと読む。風蓮湖と根室湾を分ける砂州で形成された湿地及び原生林なのだが、白く立ち枯れた松のトドワラが見られる。これより北方に位置する尾岱沼の野付半島では、ほとんど見られなくなってしまったが、こちらにはまだ残っているのだ。
























