2016年8月30日火曜日

美幸線のローカル列車と共に、4WDのスバルレオーネもテストコースで駆け抜けたのかもしれない - トロッコ王国美深(北海道美深町)

折り返し地点で、一旦、待機

今は亡き国鉄美幸線は、日本全国で最悪の営業係数値を計上した赤字線でした。
道北の美深町を起点に、途中の終点、ニウプ(仁宇布)までの21キロの支線です。

途中なのは、最終的にオホーツク海側の枝幸町まで、開通する予定だったから。
全線開通すれば、歌登町市街から、毛ガニの漁獲高日本一の枝幸町へ通じます。

こうなると、乗客数も増えて赤字路線が延命できたかもしれませんが、はかない夢。
実現もかなわずに、途中の集落を終点とするようでは、この先が思いやられます。

しかも、日本はクルマ社会に変貌し、鉄道の乗客離れも、過疎地で一層進みました。
だって、一日数本では不便だし、乗り遅れたら大変だし、時間が有効に使えません。

終点の駅員さんですら自家用車通勤をすると、ワイドショーで報道される始末です。
こうして、百円の収入に四千円近くも経費を費やす、赤字路線が有名になりました。

最終的に、昭和六十年に配線となりましたが、現在はバス路線に転換しています。
それで、この残った線路の有効利用を図ろうとする人々がいても、おかしくはない。

それは、線路上を保線用のトロッコ車で、観光客の皆さんに運転してもらうアイデア。
起死回生の町おこし策だったみたいで、廃線から十三年後に、営業を開始しました。

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実際は、自転車のように足で漕ぐわけでもなく、小型発動機の動力が付いた運転車。
このため、自動車運転免許証の資格者でないと、運転ができないのがミソでした。

実際に乗ってみると、ペダルのアクセル、ブレーキにサイドブレーキも付いています。
発動機は、2サイクルエンジンみたく、やかましい音を立てるし、振動も激しいです。

係員からは、時速20キロで運転するように指示されますが、スピード狂も多いのだ。
最後尾の車両に乗ったので、百メーター間隔で先に出る車両に離されていきます。

先頭車両からは、数百メーター離されたじゃないかと思いますが、自分は低速運転。
二十キロで運転すると意外にゆっくりするもので、自分は景色を楽しみたいのです。

こうして、ちんたら運転して、上り坂で加速したり鉄橋を渡りながら折り返し点に到着。
ここで、ポイント切替でややカーブのきついU字状に回って入り、戻って待機します。

ここから、また百メーター間隔で走り出していくと、皆さん、今度はゆっくりと走り出す。
きっと、最初に早く走り過ぎたので、今度は白樺林の美しさを楽しみたかったのか。

そんな風にも思えましたが、最後尾の車両で、後ろからせっつかれずに良かった。
一時間毎の運行時間を知らずに、偶然にすぐ乗れたのが、幸運だったのでしょう。

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というわけで、スタンプカードまで渡されて、十回乗ると一回無料の特典つきでした。
そして、このにニウプには、スバル自動車の耐寒テストコース(日本最北)もあったり、付近の農場が、村上春樹の小説”羊をめぐる冒険”のモデルのひとつではないかといわれているようなオマケつきですので、道北一押しの観光スポットとして、ぜひ紹介させてもらいたいと思うのでした。


おまけ:
良く調べて見ましたが、美深町の耐寒コースは平成7年の開所で、美幸線の廃線ははるか以前のことでした。一方、レオ-ネ自体は、日産向けの四代目商用バンタイプで、時期的にこのコースを走ったのかもしれません。



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2016年8月27日土曜日

別にラムサール条約に選ばれなくても、かけがいのない北海道の自然遺産なんだよ - 松山湿原(北海道美深町)

松山湿原とえぞ松沼

ラムサール条約は、釧路湿原が日本で最初に指定されて、知られるようになりました。
この条約は、正式名称が長ったらしいので、締結したイランの地名を採用しています。

条約正式名称:
Convention on Wetlands of International Importance Especially as Waterfowl Habitat
日本語:特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約

つまり、水鳥が生息する重要な湿地の環境保護が目的なのは、すぐに分かります。
ただ、指定に当っての条件が分かれていて、水鳥に関係せずとも指定できるのです。

先ず、釧路湿原は丹頂鶴の生殖地だからこそ、指定されたといっても良いでしょう。
かつては絶滅したと考えられたのが、大正13年に、この湿原で再発見されています。

数は十数羽に過ぎず、広大な釧路湿原が人を阻んでいたから生き延びていたのか。
日本人にとって鶴といえば、この丹頂を指しますが、昔から大切にされた生き物です。

一方、かの有名な尾瀬湿原は、このような水鳥の生息しない高層湿原の指定です。
北海道の雨竜湿原も負けじ劣らず、美しい高層湿原ですが、水鳥には関係ない。

つまり、絶滅の恐れのある動植物が生育・生息する湿地まで、範囲が広がりました。
まあ、高層湿原なら高山植物が対象ですが、ヘビで指定を受けたエリアもあります。

それは、沖縄県久米島でして、キクザトサワヘビが棲息しているからなんだそうです。
以来、日本各地で五十箇所が指定されてまして、その内、北海道は十三ヶ所です。

撮影ポイントになる沼は三つ

これ以外にも、北海道には色々な湿原がありますが、土壌が泥炭のせいだから。
気候が亜寒帯になりますので、枯れた植物が腐葉土にならずに、残ってしまう。

これが堆積したのが湿原で、泥炭はピートとも言い、ウイスキーには欠かせない。
煙で燻したような香り付けになりますが、だから、マッサンがこの泥炭を求めたのだ。

余市に蒸留所を開いたのも、なるほどと納得できますが、この泥炭は成長が遅い。
一年でたった一ミリしか積もりませんから、湿原になるまで気が遠くなりそうです。

だから、学術的に貴重な湿原なら、条約にわざわざ指定される必要もないでしょう。
その一例として、道北の美深町にある松山湿原を挙げますが、秘境に近い印象。

面積で25ヘクタールと小規模ながら、山頂に広がる湿原に吹き渡る風が心地よい。
地味の乏しい土壌に耐えて成長した松の木は背丈が低くて、盆栽を見るようです。

一方、花々は、自分達が訪れた時、夏から秋に代る端境期で、多くはありません。
それでも、タチギボウシ、アキノキリンソウ、ホロムイリンドウなどが見かけられました。

しかも、標高八百メーターと低山なのに、高山帯のハイマツすら自生しています。
いかに道北で緯度が高く、寒冷な気候だといっても、生育条件が厳しいからでしょう。

そんなことを思いつつ、帰宅して調べましたら、ここは、知る人ぞ知る湿地のようです。
 つまり、自然環境保全地域に加え、日本の重要湿地の五百にも選ばれていました。

登山道には、エゾトリカブトの花

というわけで、周辺で滝めぐりまで楽しめる観光スポットなのに、こじんまりして良い。
雨霧の滝、女神の滝と言って、規模はさほどなくても流れ落ちるさまに清涼感を感じられますし、近くには「平成の名水百選」で選ばれた「仁宇布の冷水」まであるのでのどを潤しながら、トロッコ王国でトロッコに乗車したりして、ぜひ、訪ねてもらいたいものだと、お勧めしたくなるのでした。


おまけ:
展望台からの仁宇布方面
雨降りの滝
女神の滝
かろうじて、タチギボウシを撮影
まだ、アジサイが見ごろなんだ

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2016年8月24日水曜日

エゾオオカミは絶滅したんだけど、ヒグマはしぶとく蝦夷地で生き残っているのがエライ - ヒグマ生息地(北海道全域)

ヒグマ注意の看板

これだけ凶暴な熊の看板を見てしまえば、踏み込むのを躊躇したくなるものです。
ここは北海道で、生息するのはヒグマなので、本州のツキノワグマとは異なります。

とにかくどでかくて、後ろ足だけで立ち上がると3メーターぐらいになる巨大さです。
体重も三百キロは軽く超えてしまいますので、襲われたらひとたまりもないでしょう。

ていうか、ヒグマ自身はひどく警戒心のある動物なので、敢えて人を避けようとします。
逆に、出会い頭にばったり会ったら、驚いて防御反応で、襲われるかもしれません。

ただ、雑食性なので肉食ではないため、人を食料として襲う可能性は、低いのです。
山野で出会わないのに越したことはなく、北海道民だって動物園で眺めるぐらい。

自分も道産子ですが、有名な登別温泉クマ牧場で見たぐらいで、野生はありません。
それでも、札幌の都会に居ても、小学校の授業で、十分注意するように教わりました。

だって、札幌市内でも郊外の山中へ出かければ、そこはもうヒグマの生息地です。
住宅地に接近しながら、出没する地域も多く、学校で注意するのは当たり前なのか。

出会えば命がないものと思えと言われてきたので、恐怖心の刷り込みだけは大きい。
さて、冒頭の看板は、道北の美深町にある松山湿原へ行った時に、見かけました。

熊よけの鐘も、湿原までの登山道と山頂部の湿原遊歩道入り口に置かれています。
叩くとかなり大きな音がして、先に入山した人が打ち鳴らした音も、聞こえてきました。

こうなると、何だか恐ろしくなっても来ますが、個人用の鈴もちゃんと携帯しています。
やっぱり、目撃するだけでも怖いと思いましたので、これだけの備えはするものです。

ヒグマに注意のパンフレット
グーグルドライブはこちらから


まあ、人口密度の希薄な道北や道東では、ヒグマに豊かな生息環境が残っています。
つまり、未開の原野や山林を、我がもの顔で歩き回るのは、ヒグマのほうだということ。

こうした地域では、人の方が、ヒグマに遠慮して暮らさねばならないのかも知れない。
なので、北海道も開拓が進んだ頃には、人が多数襲われる陰惨な事故が起きました。

たった一匹の熊が、死者七名、負傷者三名の被害をもたらしたのが、三毛別熊事件
場所は、留萌管内の苫前町三毛別と言う集落で、去年が百年目の追悼になりました。

事件の影響か、集落は程なく無人の地に果てましたが、慰霊碑が建立されています。
しかも、事件当時を模した粗末な家屋と、巨大なヒグマの張りぼてまで存在する始末。

これを見に行くことはないと思いまして、上さんをだましにだまして、行ってみました。
上さんも、そんな身の毛もよだつ事件現場へ、好奇心で訪ねるのは、不謹慎らしい。

三毛別事件再現家屋とクマ

自分的には、一世紀近くも経て、人の記憶も風化して、過去の話になってしまった。
バチ当りにならないだろうと思って行ってみましたが、ご当地はなぜか雰囲気が暗い。

舗装道路の終点から、砂利道を運転してたどり着きましたが、観光客などおりません。
寂しさも募る、特別な観光地と思いつつ、写真を撮ったり、家屋を見学したりしました。

というわけで、三毛別の小屋までに至る道路は、ベアロードと名づけられていました。
北海道ですから、作付け面積の規模も大きく、そんな大規模農家が点在する中、道路沿いのご家庭では、クマさんの可愛いイラストなどを自主的に看板を立てていたりして、微笑ましいものがあったのですが、過去の惨劇とは間逆なイメージだけが、実に印象に残った訪問になったのでした。


おまけ:
こ投稿は、数年前に三毛別事件現場を訪問した時の思い出を加えて、書いてみたものです。


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2016年8月21日日曜日

墓参りを兼ねた北海道旅行を忘備録的にまとめてみた - 上川北部・宗谷管内(北海道)

名寄市はひまわりの町としても有名

今回の道北旅行は、台風の通過もあって、天候に振り回されました。
それでも、晴れ間ののぞいた日を上手にやりくりして、旅行したのです。

昨日、千歳空港発、夜九時半発の羽田行きで帰宅しましたが、満席になりました。
驚きましたが、お盆休みの前後は、帰省客も観光客も多かったということでしょう。

でも、道北地方では、どちらかというとバイク族やサイクリストが目立つ程度です。
大雪山などの有名な観光地に比べれば、地味な印象がぬぐえないと思いました。

その分、静かで落ち着いた旅を楽しめたのも事実で、天候不順なのがうらめしい。
帰宅してから、旅の思い出を忘れないように、書き残しておくことにいたしました。


15日(月) 曇り時々晴れ
 行程:
  千歳空港~中央寺(札幌市)~道央道・国道40号線~
  ブラジル(スイーツの店・夕食)(名寄市)
 宿泊:
  なよろ健康の森キャンプ場(無料)・なよろ温泉サンピラー

16日(火) 晴れのち曇り、のち雨
 行程:
  松山湿原~雨霧の滝・女神の滝~トロッコ王国美深~美深温泉(美深町)~
  BigBoy(ステーキファミレス)~
 宿泊:
  日進ゲストハウス(名寄市・雨でキャンプ中止)) 

17日(水) 雨・台風7号北海道上陸
 行程:
  道の駅ピンネシリ(中頓別町)~福泉・蟹海鮮ちらし(枝幸町)~
  西條スーパー(枝幸町)~
 宿泊:
  大崎旅館(雨でキャンプ中止)

18日(木) 晴れのち曇り
 行程:
  ウスタイベ千畳岩~神居岬(枝幸町)~中頓別鍾乳洞(中頓別町)~
  Aコープスーパー~クッチャロ湖~ベニヤ原生花園(浜頓別町)~
  エサヌカ直線道路~
 宿泊:
  さるふつ公園キャンプ場・憩いの湯(猿払村)

19日(金) 曇りのち雨
 行程:
  兜沼公園キャンプ場~サロベツ湿原センター(豊富町)~
  幌延ビジターセンター~トナカイ牧場(幌延町)
 宿泊:
  幌延森林公園キャンプ場(バンガロー泊) 

20日(土) 雨
 行程:
  幌延ホクレンSS(セルフ給油)~北海道命名之地(音威子府村)~
  道の駅なかがわ(中川町)~ 道の駅もち米の里☆なよろ(名寄市)~
  道央道(途中災害通行止め)~ 滝川IC~国道38号・12号線~
  奈井江IC~千歳空港

走行距離:1200キロ
ガソリン消費量:55.7リットル
燃費:21.5キロ/リッター
車種:スズキ・Swift
レンタカー:オリックスレンタカー


というわけで、道北のある程度、知られた観光地は、一通り歩いてみました。
他に、稚内周辺、利尻・礼文、天売・焼尻などの観光地を加えて、全てになります。

なので、来年に旅行を計画される方には、参考になるかもしれないと思います。
キャンプ場も充実しており、アウトドアを楽しみたい方には良いかもしれません。


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2016年8月18日木曜日

台風6号7号のダブルパンチのおかげで、ピヤシリスキー場のリーズナブルな宿泊施設を見つけたぜ ー 日進ゲストハウス(北海道名寄市)

左がゲストハウス、右はオーナーのレストラン

今、名寄市の郊外のゲストハウスで宿泊中です。
一泊三千円で二名だから、六千円と格安でした。

宗谷本線の無人駅、日進駅からすぐそばにあります。
名前もごくシンプルに、日進ゲストハウスなのでした。

運営している方は、リジョンさんといって、外国の方か。
隣の自宅でレストランも開いておられますが、ド田舎。

ただ、名寄市の東側にあるサンピラーパークから、程近い。
そこでは、ヒマワリの丘として、観光用にヒマワリ畑を公開中。

宗谷本線を走る列車の車窓からも、ヒマワリが楽しめそう。
こうして、名寄市の夏の観光の目玉ですが、本番は冬ですよ。

だって、ここから雪質日本一のピヤシリスキー場は、目と鼻の先。
雪道を車で走ったとしても、十五分で到着してしまうはずです。

そういえば、このゲストハウスの近くに、ユースホステルもある。
そして、スキー場には、名寄温泉サンピラーという宿泊施設も。

ゲストハウスでは、スキー客用にワックスルームも用意しています。
冬期間のスキー客の争奪戦を、この近場の三軒で、争うのでしょうか。

まあ、ピヤシリで滑ろうと思ったら、このゲストハウスをヨロシク。
平屋の古い造りの木造家屋ですが、それなりに落ち着ける雰囲気です。

本当は、このサンピラーパーク隣接の無料キャンプ場で幕営中でした。
でも、雨が降りそうだったし、幕営場所を変えろと言われる始末です。

だったら、天候が悪化しそうな気配を見越して、撤収と相成りました。
こうして、宿を探すことになったのですが、予算を渋りたいところ。

市内にホテルもありますが、キャンプ生活からレベルを上げる気も無し。
なので、安い宿を探し回って、このゲストハウスに落ち着きました。

大体、今回の夏休み北海道旅行は、台風6号7号のダブルパンチ。
15~16日の二日間は、奇跡的に雨に降られなかったのが幸運。

明日からは、台風7号の直撃コースの中を旅行中で、最悪の模様。
れで、明日は枝幸町の旅館に予約を入れて、急遽、宿泊になりました。

とうわけで、キャンプ生活に復帰するのは、木曜からになりそう。
北海道を通過する台風は、勢力も弱くなり、移動速度も跳ね上がります。

時速50キロなんて、当たり前ですから、半日もすれば晴れてしまう。
こうして、明後日の午後にキャンプ場へ戻るとして、明日はどうしよう。

そんなことを考えつつ、ゲストハウスの部屋で時間を持て余しつつ、シコシコと投稿記事をタブレットにタイプする自分なのでした。


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2016年8月15日月曜日

B級グルメは全国数あれど、北海道にはB級観光地だらけなんだぜ - 十二ヶ所の道立自然公園(北海道全域)

国内最大の人造湖は、朱鞠内湖

北海道は、でっけーどーって良く言いますけど、これは本当のことなんです。
面積で見ても、九州地方と四国地方の二つの島を足し合わせても、まだ足りない。

都道府県の自治体レベルでの比較で見てしまので、やっぱり錯覚してしまいます。
四国九州は十一県もあるし、人口比では北海道の三倍以上も、人が住んでいる。

それだけ、人が住んでいないのかが分かりますが、ならば自然は残っているだろう。
観光地になるような景勝地も多いのではと思って、自然公園を少し調べてみました。

自然公園は、国立・国定・都道府県立の三つに分かれ、国立公園が最重要です。
わが日本国の風景を代表するに値する傑出した自然の風景地という定義ですね。

次に続くのが、国定公園で国立公園に準ずる自然の風景地という、意味合いです。
一方、都道府県を代表する自然の風景地は、都道府県立自然公園になります。

風景の美しさや魅力は、順番で国立公園が一等でしょうけど、ほかも捨てがたい。
それで、国立・国定公園の数で、九州四国地方と北海道を比べてみたんですね。

① 阿寒国立公園
② 大雪山国立公園
③ 支笏洞爺国立公園
④ 知床国立公園
⑤ 利尻礼文サロベツ国立公園
⑥ 釧路湿原国立公園

⑦ 網走国定公園
⑧ 大沼国定公園
⑨ ニセコ積丹小樽海岸国定公園
⑩ 日高山脈襟裳国定公園
⑪ 暑寒別天売焼尻国定公園

北海道には、国立公園・国定公園で合計十一箇所あり、各々、良く知られています。
一方、九州四国地方は、全部で二十箇所もあり、指定数が二倍近いので驚きです。

北海道は、本州の風土と違って、寒冷な気候によって育まれた自然が基本なのだ。
孟宗竹の竹林もないし、柿もみかんも育たないし、アカマツの木も自然には生えない。

シラネアオイという高山植物も、北海道に来ると、山間地程度に咲く花になってしまう。
厳しい自然によって残された景勝地なら、大雪山とか知床が代表格で、分かりやすい。

他方、温暖な気候に恵まれた瀬戸内海、雲仙天草など、多様な風土には恵まれない。
それが指定された公園数の差につながってしまうのでは、思わせるところもあります。

このため、これらを補うかのように道立自然公園が十二ヶ所も指定を受けていました。
冒頭の朱鞠内湖も、指定を受けた一つですが、国内最大の人造湖が魅力のポイント。

① 厚岸道立自然公園
② 富良野芦別道立自然公園
③ 檜山道立自然公園
④ 恵山道立自然公園
⑤ 野付風蓮道立自然公園
⑥ 松前矢越道立自然公園
⑦ 北オホーツク道立自然公園
⑧ 道立自然公園野幌森林公園
⑨ 狩場茂津多道立自然公園
⑩ 朱鞠内道立自然公園
⑪ 天塩岳道立自然公園
⑫ 斜里岳道立自然公園

ただ、それ以外は、名前の面白いピッシリ山の登山ぐらいで、残るは釣りでしょうか。
幻のイトウをルアーで釣るとか、マイナス三十度の厳冬期にワカサギ釣りをするとか。

確かにレジャーとして楽しめても、傑出した自然の風景地というレベルでもありません。
凍てつく自然ゆえ、付近一帯は稲作もできないので、そばの栽培が盛んなのでした。

夏が来ると、そばの白い花が畑一面に

ただ、温暖な本州の気候とは異なる寒冷地の自然に、誘われる何かがあります。
それに、枯れた植物が腐らずに残った泥炭地の低層湿原こそ、寒冷地の特徴。

この湿原こそが、夏の最盛期に原野のお花畑へと変貌する風景地であり、美しい。
紹介した①、⑤、⑦の道立自然公園は、その代表的な景勝地ですが知名度は低い。

その代わり、国際的なラムサール条約により、湿地の保全活動が行われています。
釧路湿原国立公園が最も有名でしょうが、道立自然公園だって魅力はありますよ。

というわけで、ベニヤ原生花園のある北オホーツク道立自然公園へ、いざ出発です。
月曜日の飛行機に乗ったら、土曜日の最終便に搭乗して帰るまで、気ままなキャンプ旅行を続ける予定なのですが、台風も通過しそうだし、天候も不順な一週間になりそうで心配なのですが、そこは日程を変えて日帰り温泉に行ったり、道北地方のグルメを満喫してみたりと、旅を最大限に楽しんでみようではないかと、思ったりするのでした。


おまけ:
厚岸道立自然公園の湿原
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厚岸町の観光パンフ
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2016年8月12日金曜日

黒いダイヤの留萌炭田を偲んだり、環境にやさしい風力エネルギーを実感したりして - 羽幌炭鉱遺構・ユーラスエナジー苫前(北海道羽幌町・苫前町)

羽幌炭鉱第一選炭工場・貯炭場

なぜ、石炭のよく取れる地域を炭田とひとまとめにして、呼ぶんでしょうかね。
炭田は、量や質で経済価値のある石炭層が存在している地域を指します。

その地層が集まっている箇所だから、ある程度は広い地域になりますね。
炭の田んぼだから、日本人の大事な主食、米の栽培地域になぞらえたのか。

一方、石炭産業そのものが、今や、日本から閉山・消失してしまっています。
かつての繁栄が、どのようなものだったのか、今は廃墟ばかりになりました。

それでも、そんな炭鉱跡に足しげく通う好事家(マニア)が、意外におります。
巷間では、廃墟マニアと呼びますが、間違えば不法侵入になるかもしれず。

その上、採掘した石炭を運び出す炭鉱鉄道の遺構も残っていたりします。
鉄橋だったり、レール跡だったり、駅舎だったりと、廃線めぐりも兼ねています。

羽幌炭鉱鉄道橋梁跡
羽幌町のパンフレット
グーグルドライブぶはこちらから

こちらは廃鉄ですが、両方を兼ね備えたのが、炭鉱全体の施設になりましょう。
そこで、天売焼尻島のある羽幌町ですが、一帯が留萌炭田の中心地域です。

中でも、築別、羽幌、上羽幌で営業した羽幌炭鉱は、規模がかなり大きい。
煤の出ない優良炭で、年間の出炭量も、最盛期には百万トンを超えました。

人口だって炭鉱地区だけで一万人を超え、とうとう、町は三万人を越えました。
市に昇格もできたはずなのですが、最終的に羽幌町のままで至っています。

炭鉱の閉山時期を見誤ったのかもしれませんが、逆に良かったかもしれない。
歌志内市なんて、今や人口が四千人を割って、日本一小さな市になりました。

さて、実際に車を運転して行って見ましたが、きれいな連絡道路が続きます。
途中までは農家もあり人里を感じましたが、炭鉱の核心部に入ると違います。

二車線の道路が、廃墟となった建屋・遺構を巡るような印象に変わるのです。
太陽小学校や炭鉱住宅の一群は、打ち棄てられた雰囲気さえ漂って来ます。

山奥に、かつては殷賑を極めた産業地区が存在したのかと思うと、物悲しい。
行けば分かりますが、残された分厚い樹海の山野は、青々としていました。

そんな、かつて炭鉱のあった町は、天売焼尻の離島観光の起点でもあります。
なので、この廃墟めぐりも、観光プランに加えようというのが、町のPRでした。

先ず、天売焼尻をくまなく観光すると三日で、羽幌炭鉱跡は、所要一日です。
これに、お隣の苫前町まで、環境にやさしい風力発電設備まで足を伸ばす。

周辺を回るには、砂利道の運転だったよ

この発電設備は、近寄ってみれば、意外と巨大さに圧倒されてしまいます。
ブレードと呼ぶ羽根は、直径で百メーター近くあって、それがぶん回る計算。

風が吹いてブレードが回転するべ、ブーンと低くうなる音が耳障りになります。
設備の周りには農家も点在していて、夜中、騒音で眠られないのではないか。

そんな風に思ったりしましたが、圧倒されるものがあって行かずにいられない。
まあ、実感するには、論より証拠だと思って見に行くことを、お勧めしますね。

というわけで、羽幌の基幹産業だった炭鉱に、思わぬ不幸が待ち受けました。
羽幌炭鉱の炭層が大断層にぶち当たってしまい、採炭ができなくなる一方で、可採埋蔵量が二億トンと計算されている将来性に期待して、新たな炭層を探し出して採炭を続けるのか、それとも政府の補助金を受けて閉山し、従業員に退職金を渡すのか、思案した挙句に後者を選んでしまって、それが今の廃墟につながるのですが、何時か、資源価格が高騰したら、夢はもう一度とヤマは再開されるのであろうなと、夢想したりするのでした。


おまけ:
羽幌町は、オロロン鳥の里だよ
説明看板は、最低限あるのだ

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