2021年2月28日日曜日

当時、ゲレンデ上方の木々の間からカモシカが現れて、スキーを楽しむ人たちを不思議そうに眺めていたのを発見したというゲレンデ ー あさひプライムスキー場(朝日村・長野県)

平成5年3月28日滑走
      
朝日という自治体名は全国に点在しますが、ここは村に所在するゲレンデなの。
つまり、朝日村にあるので、スキー場も”あさひプライム”が命名されたんだな。

ただ、平成の大合併で消失した朝日町も多い中、この村は今でも健在なのです。
それで、山形県朝日町にもゲレンデがあって、リフト4本とそれなりに大きい。

そんな朝日つながりですが、面白いのはこちらの隣接する自治体名なのだった。
その名も山形村で、隣同士が村のまま行政が行われているのが際立っています。

まあ、UターンIターンで長野県が取り上げられますので、活力はありそうだ。
しかも、塩尻市や松本市の郊外にあるから、住宅地も広がりつつあるのは事実。

なので、松本盆地の経済圏で機能を果たしている自治体の位置づけなのですな。
従って、財政も健全だろうから、お隣と共に村のままであり続けるのでしょう。

ところで、そんな豊かな自治体の朝日村だから、美術館を所有しているのです。
まあ、スキー場も開設した上に、朝日美術館までオープンするのは余裕の極み。

滑走する前日に鑑賞させていただきましたが、当日は村内児童の作品展だった。
未だ収蔵作品が少ないのかもしれないと思いましたが、出色は館外の銅像です。

松本市内にもある
    
錫杖を突き立て、強風に向かう僧侶の立像で、播隆上人と紹介されていました。
それで、自分はこの僧を知っていて、新田次郎の小説、”槍ヶ岳開山”の主人公。

実は、彼こそは近世日本における北アルプス登山道の開拓者ともいえる人だよ。
信者が楽に登山できるように、笠ヶ岳の登山道を整備して、次は槍ヶ岳に挑戦。

これも登りやすくするために、近隣から浄財を集めて鉄鎖をつける努力をする。
実は、高所の登山では、神秘的なブロッケン現象を体験できることもあります。

これは、太陽を背にして自分の影に、光背のような光の輪が現れることなんだ。
この現象を宗教的体験に符合させて、修行の一環で登山を行うのはありえます。

ただ、この現象は天候と太陽の位置で偶然に出現するから、簡単に見られない。
なので、登山をした信者から、上人様へ不満を言い出す人が現れたという顛末。

そんな逸話を織り交ぜて新田次郎は執筆したのですが、疑問は美術館の銅像だ。
この村からは、北アルプスの眺望が望める箇所は限られており、不思議でした。

それで調べてみたら、この銅像を作成したのは、朝日出身の彫刻家・上條俊介。
なるほど、出身者の作品を美術館に設置して当たり前だし、遺族の寄贈もある。
なので、ここに置かれたのはごく当然で、スキー以外での思い出になった分け。
ゲレンデについてはパンフを見てもらうと分かりますが、リフト二本と小規模。

コースレイアウトは、スロープが真っ直ぐ上がらずに途中でL字に折れ曲がる。
つまり、緩斜面から急斜面の斜度を稼ぐために、無理して傾斜を選んだみたい。

要するに、家族連れの行楽地として安全に楽しく滑るのが、メインのゲレンデ。
というわけで、近郊都市部からは、時間もかからずに手軽に着けるのががウリ。

ただ、ここは内陸気候なので寒いといっても雪がそう降り積もるわけでもないし、その分、ゲレンデの整備にはスノーマシンでガンガン降らせて対応していますが、雪道を走行せずに気楽に駐車場まで直行できる安易さは、都市型ゲレンデのお見本だと思ってしまう自分なのでした。



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2021年2月26日金曜日

身の回りにあるほとんどの花で、赤や紫、青の花は、主にアントシアニンの色素によって作られますが、そのためには多くの酵素が必要なので、それができないと白くなるんだって ー 河津桜・源平咲き(そのほか)

     
ご近所の歩道に植えられている早咲き桜が、はや満開になって見とれました。
それで、自宅から歩いて通勤している途中のいたち川でも、咲いているのです。

ごく普通に見られるソメイヨシノとは違って、花びらがやや濃いピンク色です。
大体、二月中には満開を迎えて、普通の桜が開花する頃に散ってしまいます。

その分、澄んだ冬の青空で咲く姿は華やかで、春のぼんやりかすむ空と違うな。
濃いピンクに青の対比が美して、歩道のたった一本の木であろうが見とれます。

その種類ははっきりとは知りませんが、テレビでもよく紹介される河津桜かな。
ただ、この頃に同じくカンザクラも咲きますので、どっちなのか判然としない。

ただ、花びらの色が濃いし、河津まで桜見物をしてきた印象から河津でしょう。
それで、この桜が咲けば、梅の花も、近所のご家庭のお庭でよく咲いています。

有名な曽我の梅林も、同じ頃に”梅まつり”が開かれますが、近所でも構わない。
この辺は、まだ農地と宅地が多少混在していて、梅の実を取る梅林もあります。

そういった小規模な果樹園の花でもいいのですが、少し歩けば市民の森もある。
それは、”まさかりが淵市民の森”と言って、開放的な梅林で休憩できるのです。

   
うららかな日和に、レジャーシートでも敷いて腰を下ろせば、古木の梅がある。
花の数は少なくとも、里山の丘陵に風が吹けば、花びらがはらはらと散ります。

それが風情でして、季節を外さなければ楽しめるので今年も出かけてみました。
昔は、梅林も密集していましたが、病害があったのか伐採されてしまいました。

このため、少し疎らになったのは残念ですが、梅はウイルスに感染するのです。
ウメ輪紋ウイルス(PPV)と言って、青梅の有名な梅林は全滅してしまった。

このため、植樹をして再開まで三年も要したんだけど、今年はイベントが中止。
コロナ禍で各地の梅林はイベントを自粛してしまって、近場の鑑賞が無難かな。

まあ、まさかりが淵は無名でイベントすらありませんので、のんびりしました。
それで、道すがら、同じ梅の木でも赤と白の花が咲くのを見たんだけど不思議。

      
この咲き方は、平安時代の源平合戦に因んで「源平咲き」というのだそうです。
なんでも、源氏が白い旗を、平氏が赤い旗で戦ったという故事を踏まえている。

もともとは赤い梅の木だそうで、色素ができなくなって白くなるのが理由です。
桃や椿、ツツジなどにも見られるそうですが、桜に源平咲きは見られないんだ。

だって、桜には元来濃い赤い花がないから、白く咲いても区別になりませんな。
というわけで、桜は濃い色が咲くとしても、せいぜい、ピンク色の河津桜です。

だから、色素ができなくなって白っぽく咲いても、全体が同じ色で咲いているような印象があるわけですが、そういえば、ツツジが咲くとピンクの中に混じって白い花が咲いていたりするのは、こういうことだったのかと新たな蘊蓄が増えたことに喜んだ自分がいるのでした。



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2021年2月24日水曜日

どうしても、松本清張の推理小説「砂の器」の犯人、和賀英良を連想して思い出してしまうんだ ー アイピラスキー場・志賀来スキー場(西和賀町・岩手県)

平成6年1月1日滑走かな?

どうも、平成の大合併で町が統合してしまうと、昔の名前が懐かしくなります。
このアイピラスキー場は湯田町にありましたが、合併で西和賀町になりました。

もっとも、スキー場は合併前の平成12年に廃止されたので、湯田町だったのか。
何れにしても、趨勢的にスキー客の減少傾向が続く中で、いち早い撤退でした。

それで、ゲレンデは、土畑鉱山の閉山による従業員対策で開発された感じです。
最盛時、山の谷間には千五百人もの人が住んでいたようで賑わっていたらしい。

明治の頃、銅鉱床の上部が露頭になっていたのが発見されて、採掘がスタート。
以来、昭和51年の閉山まで町の経済を担いましたが、資源が豊富な場所柄だよ。

だって、湯田町には三十ほどの鉱山があったと言われていて、それが総て閉山。
海外から露天掘りなどで低コストの原料が輸入されては、太刀打ちできません。

クリックでPDF閲覧

こうして、町は活気を失ったのですが、活路は観光開発でスキー場もその一つ。
湯田温泉峡として温泉宿も多くありましたし、錦秋湖で有名な湯田ダムもある。

なので、温泉場のゲレンデとして存在していたのは事実ですが、リフト一本だ。
きつくない一枚バーンだけで、他には小規模なポーラーリフトがあるだけです。

まあ、家族向けにこじんまりな設備でしたが、近隣に大きなゲレンデができた。
隣町の和賀町(当時)が三セク開発を仕組んで、平成五年に華々しくオープン。

それがきっかけだったのかは知りませんが、程なくして閉鎖することになった。
そんなゲレンデを、記念と思って滑りつつ残したのが、この回数券なのでした。

実は、東隣は和賀町だったのですが、北上市へ編入して無くなってしまったの。
この和賀という地名は、戦国大名の和賀氏から来ており由緒ある名前なんだな。

なので、先頭に西が付いているとはいえ、自治体に和賀の名が残って良かった。
一方、もう一つの合併した自治体が沢内村で、ここは志賀来スキー場なのです。

      
シュレップリフトが一本だけで、観光目的というより自治体のスポーツ施設だ。
滑った当時はスキーハウスもなく、回数券が五回分で150円と懐にやさしい。

そんなに滑走距離のあるバーンではなかったけれど、それなりに楽しみました。
というわけで、湯田地区のJR駅名が、”ほっとゆだ”って観光に傾斜しすぎだろ。

まあ、ダムオタクなんかには、ここの湯田ダムのライトアップ放流が有名で、宿泊者限定見学もあるとかで、しかも錦秋湖というぐらいですから紅葉の時期にはたくさんのお客さんが詰めかけますので、アイピラという冬季限定の観光資源が消滅したとしても、あの手この手で観光に活路を見出すのであろうなと、思ったのでした。



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2021年2月22日月曜日

ここまで遠征したら、そりゃ蔵王というのが当たり前だろうが、こういう地元密着のリフト一本も見逃す分けにはいかないぜ ー 手ノ子スキー場・小野川温泉スキー場(山形県飯豊町・米沢市)

     
日本百名山の秀峰、”飯豊山”が、この町にあるのかと思っていたら違いました。
実は、山頂は隣町の小国町に位置だったのですが、飯豊町も登山口はあります。

それが大日杉で、いかに古来より山岳信仰で崇められていたかを示す名山です。
それで、自分が登頂した時は、首都圏から近い福島県側の登山口を選びました。

磐越西線の山都駅からタクシーで川入野営場まで乗りつけて、切合小屋で幕営。
翌日の早朝に登頂して下山するという一泊二日の行程でしたが、貧乏登山だな。

前夜、会津若松駅前に寝袋の野宿で、翌朝の始発列車に乗込んだのが懐かしい。
それで、この手ノ子スキー場は、米沢盆地の飯豊町市街にあるゲレンデなんだ。

同名のJR駅や小学校もあるというロケーションで、地元のスポーツ施設みたい。
近隣住民は知っているだろうが、わざわざ都会から滑りに来る人もいないはず。

非常に地味で、近くを通る国道113号線で車を走らせても通り過ぎるでしょう。
なのに、当時雪道でゆっくり走らせたら、スキー場の短冊標識を発見しました。

     
手ノ子駅に入る四つ辻に立っていたと覚えていて、かなり小さかったはずです。
それで、現在をグーグルストリートビューで見ましたが、変わり果てていたな。

以前は、国道に歩道がないくらいに、密集して古い木造家屋が立ち並んでいた。
それが、家はかなり取り壊されて、歩道を確保してまばらに家が建っています。

なんだか、すっきりしてしまったなと思いつつ、今現在は標識が見当たらない。
まあ、そんなものなくても、カーナビで教えてもらえたりしますから便利です。

なので、後はこのゲレンデに遠方から滑りに行くべきかというとちょっと疑問。
でも、天元台とか、近辺のボーダーメッカ、横根のゲレンデに寄り道できます。

つまり、サブゲレンデとして立ち寄ってみても、なかなか面白いと思いますね。
それは、今はかなり少なくなったJバーという索道が設置されているからだよ。

一般的にはテレスキー、シュレップリフト等と称されるのも、搬器の形状次第。
Tバーリフト、Jバーリフトのように呼ばれて、ロープに巻取り機構があるの。

だから、人が乗らないとロープが巻き取られて、人が乗るとビョーンと伸びる。
斜面に凹凸があると、バネの強さでロープが伸び縮みして、これが面白いんだ。

それで、三角コーンの搬器を股に挟むタイプ、腰に当てるバーの形態もあるな。
この手ノ子では、三角コーンでしたが、リフト券に一回券の販売がありません。

       
要するに、回数券と一日券のみの販売で、地元の人はリピートするからだろう。
そんな地元密着のゲレンデですが、他方、温泉場につきもののゲレンデもある。

ここ置賜地方の米沢市にある小野川温泉スキー場ですが、こちらはペアリフト。
一本だけとこじんまりしたゲレンデなんだけど、NPO法人が何とか経営中だ。

米沢市が運営から手を引いてしまったのも、近隣に大きなゲレンデがあるから。
米沢スキー場、天元台とかあるとなると、小さなゲレンデは不利なのも事実ね。

これに比べて手の子は、小学校のそばにあって、学校帰りに滑られるからなあ。
というわけで、ちびっ子達の冬季スポーツを支援するゲレンデは生き永らえる。

そんなことを感じたのも、雪国の地方自治体にあるゲレンデには、地元の小中生向けに設けられた小規模なスロープが多くて管理しやすく、お金の採算という発想よりも、児童教育の一環に加えて地域住民のレクリエーションを重きを置いた施設の運営ですから、閉鎖など考えずに地元に貢献してもらいたいと思うのでした。



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