2015年6月14日日曜日

北海道の尾瀬と呼ばれる高層湿原は、本家に負けていない - 雨竜沼湿原(北海道)

湿原と暑寒別岳

静かな湿原巡りをしたいのであれば、この雨竜沼が一押しです。
尾瀬に比較すれば、訪問者は、本当に圧倒的に少ないのでした。

七月末の夏休み、上さんと一緒に訪れた時、数組の登山客ぐらいでした。
人気がまばらなので、ヒグマが頻繁に出没するため、警戒情報がでます。

ベースキャンプの雨竜沼湿原ゲートパークに戻ると、レンジャーがおります。
どんな登山客が登ったのか、ヒグマに襲われていないか、訪ねられたのです。

それほど、静寂に包まれていますが、これが高層湿原の本来だと思いました。
もっとも、湿原からは高山植物の美しい暑寒別岳まで登り詰められるのです。

一組の夫婦が戻っていないようでしたが、山頂を目指したと思われました。
ここは雪が豊富なため、山開きは、例年六月中下旬まで待たねばならない。

そして、無数の花々が咲きそろうのは、八月上旬までの短い夏の間だけです。
十月にもなれば閉鎖されてしまい、それ以降は下界とのつながりを断ちます。

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万年雪を抱いた暑寒別の山々も雄大で、多くの登山者を魅了しております。
ゆえに、”北海道の尾瀬”とも称されますが、あまり知られておりません。

麓の雨竜町市街からは、バスのような公共交通もなくアクセスが不便です。
一方、本家の尾瀬では、麓の駐車場から連絡バスが頻繁に出ています。

ついこの間、人生で始めて尾瀬を訪れましたが、この雨竜沼を思い出しました。
尾瀬は、休日ともなれば、観光客で芋洗い状態ですが、あちらは全く違う。

湿原の木道も朽ちたままに、手入れもなされず、自然のままに残されています。
そして、ヒグマに襲われる恐怖も感じますが、尾瀬のツキノワグマはかわいい。

襲われてもケガ程度でしょうが、ヒグマは遭遇すれば、死を意識せざるを得ない。
尾瀬では、熊よけ鈴を鳴らすハイカーを見かけて、思わず微笑んでしまいました。

何の花なのか分からない

自然の厳しさから見れば、尾瀬は依然として人に対して寛容かもしれない。
他方、手つかずの荒削りな雨竜湿原は、北海道の気候の厳しさによるのか。

学術的にも貴重な湿原なので、北海道の天然記念物にも指定されました。
暑寒別天売焼尻国定公園でもあるし、ラムサール条約にも登録されています。

ただ、湿原の規模を尾瀬と比べますと、雨竜湿原は十分の一以下です。
規模だけで比較するのもどうかと思いますが、尾瀬に秘境の印象はありません。

行楽客の人も多かったし、山小屋も散在していて、郵便ポストもありました。
一方、携帯の電波は届いておらず、未だに連絡を無線通信に頼っています。

そして、食料はボッカの人が担いで運んでいて、湿原の桟道ですれ違いました。
不便さは今も昔と変わらないようですが、とにかく湿原でも人里なのです。

一方、雨竜湿原はクマやシカのすみかのまま、日中、ひっそりと人が訪れます。
澄み切った北海道の青空と、湿原のコントラストは、いうまでもなく美しい。

と言うわけで、尾瀬もすばらしい湿原でしたが、ここは雨竜沼をお勧めしたい。
尾瀬では、西日本の関西弁っぽいイントネーションでしゃべる観光客をよく見かけましたが、ここまで来れるのがせいぜいだろうな感じもしていて、東京周辺とか東日本に暮らしている人であれば、ぜひ、北海道まで足をのばして高層湿原のすばらしさを堪能してもらいたいとも思うのでした。

雨竜湿原の花の見頃 (年によっては若干異なります。)
六月 ミズバショウ・ショジョウバカマ・エゾノリュウキンカ・チングルマ
七月 エゾカンゾウ・ヒオウギアヤメ・ハクサンチドリ・ワタスゲ
八月 タチギボウシ・オゼコウホネ・エゾノヒツジグサ・ミヤマアキノキリンソウ
九月 エゾオヤマリンドウ


おまけ:
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