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| 六花の森の丘 |
村自体が”花と緑とアートの村”と称していますが、美術館が多いのは事実です。
菓子舗の六花亭が運営する施設が二か所あり、甘党と美術ファンには堪らない。
先ず、”六花の森”は、会社の工場と坂本直行記念館のある自然豊かな庭園です。
園内を散策しつつ、その包装用紙をデザインした坂本氏の作品も鑑賞できます。
北の大地の山野草をちりばめた包装紙は、採用されて半世紀以上になりました。
素朴ながら華やかな花々は、六花亭の菓子に通じるものがあるとされているな。
原画を見るとさりげなく描いていても、対象をいとおしく扱っている気がする。
可憐な植物たちにも、ひと夏を精一杯生きている姿を切り取った花々の絵です。
この方は、学校で登山部に所属していたので日高山脈のそばで生活をしました。
北海道大学を卒業したのに、開拓農家となりつつ、好きな絵を描いて生活する。
当時の北海道では大卒のインテリが少なかったので、職には困らなかったはず。
それでも、農耕をして好きな山塊を描いて生きるという苦労を選んだ趣味人だ。
後年、札幌にアトリエを移しましたが、終生、生粋の十勝に生きた人だったな。
思うに、六花亭は、十勝で活動する芸術家のパトロン役を担っている企業です。
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| 六花亭、包装神 |
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| 代表作、天と地と |
次に、この六花の森で森林浴を十分に楽しんだ後は、車で十分ほど移動します。
”アートヴィレッジ 中札内美術村”は、複数の小さな美術館が森の中にあります。
ここは柏の樹の森を散策しながら、鑑賞する美術館を訪ね歩くという趣向です。
自分には、相原求一朗が描いた北海道の山々の絵画を鑑賞するのが目的でした。
冬の鈍色の曇った景色に、雪を頂く鋭く険しい山塊を描いた作品は素晴らしい。
NHKのEテレ、日曜美術館で紹介した作品があり、実際に鑑賞して大満足です。
ただ、暗めな色調の絵が多く、残雪の明るい夏山は描かなかったと思いました。
画家は、中国満州で従軍経験をして、厳しい自然に感銘を受けたからでしょう。
そういった大地の自然を描く上で、北海道が日本で最も適していたいうことか。
というわけで、六花亭のメセナ活動の成果を、十分満足に堪能した一日でした。
実はこの先の忠類にも、”加藤八郎記念庭園美術館”という小さな美術館もあったのですが、帰宅してからこのブログを書いている途中で発見して、あの日は時間的に訪れる余裕もあったはずで、よく調べておくべきだったなと今になって後悔する自分がいるのでした。



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