2015年10月6日火曜日

はるかな奈良時代の万葉集に登場しているほど、いにしえの呼び名だそうです - 安達太良山・あだたら高原スキー場(福島県)


シルバーウイークの中日に、福島県の名峰、安達太良山に登ってみました。
この山は、深田久弥の日本百名山の一つですが、標高はさほどありません。

海抜千七百メーターと、東北の中では、比較的高度のある山塊でしょうか。
そして、この山が人々に知れわたっているのは、智恵子抄があるからです。

この作品は、詩人高村光太郎が、妻千恵子の死を看取った後に発表しました。
あどけない話”という詩の中では、この山が象徴的に登場するのが印象深い。

そのせいか、文学好きなら、実際に見たことはなくても、山の名を知っています。
一方、登山家も、百名山ゆえ、山頂を目指したくなるのは、当然だと思います。

この登山口ですが、普通は山麓のあだたら高原スキー場から出発しますな。
しかも、あだたらエクスプレスという観光ゴンドラがあって、ショートカットもできます。

標高差で四百メーターを一挙に運んでくれますので、一時間半の節約でした
ただ、運行が八時半からと少し遅いので、早めに登頂したい時は帰りにどうぞ。

それで、自分の場合、少し遅めにスキー場に到着したので、はじめにしました。
三十分前から並んだのですが、既に先客が三十人以上も列を作っております。

運行が始まった頃には、後ろに百人以上の乗客が列を成していて驚きました。
やっぱり、人気の山だなと感じつつ、先ずはゴンドラの空中散歩を楽しみました。

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ところで、このゴンドラは、昔は、冬場もスキー場の索道として運行していました。
それが三年前からは、スキーシーズンの運行を取りやめてしまっているのです。

どうも、稼働率が低いので、お客様に迷惑を掛けたくないからのが理由らしい。
冬季は30%台になって、三日に一日しか運行できないという驚きの低さです。

これはどうしてかというと、施設された索道の方角が原因だからと思うのです。
なぜなら、山麓駅から山頂駅まで東から西に設営されているのが、ネックです。

冬場ですと、北あるいは北西の方角から強い風が吹き込みやすくなります。
まともに索道に風が当たりやすいので、ゴンドラは風で揺さぶられてしまうのだ。

自分の経験では、このような時、ゴンドラにバランスウエイトを乗せていました。
自重を重たくすれば、風の動揺を抑えられますが、それにも限界があります。

まあ、TV番組の天気予報で、西高東低の冬型の気圧配置とか説明します。
よく聞く言葉ですが、西に高気圧が張り出し、東側に低気圧のある状態です。

こんな時、勢いよく北から冷たい寒気が流れ込み、日本海側は雪になります。
こうなると、スキー場にとっては神の恵みで積雪があるのですが、風も強い。

このスキー場だって雪は恋しいのに違いありませんが、風だけはいただけない。
だって、強い風が吹きすさんで、ゴンドラが運転できなくなってしまいますから。

ゴンドラ待ちの登山客

まあ、どっちを取れといわれれば、経営から見れば、もちろん積雪も欲しい。
だって、ゲレンデ整備に、金掛けてスノーマシンを動かす必要もなくなります。

一方、このゲレンデは、地理的には太平洋に向かった東側の斜面にあります。
地理的には、会津地方より雪が少なくなりますので、雪は待ち遠しいのです。

となれば、強い冬型の気圧配置で北風が吹いて吹雪になった方がいいのか。
それに、頂上駅から降り口のゲレンデが、中級コースで初心者には手厳しい。

全体のレイアウトがファミリー向けなのに、頂上から降りられないのは変ですね。
勢いで山頂まで上がっても、尻込みするようなら運転しないほうが適当でしょう。

というわけで、観光ゴンドラの運転だけで、十分に使命を果たしている感じです。
もともと、山麓には千年以上の歴史を持つ岳温泉が控えておりまして、温泉保養地として十分な観光価値がある分けですから、たかがスキーぐらいで冬場にあえて無理して運行する必要もないのだろうなと、思うのでした。


おまけ:
すばらしい秋空でした
活火山だと納得の噴火口
自然遊歩道の滝めぐりも美しい


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2015年10月3日土曜日

シルバーウイークだからって、中年夫婦の旅行になった分けじゃないけど- 安達太良山・日山登山(福島県)


シルバーウイークは、あいにくの天候不順になりそうだったのが、急転しました。
天気予報を見ていると、雨模様の予想から転じて、晴れの日が続くのです。

こうなると、いてもたってもいられなくなり、登山旅行に出発してしまいました。
どこにしようか迷いましたが、登りたかった福島の安達太良山を選びました。

どこか、JRの普通列車で近くまで鉄道旅を楽しんだら、レンタカーに乗ろう。
こうして、手ごろな車の空きを探しますが、新幹線沿いでは見つかりません。

ところが、宇都宮とか郡山には車がなくて、どういうわけか福島のたいらです。
しかも、一番安い軽自動車に空きがあり、早速予約をかけてしまいました。

思うのですが、まだ原発の風評被害があったり、在来線駅だからでしょうか。
近くに小名浜の工業地帯もありますし、それなりに需要はあると思うのです。

しかも、磐越自動車道に入って、目的地へたどり着くのが意外に簡単です。
普通列車の旅で五時間ほどですから、疲れないうちに車にスイッチできます。

こうして、二泊三日のキャンプ旅行にして、初日はただの物見遊山でした。
実を言いますと、高速道沿いの小野町には、リカちゃんキャッスルがあります。
  
リカちゃんの着ぐるみ
初代リカちゃんの展示
 
【リカちゃんキャッスル】は‘リカちゃん25周年記念’の日にあたる1993年5月3日に、日本初の人形の一貫生産オープンファクトリーとして福島県小野町に開設しました。

ホームページの説明ですが、冒頭の写真がまさに、この西洋風のお城です。
この施設では、リカチャンのミュージアムに、人形工場が一体化しております。

実は、訪ねたかったのには分けがありまして、それは上さんの思い出なのです。
何でも、実家には初代のリカチャンが、まだ残してあると聞かされておりました。

女の子だったら、誰でも知っている着せ替え人形のリカちゃんを持っていたのだ。
話によれば、お父さんが、当時、日本への海外出張で買い求めてきたらしい。

それだけ大切なおもちゃだったらしいのですが、こうなると絶対に訪ねたくなる。
山登りも楽しみですが、初日にはちょっとしたオプションで楽しむとしましょうか。

ゴージャスなプレミアム・リカちゃん

こうして、お城見学を楽しんだら、次は全国的に有名な鍾乳洞に移動です。
その名も”あぶくま洞”といいますが、ここは二十年ぶりの再訪になりました。

上さんは初めてですが、自分は高校時代の先輩と、一度、見学しています。
先輩は、月山スキー場の投稿でも触れましたが、既にこの世にはおりません。

もう一度会っておきたかったと思いましたが、せめてこの再訪で慰めましょうか。
思い出も多いのですが、以前より設備全体が拡充され、立派になりました。

しかも、昔と違って、カラフルなLED照明が鍾乳洞の美しさを際ださせます。
あの頃は、蛍光灯とか白熱電球の照明しかなくて、洞窟の中がみすぼらしい。

  
 

石灰石の柱があるなー程度だったのに、照明ひとつでこんなに変わるとは。
改めて、この鍾乳洞のすばらしさを再確認させていただいて、大満足でした。

というわけで、この後、日山キャンプ場までやっとこさたどり着いて、幕営することになったのですが、明日は登山で早起きなのに、BBQ宴会でやかましいキャンパー達の安眠妨害には閉口してしまった、旅行初日になったのでした。



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2015年9月30日水曜日

東北山行で幕営したキャンプサイトは、どこもおすすめなんだな - 秋田・青森県のキャンプ場・立ち寄り温泉施設

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秋田駒ケ岳に登った日は、田沢湖畔にあるキャンプ場で幕営しました。
ここは、湖畔の周囲にあるキャンプ場の中では、お財布にやさしいのです。

そのせいか、かなりにぎわっていて、夜中までうるさくて眠れませんでした。
お盆の夏休みですから、当然といえば当然でしょうが、少しがっかりです。

でも、キャンプ場の施設としては、かなり整っていますのでお勧めです。
それで、秋田駒ケ岳の登山ベースには、日帰り温泉施設もありました。

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このアルパこまくさの温泉ですが、成分が箱根の強羅温泉に似ています。
お湯の中には、細かいチリのような湯の花が舞って、硫黄のにおいでした。

先に、テントを設営してから、改めて戻って一風呂浴びても気持ちが良い。
休憩室には、牛乳の自動販売機も置かれていて、つい飲んでしまいます。

牛乳一瓶が百三十円なのには、少し驚きましたが、背に腹はかえられない。
銭湯でフルーツ牛乳を飲むのが好きだったと、つい子供の頃を思い出しました。

そんなわけで、初日のキャンプは大正解でしたが、二日目は少し遠くなりました。
森吉山を登山してから、北麓の山奥にある「親子キャンプ場」を目指します。

このキャンプ場は、知る人ぞ知る場所で、なぜ有料にしないのか不思議です。
それだけ施設が充実しているのですが、アクセスが悪すぎるのが原因かもしれない。

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道中にある温泉宿の森吉山荘から、山道に入って三十分近くもかかります。
道路も舗装とはいえ、1.5車線の道幅しかなくて、対面通行も厳しいのです。

しかも、崖側の路側が崩落して、バリケードで囲われた路面もありました。
かなり、アクセスには難ありの場所みたいですが、ネットでは高い評価です。

ツーリストのための辛口キャンプ場ガイド」では、四星の評価を受けています。
なので、キャンプ場へ行く前に、この山荘で立ち寄り湯を楽しんでおきたい。

一応、露天風呂もありますが、アブが飛んできて刺されそうになるのがいやです。
虫嫌いな人は、おとなしく内風呂に入るのをお勧めしておきましょうか。

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三日目は、岩木山の麓にある嶽温泉のスポーツセンターでキャンプしました。
面白いのは、この入浴施設が入り放題で、嶽温泉の湯が引かれています。

ただ、宿泊者のいないときは、管理人が六時ころ帰るので、夕方までです。
我々が幕営した時も、合宿者がいなかったために、五時までになりました。

キャンプ場は、広々としてすばらしい施設で、有料ですが見合います。
アクセスも悪くないし、ビギナー向きのキャンプ場じゃないでしょうか。

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ところで、岩木山は八合目まで観光有料道路が使えるので、お気楽登山です。
通行料が千八百円と張りますが、ロープウェイに乗ったようなものですね。

そして、終点からは、さらに九合目までリフトに乗れますので、手抜き登山です。
それでも、最後の一合目分だけは、岩場の急登になりますので、注意して下さい。

できれば登山靴を履いて登れば、足をくじくおそれもありませんから、安心でしょう。
次に、最終日の八甲田山に登った後は、無理をして十和田湖まで走りました。

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本当は、近くの酸ヶ湯キャンプ場が四つ星評価なので、泊まるつもりだったのです。
でも、翌日に仙台まで戻りたくて、もう少し運転して距離を稼ぐことにしました。

その結果、十和田湖生出キャンプ場で一泊したのですが、大正解でした。
この周辺のキャンプサイトでは、十和田市側の施設が知られていますが混雑します。

一方、この生出(おいで)サイトは、知名度がいまいちらしく、意外に空いていました。
一つ一つ区画が区切られて、隣とは迷惑にならないように距離も適度にあります。

女子会キャンプを楽しむ三人組もいたし、ワンコを連れていたファミリーもいました。
ただ、出発の翌日は土砂降りの雨模様になって、撤収が大変だったのは残念です。

まあ、施設の問題ではありませんが、晴れてくれれば、いい思い出になったはず。
というわけで、これまで紹介した施設は、あなたがアウトドアキャンプをする人で、もしその方面へこれから旅行を計画しているのであれば、これから待望の紅葉シーズンもやってくることですし、絶対に利用することをお勧めしたいと思うのでした。



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2015年9月27日日曜日

標高千四百メーターに住む蛙だとしても、日本最高地点ではなかった - 八甲田山(青森県)

ロープウェイ乗車券(二十年前(右)にほぼ同じ)

八甲田山ロープウェイに乗って、すこし楽をしながら日帰り縦走をしました。
赤倉岳へ先ず登り、噴火口の稜線を歩いて、最高地点の大岳に達します。

そこから降り出して、仙人岱の湿原を経て、酸ヶ湯温泉のバス停で終えました。
休憩を取りながら、上さんの写真撮影に付き合いますが、時間が気がかりです。

ロープウェの始発に乗り損ねて二便目で上がったので、時間的なロスも出ました。
車のある山麓駅に戻りますが、午後三時ごろのバスを逃せば、二時間待ちです。

これは、何としても間に合わせようと、山頂からの下山が足早になってしまいました。
それでも、所々は景色のすばらしい場所もあり、思わず足を止めずに入られません。

それで、大岳山頂から下りだして、直下の南面にある、小ぶりな鏡沼に出会いました。
説明板によると、モリアオガエルの繁殖地だと説明があり、トンボが飛び交っています。

沼というよりは池に近い感じでしかなく、周囲は二三百メーターあるかないかでしょう。
標高にして千四百メーターと高山ですが、ここで蛙さんは冬眠で越冬するのでした。
 
 
冬の八甲田山は厳しくて、ひょっとして、十月に入れば冬眠してしまうかもしれません。
そして、残雪も融けて、池に水が満面とたたえる、翌年の五月末に起き出すのか。

一年の半分以上をほとんど動かずにじっと暮らし続けるというより、寝たままなのだ。
なんとも、厳しい自然環境の制約ゆえに、半生を土の中で終えるという物凄さです

ただ、帰宅して調べてみたら、ここは日本最高標高の繁殖地ではありませんでした。
なんと、上には上があって、群馬県芳ヶ平湿原は、標高千八百メーターの高所です。

緯度的には北緯37度で、八甲田山の北緯41度に比べると、かなり南下しています。
このため、標高四百メーター分だけ高度を高めても、蛙さんは暮らせるというのか。

一方、この芳ヶ平らは、この間、高層湿原としてラムサール条約にも登録されました。
どちらも暮らし向きの厳しさには変わりませんが、豊かな自然が未だ残されています。

そんなモリアオガエルの生息地も、ロープウェイがあるからこそできた山行でした。
この八甲田ロープウェイは、距離2.4キロ、標高差六百五十メーターを稼ぎます。
 
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これを徒歩にしたら、どれぐらい時間がかかるのでしょうか、よく分かりませんでした。
なぜなら、登山地図を見ても、出発の起点がどれも山頂駅からとなっているのです。

ここは国立公園内だし、自然保護の観点から、登山道は未開削なのかもしれない。
まあ、ロープウェイの空中散歩を楽しんでから、山行に挑戦したほうがいいのです。

それから、観光パンフでは、索道の両側にスキーの滑走コースが、記されています。
でも、ロープウェイから下を見下ろしても、整備されたゲレンデが見当たりません。

それで、グーグルマップを見たところ、ペアリフト付近ではコースが確認できました。
そして、そこの上部から刈り払われたような、幅の狭い筋もあるにはありました。

というわけで、このような細いコースでは、ロープウェイの乗車中に見出すのは困難なようにも思われ、ゲレンデというよりは、山岳スキーの趣きを十二分に残したスキー場だというのは事実でしょうから、シーズン中は迷わないように、赤い帯の指導標に従った方が無難なんだと思うのでした。


おまけ:
森が深くて、コースが分かりません
山麓駅そばの湿原だけでも楽しめます
噴火口に沿う稜線、縦走の醍醐味



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