プネの鋳物工場にて、日系企業と技術提携。 |
ここ三年間、インドはムンバイ近郊にある工場を回ってきました。
ホテルから片道を三四時間かけて、日帰りの、ハードな旅です。
工場はナシックとプネの都市に集中しており、気候も穏やかです。
標高で約六百メーターの山間地で、ムンバイより涼しくなります。
確かにムンバイという大都市は、高温多湿で雨季が非常に長い。
四ヶ月にもおよぶ期間、土砂降りの雨が連日、降り注ぐのです。
今年は、四日間で降雨量が1400ミリにたっしたとありました。
他方、乾季に入れば雨季に突入するまで、雨は全く降りません。
これだけ、メリハリのある気候は、正直言って面食らいました。
一方、雨の振り方は、プネ、ナシックはムンバイより穏やかです。
熱間鍛造装置、アイダ鉄工の装置が欲しいらしい |
高原地帯なので、比べれば涼しいので、工場が集まるわけです。
特に、鋳物、ダイキャスト、鍛造の製品は、大きな廃熱が出ます。
気候が穏やかなら、従業員も働きやすく環境で有利かもしれない。
しかも、商都ムンバイは、貿易港でもあり、輸出が容易になります。
こうして、ムンバイ周辺は、色々な産業機器の工場がありました。
ただ、日系関連の工場は、見つけるのがむずかしいという実態です。
われわれは、組み立てによる最終製品の生産を目標としています。
このため、パーツの下請け業者を探すのですが、これがむずかしい。
まず、鍛造製品は熱間鍛造が主流で、冷間方式はまだありません。
ダイキャストも、スクイーズという溶接の可能な工法も見当たりません。
型管理など、5Sの取り組みは進んでいる感じ |
まだマシなのは射出成型メーカーで、そこそこのレベルでしょうか。
機械加工品も、ある程度の精度までなら、任せても大丈夫でしょう。
でも、日本からの設計図どおりに作らせるのは、冒険かもしません。
生産図面の日本語標記や、JIS規格も英語に訳さねばなりません。
しかも、JIS規格の公差が、インドの工業規格で適用できるのか。
素材も、ある程度の互換性はありそうですが、どこまで許容するのか。
他方、金型作成には、いきなり三次元キャドのデータを要求されます。
多分、二次元の図面を読み込んで製作する経験がない感じもします。
というわけで、インドは、生産・製造で機械化・自動化の恩恵を受けており、技術や品質管理面で、欧米先進国へキャッチアップが急速に進んでいるような気がしたのですが、部品の供給基地としては中国・アセアンより遠方で運輸コストもかさむため、製造拠点としては、インド国内か中東アフリカ市場向けが適切なのだろうとも、思ったのでした。
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