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この碑文に、日本初の「自転車による世界一周冒険旅行者」と書かれています。
二十世紀に入って間もない明治35年、主人公の中村春吉は、中国へ渡航しました。
それから、東南アジア、インド、中近東、ヨーロッパ、アメリカ各地を一年で回りました。
正にサイクリストの元祖とでもいうべき日本人で、瀬戸内海の豊島生まれなのです。
広島県の七つの島々が連なる風光明媚な土地柄ですが、石碑がその島にあります。
御手洗の町内にある天満宮に建立されていますが、なかなか面白い石碑ですね。
この町自体は、江戸時代に賑わいましたけど、今は時代に取り残されたようです。
そして、御手洗(みたらい)の地名は、平安時代の菅原道真から由来しているとか。
なんでも、大宰府へ左遷される船旅の途中、道真は港に立ち寄り、用を足しました。
そのとき、貴人がお手を洗ったので、この地名になったと説明が書いてあります。
読みは珍しい苗字として知っていましたが、春吉さん本人は別の分野で活躍します。
それは、気功法にでもなぞらえるべき「霊道法ノ祖」として、大家をなしたのでした。
今で言うなら、野口晴哉の整体運動の元祖的な人物だったようにも、思われます。
この他、世界各地を放浪した経験を活かして、軍事密偵(スパイ)をしていたとか。
いろいろな逸話が残された御仁ですが、それにしても、この七つの島々は美しい。
島を結ぶ橋を渡りながらドライブをすると、多くのサイクリスト達にも出会いました。
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ところで、掛けられた橋ですが、一番狭いところで距離が百メーター弱しかありません。
一番長いのは、本州を結ぶ有料の架橋ですが、それでも一キロちょっとなのです。
このため、狭い海峡のような印象で、干満で潮の流れが変わるのが分かります。
非常に早い海流で、まるで川の流れのような感じで、さすが瀬戸内海と思いました。
ところで、この島々を伝って御手洗の町屋に至りますが、出かけた理由は簡単です。
だって、落語家の笑福亭鶴瓶が、「家族に乾杯」というTV番組で訪ねていたから。
この時のお相手は、俳優の柄本明さんですが、映画のロケでも訪ねていたみたい。
御手洗にある乙女座という劇場も訪ねますが、自分もそっくりに後を追いました。
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というわけで、自分にとっての瀬戸内海の旅行は、楽しい思い出になりました。
かたや、本土側の広島から島根県へ北上すると、バッチリ、スキー場もあります。
温暖な瀬戸内の気候に感銘を受けつつ、ウインタースポーツも楽しめるという広島県の地理的な豊かさに、うらやましくも思ったりしましたが、道産子の自分としては、夏の蒸し暑い瀬戸のベタ凪(なぎ)だけは耐えられないかもしれないと、思うのでした。
おまけ:
① 中村春吉年表
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② 橋の情報
1号橋 安芸灘大橋 本州 - 下蒲刈島 (有料) 1175m
2号橋 蒲刈大橋 下蒲刈島 - 上蒲刈島 480m
3号橋 豊島大橋 上蒲刈島 - 豊島 903m
4号橋 豊浜大橋 豊島 - 大崎下島 543m
5号橋 平羅橋 大崎下島 - 平羅島 98.5m
6号橋 中の瀬戸大橋 平羅島 - 中ノ島 251m
7号橋 岡村大橋 中ノ島 - 岡村島 228m
8号橋 (未定) 岡村島 - 大崎上島
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