尾道の浄土寺では、今年五月一日、秘仏のご開帳がありました。
平安時代の中期作になる十一面観音菩薩で、稚児さんの行列がかわいい。
国指定の重要文化財ですが、後ろに見える多宝塔は国宝なのでした。
文化財のありすぎる寺院でして、開帳でも仏様がかすんでしまうのです。
そして、尾道って言う風光明媚な町にあるせいか、仏様は二の次でした。
何しろ、この町のお寺の数は、二十五もあり、訪ね歩くだけでもうれしい。
町の東端にあるのが、この浄土寺で、ここから寺めぐりを歩き始めました。
上さんと一緒に、晴れ渡る五月の青空の中、坂を上ったり下ったりします。
坂の町とも言われるだけ、多いなと感じつつ、裏路地の多さも驚きでした。
迷路みたいな中を歩けば、分けの分からぬうちにお寺にたどり着くのです。
こうして迷子になったかのように歩き回るうちに、昼時になってしまいました。
お腹も空いて、ここは尾道ラーメンでもと思い立ち、商店街へ方向転換です。
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これは無理だと思って諦め、アーケードの古めかしい商店街をうろつきます。
でも、ラーメン屋さんが一軒も見当たらず、お腹だけは空いて来るわけです。
どこかで腹ごしらえはしたくなるものでして、改めて、国道二号線へ出ました。
でも、そこら辺りにも食堂らしきものはなさそうで、あきらめかけて来ました。
なので、山陽本線の線路を渡り、千光寺の新道から一挙に頂上を目指します。
ところが、ラッキーなことに入ってすぐにラーメン屋さんのノボリを見つけました。
それは、踏切を渡って、看板を左に曲がるとお地蔵様がお迎えするお店です。
余りに立地のよすぎる店で、行列で並びたくない人にはうってつけでしょう。
民家をそのまま利用したお店でして、名前は”尾道めん家 ひらおか”でした。
まあ、元々は普通の家だったわけでして、一階のリビングは十人も入れません。
ただ、並んで待たせることもないし、それでも入れ替わりにお客さんが来ます。
というわけで、小魚によるだしを加えた濁らない鶏がらスープは、旨かったです。
それに、ラーメンをすすれば、窓から山陽本線の電車が通過して行くのですよ。
味もしつこくないし、豚の背油ミンチも浮かばせてあったりして、これが尾道ラーメンなんだと堪能したわけなんですが、一杯五百五十円なら懐にやさしい手頃さですし、一時間も並んで食べるほどのグルメなのかと思う人には、こういうお店で即効で食べて、お寺めぐりをしたほうが良いんじゃないかと思った次第なのでした。
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