野辺山宇宙電波観測所 |
この電波天文台から、南方に目をやるとゲレンデらしい白い斜面が見えました。
あれが、野辺山スキー場だったのかと意外の近さに驚きつつ、思い出しました。
滑ったのは未だ昭和の頃で、電波天文台がこの辺にある程度の知識です。
野辺山と思いましたが、滑りに夢中で頂上から見渡すこともありませんでした。
というより、人口雪でガリンコのバーンに注意して滑るので、余裕もありません。
だから、リフトの山頂駅から見渡す気も起きずに、斜面だけを睨んでいました。
それから三十年後、ようやくにして、このパラボラアンテナを訪問できましたわ。
ただ、野辺山スキー場は休眠モードに入っており、再開は難しいかもしれない。
だって、レースやトレイニングキャンプが盛んな硬派系だったらしくて、時代遅れ。
ゲレンデだってコースが横に広がっているだけで、リフトに乗っちゃ降りの繰り返し。
クワっドリフトもゴンドラもなくて、長くリフトを乗り継ぐレイアウトすら無縁の存在。
それに、カリンカリンの人口雪バーンとなれば、首都圏から近いだけがウリでしょ。
休止されてから十年近くが経ちますが、再訪できなかったのは、少し残念です。
ところで、ご近所にできたザイラーバレイというスキー場は、現在でも健在です。
ただ、経営者がお菓子屋のシャトレーゼに代わって、名称を付け替えました。
シャトレーゼスキーリゾート八ヶ岳って、八ヶ岳の山ろくでもないのに変ですな。
最初は、冬季オリンピックで三冠王になったトニーザイラーから、もじったのです。
まあ、だいぶ昔の話で、覚えている人も、多くは三途の川を渡ってしまいました。
なので、名前にこだわる必要もなくて改名したようですが、お隣はゴルフ場です。
通年で営業できるし、ケーキなどお菓子も販売したりと、ファミリーも離しません。
こうして、スキー命みたいなレーシング野郎とは無縁に、多角化で成功ですな。
やっぱ、ゲレンデ商売は、カキ氷屋みたいなもんで、季節がめぐればお払い箱。
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今回、シャトレーゼノゲレンデを滑り終わってから、電波天文台を目指しました。
目と鼻の距離ですが、冷え冷えする冬の頃に、見学客が来るとも思えません。
ところが、着いてみれば、先に親子連れが見学コースを回っており驚きました。
そして、見学が終わった後にも見学客が来たので、ここは観光名所なんだな。
圧巻は、直径45メーターのパラボラアンテナ電波望遠鏡ですが、でかいです。
直径十メーターのアンテナ群が並んだ見学路を、通り抜けてたどり着きます。
この六台のアンテナは、ケーブルをつないで六百メーター相当になるんだとか。
科学運用は役割を終えたようですが、日本の電波天文学の象徴でしょう。
アンテナが移動台車に乗っており、線路の軌道で移動して位置決めをします。
最適な観測位置を決めるのが目的ですが、精度確保に苦労したはずです。
このため、この手の電波干渉計は、大規模化を目指して海外へ移転しました。
その名もALMAと言い、南米チリの標高五千メーターの高地にあるんだってさ。
というわけで、戦後間もなく誕生した日本の電波天文学は、ここが出発点です。
日本の電波天文学の「聖地」といってもよいのですが、より充実した科学的成果を求めて、ALMAのように研究者たちは、海外へ雄飛して行くような時代になりましたが、ここ野辺山の電波天文台は、記念碑的な研究施設として、これからも活躍を続けるほしいと思うのでした。
おまけ:こんな記事も書いておりました!
底辺の広がらない運営は自滅の一歩 - 野辺山スキー場(レーシングキャンプ野辺山) (長野県)
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シーズンもついに終盤ですね。私は4月9日の旭岳で、いったん終了にしました。今はメキシコ旅行中です。5月10日に
返信削除帰るので、もし中山峠か、旭岳が滑れそうなら、もう少しすべります。スキー場が、閉まれば、十勝岳のふもとで、シールをつけてちょこっとすべります。
コメントありがとうございます。
削除メキシコですか~、トランジットで一泊だけだったなー。
それで、今シーズンのスキーは、自分ももう終わりにしました。
去年から今年にかけて、瀬戸内海を旅行した後、西日本のスキー場を滑ってみて、やっぱり三月でスキーは終わりなんだなって、感じです。
四季の移りに身を任せて、その季節を楽しむのがいいと思うのですよ。
北海道でも、名残り雪は、もうないんじゃないかと思います。