2017年3月23日木曜日

スキー場へ行くまでのアプローチだけで、ひとくさりお喋りのできるスキー場ではあるな - 谷川岳天神平スキー場(その二・群馬県・みなかみ町)

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谷川岳の玄関口・土合駅は、登山者から「もぐら駅」と呼ばれて親しまれております。
それはなぜかというと、当駅の下り線ホームが、地下82メートルにあるからなのです。

このため、東京方面から着く乗客は、ここで下車すると階段を)昇らねばなりません。
そのステップは486段にもなり、約十分ほどの登りを強いられますが、まだ序の口か。

だって、香川県の金刀比羅宮は、階段だらけの神社で有名ですが、1368段です。
それと比較すれば、三分の一くらいだから、改札口までは軽い準備運動でしょうか。

ようやく、下りホームの海抜583mから地上へ上りますと、そこは標高746mでした。
一方、上りホームは地上駅になっていても、海抜665mだから、ここも一登りします。

まあ、改札口までは体力の要る駅ですが、ここからは谷川岳は近すぎて見えません。
頂上の双耳峰トマノ耳・オキノ耳が特徴的で、バットマンの頭部を思い出しますが。

一歩、天神平スキー場は、ロープウェイに乗る必要があり、駅から少し先になります。
坂道をもう一度登らねばならなくて、今時なら、車で駐車場に入ってしまうでしょう。

こうして、ロープウェイ駅に到着ですが、現在は複式単線方式のフニテルが運行中。
箱根の大涌谷を通り抜けるロープウェイでも有名ですが、同じタイプだと知りました。

フニテル搬器
ロープウェイの旧硬券

だって、自分が乗った頃は、まだ複線自動循環式で、以前の箱根もそうだったもの。
このタイプは、支索に支えられた搬器を二本の曳索で移動・引っ張るシステムです。

旧式は、ロープウェイが連続して繰り出されるような感じで、支索に搬器が乗るだけ。
このため、強い横風が吹くと、滑車が索道から外れやすく、事故になりかねません。

一方、フニテルはクワッドリフトみたいに、発車する直前にロープをがっちり握ります。
同じ方向に動く二本の支索で上昇下降していくので、風に強いメリットがありますな。

なので、現在ではフニテル方式に切り替えが進んで、箱根も谷川岳もそうなりました。
ところで、この土合は、かなり昔から無人駅でしたが、時に臨時改札も行われました。

観光シーズンの多客期などに、実際に実施されたようですが、基本は無人駅です。
一方、駅舎は立派な造りなのに、改札口や待合室は、がらんどうで殺風景です。

ところが、その待合室を、谷川岳千回登山を目指す登山家が基地にしていました。
その名も森邦弘さんといって、新聞などで読んで知ってはいましたが、驚きましたね。

なぜなら、あまり手入れされていなくて、荒れ放題で占拠している印象があったから。
まあ、壁には登山中の観測データを、学会で報告した資料も張られたりしています。
   
  
それで、活動実績も分かりましたが、なぜ移住までして登るのかがよく分かりません。
それでも、この山塊は百名山の一つでもあり、山に魅せられるっていうこともあります。

当時はそんな風にも思いましたが、その後も引き続き、登っておられるのか気になる。
それで、ネットで探してみたところ、八十歳の今も三千回の登頂を目指すとあります。

一年半前の新聞記事だけど、このフニクラでショートカットして、達成したのかどうか。
もし、成し遂げたのなら間違いなく大偉業ですが、高齢なだけに気がかりになります。

というわけで、妻の誕生日に2826回目を登頂した森さんの執念に、ただ脱帽です。
自分も、全国のスキー場を死ぬまで滑りまわりたいという目標を立ててはいますが、すべてのゲレンデを絶対に滑走するなどという目標に盲従する気はさらさらなく、自分の価値観の赴くままに、調査行脚を続けたいというのが、本音なのでした。


おまけ:
ようこそ「土合駅」へ
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